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猫を抱いて象と泳ぐ の商品レビュー

4.2

502件のお客様レビュー

  1. 5つ

    186

  2. 4つ

    177

  3. 3つ

    74

  4. 2つ

    11

  5. 1つ

    4

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2024/05/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

貧しい祖父母に育てられる幼い兄弟の楽しみは、休みの日に祖母とデパートに行くこと。お子様ランチも食べられない、おもちゃも買ってもらえない。それでも兄の楽しみは、このデパートの屋上でかつて暮らしていた象に想いを馳せること。大きくなりすぎて、屋上から降りられず、死ぬまでそこで暮らした象のインディラ。 夜眠る時にも頭の中に様々な想像を巡らせる。インディラのこと、そして家と家の狭い隙間に挟まったまま、そこから抜け出られずミイラになってしまった少女のことなど。 少年はとあるきっかけでチェスの深い世界を知るが、チェスの師に起こった出来事で、大きくなること、成長は恐ろしいことだと思うようになる。 成長することを拒んだ少年というと、一瞬「ブリキの太鼓」を思い起こさせるけれど、この少年の精神は繊細で思い遣り深く、優しい。彼は対戦相手に正体を知られずにチェスを行い、そしてミイラと共に過ごすことだけが少年の幸せだった。 彼自身がそれ以外を望まなかったのだから、それをあまりに切ないと思うのは、一読者の勝手な想いだろうか。

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2024/05/11

流し読みすることがおおいこの頃。小川さんの作品はゆっくりと文章を味わいながら読むのが楽しかったし、小川ワールドというように、現実味より、ファンタジー色が強く楽しめた。 チェスに関する一続きのストーリーで前半後半という分け方が良いかわからないけど、前半に特にときめきあり。よかったで...

流し読みすることがおおいこの頃。小川さんの作品はゆっくりと文章を味わいながら読むのが楽しかったし、小川ワールドというように、現実味より、ファンタジー色が強く楽しめた。 チェスに関する一続きのストーリーで前半後半という分け方が良いかわからないけど、前半に特にときめきあり。よかったです。

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2024/05/05

人生を変えた一冊との帯がついていて読み始めたものの、今の自分にはあまり響かず。時間がたったらまた違うのかな

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2024/05/05

言葉、文章、物語、世界観、全てが大好きな作品です。 ゆっくり静かに物語が展開していき、幸せな何かがあるわけじゃないんだけど、じんわり心が温かくなります。 手元において何度も読みたいなと思っています。

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2024/04/26

不思議なタイトルだと思ったが話の主題でもあるチェスにかかっていた。 チェスのルールを知っていればもっと面白かったとは思うが、そうでなくても面白く、どこか物哀しい

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2024/04/17

自分を、受け入れる。 そして、相手も優しく受け入れる。 好きの、気持ちが、静かな物語だけど 溢れてて、とても穏やかで、せつなくて 少年と、ミイラをぎゅっと抱きしめたい そんな感情になりました。

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2024/05/14

数少ない読了済みの小川洋子の中でも一際静かな物語。 読んでいることすら、彼らに知られないようにこっそりひっそり、息を潜めてページをめくる。 早くこの世界から出たかった。 なのに心に残るあれやこれや。 チェスをようやく始めてみようというきっかけになった。

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2024/03/13

初めて読んだ時、独特な世界観と作者の豊かな表現力に衝撃を受けました。私にとってこの作品は凄い!の一言につきます。 唇がくっついて生まれてきた少年に神様は並み外れた集中力とチェスの偉大な才能の仕掛けを施して下さった。しかも少年しか出来ない独特なチェスの指し方で。恵まれない環境の中で...

初めて読んだ時、独特な世界観と作者の豊かな表現力に衝撃を受けました。私にとってこの作品は凄い!の一言につきます。 唇がくっついて生まれてきた少年に神様は並み外れた集中力とチェスの偉大な才能の仕掛けを施して下さった。しかも少年しか出来ない独特なチェスの指し方で。恵まれない環境の中でも、愛情に満ちた人々に囲まれてチェスと共に生きる少年。チェスが出来たらもっと深く少年の気持ちを理解出来るのでは?とも思いました。 常に孤独と闘いながらチェスに向き合う心根の優しい少年の生き様を感じて欲しい一冊です。

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2024/03/04

リトル・アリョーヒンとして生きたチェスの名手。実在していた人物だが、いまだに謎が多いという。その彼を題材にしているが、チェス盤の下が彼の命そのものというくらい、チェスに魅了されチェスに生かされた彼の生き様が、素朴だけど奥深くて、心動かされた。彼を取り巻く、優しくて強い人物たちの存...

リトル・アリョーヒンとして生きたチェスの名手。実在していた人物だが、いまだに謎が多いという。その彼を題材にしているが、チェス盤の下が彼の命そのものというくらい、チェスに魅了されチェスに生かされた彼の生き様が、素朴だけど奥深くて、心動かされた。彼を取り巻く、優しくて強い人物たちの存在にも勇気をもらえる。

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2024/02/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読み終わってしまった… もう少し浸っていたかったし、ミイラとの再会も、老人ホームを出てまた別の場所でチェスをする姿も見たかった… 洋館のような廃バスや、地下プールの更衣室など、場面が美しくどんな場所か想像しながら読むのが楽しかった 途中から、私も棋譜の美しさをわかりたいと思い、チェスを学びながら読んだので、ミイラからの手紙「e4」だけで、文通でチェスをしようとしてるんだ!とわかったりして楽しかった。初めからチェスを知っていて読んだらもっと楽しめただろうなと思う。 ストーリーがすごく面白いわけではないけれど、全体に漂う空気感が好みだった。 猫を抱いて象と泳ぐという題名も、題名先行でストーリーを考えたのかな?というくらいぴったり。

Posted byブクログ