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犯罪 の商品レビュー

3.9

242件のお客様レビュー

  1. 5つ

    60

  2. 4つ

    91

  3. 3つ

    55

  4. 2つ

    11

  5. 1つ

    2

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2011/10/24

ノンフィクションなので、どの話も迫力があった。こんな事があるんだなぁと、しみじみとした気分になった。

Posted byブクログ

2011/10/24

ドイツでベストセラーとなった、弁護士の筆による犯罪についての短編集。よく珠玉の短編集という売り文句があるが、これは正しく珠玉の短編集だと思った。 11編からなる弁護士が主人公の短編だが、それぞれで起きる事件によって、全て語り口もテイストも異なる。主人公が経緯を追ったり、最後だけ...

ドイツでベストセラーとなった、弁護士の筆による犯罪についての短編集。よく珠玉の短編集という売り文句があるが、これは正しく珠玉の短編集だと思った。 11編からなる弁護士が主人公の短編だが、それぞれで起きる事件によって、全て語り口もテイストも異なる。主人公が経緯を追ったり、最後だけ現れたり、ちょっとしたフーダニットだったり群像劇だったり。 テイストもホラーのような話もあればミステリ、ラブストーリーから感動作まで様々。 何といっても全ての短編で、犯罪を通す事で、強烈に人間という生き物の有り様が描かれている。 全作素晴らしいが、各作品の順番の緩急も絶妙。色々な人間の姿を描いた上で、ラストを飾るエチオピアの寒村を豊かにした銀行強盗の話が、凄く泣けていい。

Posted byブクログ

2011/10/22

弁護士でもある作者が、現実の事件から着想を得た短編集。 淡々とした語り口なのに、犯罪者への同情や優しさが感じられ、余韻が残る。 翻訳モノが苦手でも、これならいける。

Posted byブクログ

2011/10/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

確かノンフィクション部分が多かったはず。 まぁそれは置いておいても短編作品集としてかなり秀逸。 後世に残してほしい。博物館警備員の話が一番好き。その最後のあたりが特に怖い。 エチオピアの男も良かったな。感動話として。

Posted byブクログ

2011/11/10

久々の一気読み。なんだか不思議な空間に漂っている感覚を持ちながら、全編読みました。 坦々とした語り口で、ドラマティックに変に盛り上げていないのに、ずっしりと心を覆ってしまう。ちょっとグロテスクだんたり、暗かったりするところもあり、自分の心が健康でないと読むのに辛いかもしれない。...

久々の一気読み。なんだか不思議な空間に漂っている感覚を持ちながら、全編読みました。 坦々とした語り口で、ドラマティックに変に盛り上げていないのに、ずっしりと心を覆ってしまう。ちょっとグロテスクだんたり、暗かったりするところもあり、自分の心が健康でないと読むのに辛いかもしれない。 りんごの謎は、最初、余りに不勉強で理解できなかってのですが、ネットの力で納得。なかなか奥が深い、と感じました。

Posted byブクログ

2011/10/18

弁護士でもある作者による、犯罪に関する短編集。 乾いた語り口は、なぜ犯人が犯罪を犯したか、真相を語っているようでもあり、さらなる闇を映し出しているようでもある。 弁護士の「私」がときどき顔を出すが、ストーリーは実話とも想像ともつかない。寡黙な男が強い酒を前に語ると似合いそうな、...

弁護士でもある作者による、犯罪に関する短編集。 乾いた語り口は、なぜ犯人が犯罪を犯したか、真相を語っているようでもあり、さらなる闇を映し出しているようでもある。 弁護士の「私」がときどき顔を出すが、ストーリーは実話とも想像ともつかない。寡黙な男が強い酒を前に語ると似合いそうな、孤独を匂わせる11の物語である。 とても好みか、と聞かれればそうではないが、不思議と記憶に残りそうだ。 特に、「フェーナー氏」「チェロ」「棘」あたりが、犯人が犯罪を犯すまでの心情描写が哀しく淋しくて味わいがある。 背後に闇組織の存在を匂わせる「タナタ氏の茶盌」「正当防衛」は、自分が疑い深いからか、説得力に欠けて、ちょっといただけない。特に前者の日本人の名前が「タナタ」というのがよろしくない。別の名字と間違えてるんじゃないかという感じがして、話全体の信憑性が薄れている。 「幸運」「エチオピアの男」は希望を感じさせる、いい話だ。これはこれでよいが、ちょっといい話過ぎて、この作品集を象徴するストーリーではない気がする。 *訳者の名前に見覚えがあると思ったら、先日読んだ『この世の涯てまでよろしく』の訳者と同じ。そう言えば、出版社も同じ。 *1編、「それって共感覚なのか?」と思わせる話があったのだが、描写がさらっとしすぎていてよくわからない。作者が、真実を描くことに主眼を置いているとも思えないので、あまり追究しても仕方ないかな・・・。

Posted byブクログ

2012/01/09

弁護士である著者の出会った「犯罪」を集めた傑作オムニバス。フェーナー氏、タナタ氏の茶?、ハリネズミ、正当防衛、棘、愛情、エチオピアの男は特に面白い。「フェーナー氏」ある生真面目な医師が数十年にわたり妻の罵詈雑言に苛まれた結果…。「タナタ氏の茶?」ヤンキー2人がメイドの手引きで名家...

弁護士である著者の出会った「犯罪」を集めた傑作オムニバス。フェーナー氏、タナタ氏の茶?、ハリネズミ、正当防衛、棘、愛情、エチオピアの男は特に面白い。「フェーナー氏」ある生真面目な医師が数十年にわたり妻の罵詈雑言に苛まれた結果…。「タナタ氏の茶?」ヤンキー2人がメイドの手引きで名家に空き巣に入り一族伝来の茶?を盗んでしまい…。「チェロ」一代で富を築いた厳格な父とその子ども姉弟、軋轢の逃避行の果ては…。「ハリネズミ」犯罪者一家に生まれ、馬鹿のふりを続けた天才末っ子が、兄の濡れ衣を晴らすため立ち上がる。「幸運」女を買った客が腹上死。女の同棲相手の男が死体を発見してやったことは…。「サマータイム」有名企業社長が女子大生を売春の末殺した嫌疑をかけられる。裏には女子大生の彼氏の影が…「正当防衛」ある男が襲いかかった不良2人を監視カメラの映像でも見えない手際で瞬殺。男は身元も名前も一切明かさず、NYからは無罪にしろと弁護依頼が舞い込む。「緑」農村の名家の息子が、家畜の目玉をくりぬき始める。彼の部屋の地下から村の少女の目のない写真が見つかり…。「棘」美術館に23年間務めた男が、ある彫像に囚われたわけ。「愛情」青年が愛する女性の背中にナイフで切り込みを入れたのは…。「エチオピアの男」2度目の銀行強盗をしたが、完全無抵抗で捕まった男の数奇な半生。以上11篇。

Posted byブクログ

2011/10/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人間の業の深さ、やさしさ、悲しさ。著者は刑事弁護士ということで、派手さはないが、経験を踏まえた重みがあり、抑えた筆致がいい。犯罪を題材にしているが、妙に答えを出そうとしないのがリアルでいい。人間て不思議ですね。

Posted byブクログ

2012/05/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

弁護士が語る犯罪の数々。あまりにも淡々と語るので実話かと思いました。 謎解きよりも、人々の人生や心に寄り添ったお話です。 【フェーナー氏】悪妻に反抗もせず耐え続けていた夫が、妻を殺した理由というのがおもしろいです。妻の心情ももっと知りたかった。 【タナタ氏の茶碗】盗まれた茶碗を巡って悪党がぞろぞろと出てきますが、見えない強烈な存在に潰されていくのが恐ろしい。本音と建前を分ける日本人の怖さがでていました。 【チェロ】姉と弟の間に起こった悲しい犯罪です。殺害シーンはとても印象的でした。父親の気持ちや、その後の行動に胸が痛みます。 【ハリネズミ】短い法廷劇でとても楽しかったです。どこか憎めない犯罪者一家もおもしろい。 【幸運】冒頭の女の体験が痛々しかったです。未熟で行きあたりばったりで、愛だけ溢れている若い男女が悲しくて素敵でした。 【サマータイム】アリバイ崩しでネタはわかりやすい。小説などでは、男の為に身を売る女の末路はいつも悲劇的です。 【正当防衛】駅のホームでのシーンが強烈。弁護士や刑事、それぞれの立場が見えるお話でした。 弁護士の最後の行動が、職業上の理念と私心を表しているようで意味深です。 【緑】羊たちを猟奇的に殺す青年の心の闇。弁護士と青年の会話が良いです。 【棘】彫像「棘を抜く少年」の棘が気になって仕方ない博物館警備員。あまりにも気にしすぎて精神のバランスを失う様、心の平安を保つ為の悪戯など、とてもおもしろかったです。最後に警備員が思い切った行動をとった時には、なんだかわたしもスッキリしました。 【愛情】恋人をナイフで切った男の心情とは。最後に弁護士が青年に言った言葉と、青年のその後がとても印象的です。愛ゆえに、というのも分からないではないですが。 【エチオピアの男】最後にいい話が読めて良かったです。銀行強盗時の男の態度が涙を誘います。

Posted byブクログ

2011/10/09

ドイツでの発行部数45万部、世界32ヵ国で翻訳されているらしい。 刑事弁護士である著者が、現実の事件を元に語る11の犯罪の物語。 といっても堅苦しい話ではなく、法廷での丁々発止としたやり取りもない。ただ犯罪を犯してしまった人々の人生を簡潔な言葉で淡々と描いた短編集である。 犯罪を...

ドイツでの発行部数45万部、世界32ヵ国で翻訳されているらしい。 刑事弁護士である著者が、現実の事件を元に語る11の犯罪の物語。 といっても堅苦しい話ではなく、法廷での丁々発止としたやり取りもない。ただ犯罪を犯してしまった人々の人生を簡潔な言葉で淡々と描いた短編集である。 犯罪をテーマにしているが、ミステリというよりは文学的で、一編一編が短いのですぐ読めるが心の奥に深い印象を残す。 ベストは不気味な「正当防衛」と、罪とは何かを問いかけるラストの「エチオピアの男」かな。これは最後に読むべし。

Posted byブクログ