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犯罪 の商品レビュー

3.9

242件のお客様レビュー

  1. 5つ

    60

  2. 4つ

    91

  3. 3つ

    55

  4. 2つ

    11

  5. 1つ

    2

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2024/08/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

硬い筆致で感情を挟まず淡々と進む。 「棘」「愛情」「エチオピアの男」がよかった。 棘→棘が抜けるとスッキリするよね。わかる 愛情→猟奇的 エチオピアの男→犯人に感情移入して見ていた ドイツって事で登場人物に移民が多いのが日本との違いを感じた(もっぱら貧しく苦しむ側として登場するのが社会問題を孕んでいるなとも)

Posted byブクログ

2023/10/25

連作短編集とあるが、実質は短編集である。一つ一つの話は繋がっていないし、謎解きがあるわけでもない。犯罪に走ってしまった人々の様々が描かれており、それも様々だ。個人的には今ひとつ、といったところ。

Posted byブクログ

2023/06/21

文字通り「犯罪」の短編集。 薄い本で11も短編があるので、1篇あたりのページ数は少ない。あいかわらず感情が書かれず淡々と描かれているのは読みやすい。しかし、気をつけないとただの調書というか、判例集みたいな感じになって「だから」とか「あっ、そう」みたいな感想になってしまいそう。 ...

文字通り「犯罪」の短編集。 薄い本で11も短編があるので、1篇あたりのページ数は少ない。あいかわらず感情が書かれず淡々と描かれているのは読みやすい。しかし、気をつけないとただの調書というか、判例集みたいな感じになって「だから」とか「あっ、そう」みたいな感想になってしまいそう。 3冊目にしてやっと著者のデビュー作。 この人、刑事事件の弁護士さんだけにいろいろなネタを持ってますね。 1番好きなのは「棘」かな。 精神が壊れていく過程がおもしろい。 それから「緑」という作品で、自分もまちがって思い込んでいた知識が改善された。 「18という数字が怖いんだ。18は悪魔だ。6が三回で18。わかる?」 私はきょとんとした。 「黙示録。反キリスト。獣と悪魔の数字なんだ」 (中略) 「――ヨハネのいう666は悪魔じゃない。ローマの皇帝ネロを暗示していたんだ」 「えっ?」 「皇帝ネロをヘブライ語読みにして、それぞれの子音の持つ数値を合計すると666になる。それだけのことだ。ヨハネは名指しすることができなかったので、文字を数字に置き換えたのさ。反キリストとはなんの関係もない」 まさに「えっ?」ですよね。 これ、知らなかったー。 オーメンに騙されてた(笑) 今度から仲間内で飯食いにいったときなんかでお釣りが666円になったときに使えるな。よし。φ(`д´)メモメモ... そういや、作中にいちいちリンゴが出て来るし、最後のページにはドイツ語で「これはリンゴではない」と意味ありげに書かれていた。 オッシャレ―なんかね? なんかの隠喩かね? キリスト教の原罪的な。裏表紙もリンゴだったし。 残念ながらこちとらバリバリのアジア人で日本人だから知ったこっちゃねーわ。 味噌汁で顔を洗って出直してきやがれー(笑)

Posted byブクログ

2023/06/15

登場人物の多くが、戦争や貧困、孤独などからある日犯罪を起こしてしまう…という人達で、いつの日か自分にも起こりえることだな、と思わされる話に身をつまされた。死因や外傷の生々しい記述があるが、「オチ」にニヤリとさせられる箇所も多い。

Posted byブクログ

2023/06/10

国の社会問題を裏背景として、生きる為に罪を犯す者達。自らの身体をモノとする女性や麻薬密売をしなければ生きる道はない男性。残虐性と悲哀が混ざり合う短編集は、ページを捲る度に心臓がキリキリする衝撃作。それでも目が離せない異様さが魅力。好みが分かれる作品。個人的には「タナタ氏の茶碗」...

国の社会問題を裏背景として、生きる為に罪を犯す者達。自らの身体をモノとする女性や麻薬密売をしなければ生きる道はない男性。残虐性と悲哀が混ざり合う短編集は、ページを捲る度に心臓がキリキリする衝撃作。それでも目が離せない異様さが魅力。好みが分かれる作品。個人的には「タナタ氏の茶碗」や「愛情」は衝撃的という意味で、「チェロ」は哀しいという意味で印象的な短編だった。

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2022/10/13

11の短編集。 「フェーナー氏」 開業医のフェーナー氏。妻と知り合った24才の頃。ふたりとも若く、空気はみずみずしかった。しかしカイロでの新婚旅行の夜から、フェーナー氏の闇は始まったのか? 妻の策略にはまったのか。72才になったある日・・ その描写がすごい。ここまでの感情の蓄積...

11の短編集。 「フェーナー氏」 開業医のフェーナー氏。妻と知り合った24才の頃。ふたりとも若く、空気はみずみずしかった。しかしカイロでの新婚旅行の夜から、フェーナー氏の闇は始まったのか? 妻の策略にはまったのか。72才になったある日・・ その描写がすごい。ここまでの感情の蓄積・・  「タナタ氏の茶盌」 タナタ氏は日本人の設定。タナカではなくタナタなのか?などと思いながら読む。その茶盌は抹茶茶盌。 この2作を読んだ。解説によれば作者は弁護士で現実の事件を材にして描いているとあった。短編で、登場人物がいて、その者はやがで事件を起こす、その経過が淡々と筋道だけ描かれている。でもあらすじでは無い。とても密度が濃い空間で硬質。なので、窒息気味になり、2作でちょっと休止した。 表紙の絵が作品の空気と合っている。装画:タダジュン 2009発表 2011.6.15初版 2012.4.10第8版 図書館

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2022/03/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

犯罪心理に興味があるので読んだ。 どれも短い話なので読みやすく、色んな話があった。 もう少し犯罪心理に焦点を当てて欲しかった。 この著者の他の作品も読んでみたい。 ・フェーナー氏 ★★★★ フェーナー氏は、精神的に病気な部分があったんじゃないかと思った。 約束を守る事に囚われて離婚という逃げ道を無くしてる。と言っても、離婚という選択はせずに約束を守るという事を優先しそう。 ・タナタ氏の茶碗 ★★ 日本が登場してビックリ! それ以外は印象に残らなかった笑 ・チェロ ★★★★ 結末は予測できるけど、誰も幸せにならないドロドロな感じが好き!! ・ハリネズミ ★★★★★ この作品で1番好きで痛快だった! 頭のいい主人公がかっこよく、クールやった! ・幸運 ★★★ どんな内容か忘れたので調べた。 主人公の女の子が悲惨すぎた〜 この話、映画になってるみたい。 ・サマータイム ★★ これもどんな内容か忘れたので調べた。 探偵小説みたいな感じだった。 ・正当防衛 ★★ こちらも内容忘れで調べる。 チンピラに絡まれた人が殺し屋?スパイ?で逆にチンピラを殺す。映画ではよくありそうだが現実でも絡んできた人を手早く殺したり出来るんだろうか?! ・緑 ★★★★ 内容忘れて調べて、あーこれ好きなやつ!と思い出した話。 羊の目玉をくり抜く少年の話。 猟奇的な人の心理とか超興味あるし、好き! 女の子を羊と同じように殺したのか。って言う気になる展開も良し! 結末がどーなったか忘れたけど。笑 ・棘 ★★★ 別に好きな話じゃないが、なぜか印象に残ってて覚えてる。 棘がこんなに気になるなんて!!笑 ・愛情 ★★ これも内容忘れてた。 恋人の背中をナイフで刺す話。 ぶっちゃけ、ちょっとわかる! ナイフではないし、暴力でもないが、可愛いとか思ったらグチャグチャにしたくなる!実際にはしないけど。 憎悪ではない。なんなんだ!この感情は!? ・エチオピアの男 ★★★★★ 泣いた!!感動した!!! ただただ主人公の男が報われて欲しいと思いながら読んだ。ラストを飾る素敵なお話!

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2021/04/02

11の物語はどれも傑作、シンプルで、興味深い。 人は我慢強いし、優しいし、醜いし、残酷だし、 内なる狂気を秘めている。

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2020/08/09

評判に違わず、読む者を虜にしてしまう重厚な犯罪小説です。犯行に至るまでの犯罪者心理が巧みに描かれており、あたかも犯行現場に臨場しているような興奮を覚え、被疑者と裁判の行方に興味が尽きない11篇の物語です。どの作品も味わい深く甲乙つけがたいのですが、殊に『エチオピアの男』には強烈な...

評判に違わず、読む者を虜にしてしまう重厚な犯罪小説です。犯行に至るまでの犯罪者心理が巧みに描かれており、あたかも犯行現場に臨場しているような興奮を覚え、被疑者と裁判の行方に興味が尽きない11篇の物語です。どの作品も味わい深く甲乙つけがたいのですが、殊に『エチオピアの男』には強烈な印象をもちました。著者は、ドイツ・ナチ党全国青少年最高指導者だったB.V.シーラッハの孫に当たり、刑事事件弁護士でもあるドイツ文壇注目の作家ということです。

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2019/02/21

一生添い遂げると約束して結婚した妻に、いつしか罵声を浴びせかけられるようになり、耐えて、耐えて耐え続けて、それでも妻を殺害してしまった夫。 駅のホームで難癖をつけてきた輩を、目にも止まらぬ動きで殺した男。身元がわかるものは何一つ身につけていない。黙秘を通している。正当防衛が認めら...

一生添い遂げると約束して結婚した妻に、いつしか罵声を浴びせかけられるようになり、耐えて、耐えて耐え続けて、それでも妻を殺害してしまった夫。 駅のホームで難癖をつけてきた輩を、目にも止まらぬ動きで殺した男。身元がわかるものは何一つ身につけていない。黙秘を通している。正当防衛が認められ、無罪放免となるが…。 交際していた彼女を「食べてしまいたいくらい愛している」と切りつけた男。 彫像「刺を抜く少年」の刺を抜いてやりたいと、彫像を壊した博物館警備員。 生まれてから一度もいいことのなかった銀行強盗が逃げ延びた先はエチオピア。そこで初めて人のあたたかさに触れ、エチオピアの寒村を豊かにしたが…。 そんな犯罪の短編集。 ドイツ文学のせいか、淡々としすぎ。 マイクル・クライトンのジェットコースター作品を読んだすぐあとなので、余計物足りなく感じるのかもしれないけれど。

Posted byブクログ