犯罪 の商品レビュー
内容(「BOOK」データベースより) 一生愛しつづけると誓った妻を殺めた老医師。兄を救うため法廷中を騙そうとする犯罪者一家の息子。羊の目を恐れ、眼球をくり抜き続ける伯爵家の御曹司。彫像『棘を抜く少年』の棘に取り憑かれた博物館警備員。エチオピアの寒村を豊かにした、心やさしき銀行強盗...
内容(「BOOK」データベースより) 一生愛しつづけると誓った妻を殺めた老医師。兄を救うため法廷中を騙そうとする犯罪者一家の息子。羊の目を恐れ、眼球をくり抜き続ける伯爵家の御曹司。彫像『棘を抜く少年』の棘に取り憑かれた博物館警備員。エチオピアの寒村を豊かにした、心やさしき銀行強盗。―魔に魅入られ、世界の不条理に翻弄される犯罪者たち。高名な刑事事件弁護士である著者が現実の事件に材を得て、異様な罪を犯した人間たちの哀しさ、愛おしさを鮮やかに描きあげた珠玉の連作短篇集。ドイツでの発行部数四十五万部、世界三十二か国で翻訳、クライスト賞はじめ、数々の文学賞を受賞した圧巻の傑作。
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人間の心の洞察が鋭い作家はとても好き。弁護士である著者にとって、人を洞察するのは、弁護という仕事のためではあるが、そもそも人が行動を起こす理由に関心があるのだと思う。人の行動には必ず理由がある。仮に精神異常だとしても異常となるきっかけがあったりする。そのきっかけや原因を丁寧に追え...
人間の心の洞察が鋭い作家はとても好き。弁護士である著者にとって、人を洞察するのは、弁護という仕事のためではあるが、そもそも人が行動を起こす理由に関心があるのだと思う。人の行動には必ず理由がある。仮に精神異常だとしても異常となるきっかけがあったりする。そのきっかけや原因を丁寧に追えば、必ず事件(その人の行動の理由)は判明する。本当におもしろい。
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【2012年本屋大賞(翻訳小説部門)第一位】ドイツで弁護士として活躍している著者が,自身の事務所で扱った事件をベースに書いた短編集です。異様な事件の中に,人間の様々な感情を感じ取ることができる傑作です。
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読者として幼すぎて、初め、ただ読了しただけでした。 後から、じわじわと甦る物語の凄さ、と人間の深さ、恐ろしさを覚えました。 再読し続けたい稀有な1冊だと思う。
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ドイツの弁護士であるフェエルディナンド・フォン・シーラッハが実際に経験した刑事事件をモチーフにした連作短編小説。 どの話も短編の割には濃密だし、さくっと読めるのはいい感じですね。このミス海外編の2位に選ばれてますが、ミステリーと呼べる話は”サマータイム”ぐらいじゃないかなw 読み...
ドイツの弁護士であるフェエルディナンド・フォン・シーラッハが実際に経験した刑事事件をモチーフにした連作短編小説。 どの話も短編の割には濃密だし、さくっと読めるのはいい感じですね。このミス海外編の2位に選ばれてますが、ミステリーと呼べる話は”サマータイム”ぐらいじゃないかなw 読み始めた当初は平山夢明の『他人事』みたいなグロテスクな犯罪を淡々と描いてるだけだと思ったけど、後半もテーマは同じ犯罪だけどもっとやんわりした話とかもあって良かったです。著者の引き出しの多さを感じますね。 淡々と感情を込めずに犯罪が語られるのは結構怖い。そして、そこに描かれる人間(犯罪者)たちは実際の事件がモチーフなだけあってどれもすごくリアルです。そんな11個の物語をどれも数十ページで描き切るのはすごいの一言ですね! でもやっぱ個人的には長~い長編の方がどっぷりとその世界感に浸かれて好きですねw 普通に面白かったけど、そこまで絶賛するほどなのかは少し疑問です。
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フェーナー氏☆☆☆ タナタ氏の茶碗☆☆☆☆ チェロ☆☆☆ ハリネズミ☆☆☆☆☆ 幸運☆☆☆ サマータイム☆☆☆ 正当防衛☆☆☆☆ 緑☆☆☆ 棘 ☆☆☆☆ 愛情 ☆☆ エチオピアの男 ☆☆☆☆
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たまたま『罪悪』を先に読み、こちら『犯罪』のほうは、人物の心理に寄り添った描写が多いな、と感じました。筆者であろう「私」の述懐も少し多かったように思います。無情な人生の礫を切り出してくる刃の鋭さが、こちらは少し丸く、情に流れやすいのかな、と思いながら読みましたが、読み終えたあとじ...
たまたま『罪悪』を先に読み、こちら『犯罪』のほうは、人物の心理に寄り添った描写が多いな、と感じました。筆者であろう「私」の述懐も少し多かったように思います。無情な人生の礫を切り出してくる刃の鋭さが、こちらは少し丸く、情に流れやすいのかな、と思いながら読みましたが、読み終えたあとじんわり心に蘇ってくるエピソードの力はこちらの方が強いかも知れません。とくに『エチオピアの男』が。
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事実を元にした小説・・・らしいけど、作り込んだ感じは余りしない。起こった事をありのままに淡々と記述している感じ。トリックもロジックも推論もなく、あるがままの事は私の想像を越えて気持ち悪い。普通の物語のほうが楽なのは、リアルじゃないからいいのかもね。
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翻訳物としては確かに読みやすいかもしれない。 洋書は苦手だけれどもこれは読破した。 ただ、外国特有のブラックな言い回しやユーモアやオチについて いけなかったのでそのあたりはまだ苦手意識が抜けないかも。 あくまで個人的な意見。
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評判が良かったので読んだけど、個人的には普通。 語り口が単調で、余計な描写がなくて、好意的に読めた。
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