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交渉術 の商品レビュー

4.1

57件のお客様レビュー

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2024/05/29

 『文藝春秋』で連載。交渉方法の解説ではなく、かつて日露間で北方領土交渉(「二島返還、残りは保留で交渉成立寸前)が行われていたときの政府や外務省の裏話を中心に、実際の外交官や官僚がどんな方法で情報を集め、政治的な駆け引きをするのかが赤裸々に書かれている。ハニトラや酒は穏健な方で盗...

 『文藝春秋』で連載。交渉方法の解説ではなく、かつて日露間で北方領土交渉(「二島返還、残りは保留で交渉成立寸前)が行われていたときの政府や外務省の裏話を中心に、実際の外交官や官僚がどんな方法で情報を集め、政治的な駆け引きをするのかが赤裸々に書かれている。ハニトラや酒は穏健な方で盗聴器は知ってても摘発しないのが作法‥流石に暴力的な手段はちょっとグレーなゾーンのことを「合法的な疑い」ということで警察が踏み込んで、「不問にした」を恩を売ってというようなことがよくあるらしい。  それにしても、嘘か真か「(あるアピールのために赤の広場で焼身自殺しろと言われれば/『一晩考えさせてください』と言って、たぶん受け入れる」忠誠心が日頃から試されている。日本の政治家や官僚や外交官って(世襲が多いだけに)意外と優秀なんだなぁと驚く、ただし「公金効果的使用と私的流用の区別がつかない」悪い面も見えてくる。しかし国際外交は継続性が命脈なので彼らに頼らざるを得ない。  日本の首相(橋本・小渕・森)やロシアの大統領(エリツィン・プーチン)などの素顔は、国家を握る責任の重みに耐える怪物といっていいいか。  佐藤は、自分の存在が「ぎりぎり領土返還交渉継続の余地を残した」とする。

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2021/08/29

読み応えあった。通勤往復の車内のみで読んでいたが、丸々1か月間かかってしまった。交渉術というタイトルだが、ハウツー本というよりは、著者の外務省在勤中のエピソードが中心になっており、一連の佐藤優の自叙伝の一つ。改めて、すごい仕事をしてきたことに圧倒された。

Posted byブクログ

2021/06/29

外交官として北方領土問題の第一線で活躍した著者。 外交官時代の実体験をもとに交渉術が綴られる。 鈴木宗男氏ってのは熱い男だったんだな。 佐藤氏の著作は初めて読んだが、外交官というのは凄まじい仕事なんですね。北方領土問題関係を読んでた流れで手に取ったわけだが。 ここに記さ...

外交官として北方領土問題の第一線で活躍した著者。 外交官時代の実体験をもとに交渉術が綴られる。 鈴木宗男氏ってのは熱い男だったんだな。 佐藤氏の著作は初めて読んだが、外交官というのは凄まじい仕事なんですね。北方領土問題関係を読んでた流れで手に取ったわけだが。 ここに記された交渉術。一般人がhow toものとして気軽に利用できるものではない。外交交渉を覗き見るという意味では楽しい読み物でした。

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2021/06/04

私達が気軽に使える交渉術を披露する、という本では決してない。ただ、人間というのは、特にインテリ層はどういう生き物で何を考えているのか、ということを知るには最適な書籍。いつもながらではあるが、著作の、読む人をグイグイ引き寄せる文章力はさすが。 人間を知るには、司馬遼太郎か佐藤優か、...

私達が気軽に使える交渉術を披露する、という本では決してない。ただ、人間というのは、特にインテリ層はどういう生き物で何を考えているのか、ということを知るには最適な書籍。いつもながらではあるが、著作の、読む人をグイグイ引き寄せる文章力はさすが。 人間を知るには、司馬遼太郎か佐藤優か、というのは確実に言い過ぎだろうが、そのように感じてしまった。

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2020/11/01

交渉術という直接的な言葉に惹かれて読み始めたが、意識は別方向へと飛ばされていった。 佐藤氏の置かれた立場の当時の隣人として立ち会っているような錯覚にとらわれていた。 また、エッセイを読んでいるような思いも覚えていた。 佐藤氏も書かれていたがこれは失敗が記された書であると‥ この書...

交渉術という直接的な言葉に惹かれて読み始めたが、意識は別方向へと飛ばされていった。 佐藤氏の置かれた立場の当時の隣人として立ち会っているような錯覚にとらわれていた。 また、エッセイを読んでいるような思いも覚えていた。 佐藤氏も書かれていたがこれは失敗が記された書であると‥ この書から交渉術を身につけようと思ったら何度も熟読せねばならないような気がする。 しかし、面白い!

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2019/03/23

外務省での事例に学ぶ『交渉術』です。応用が効く人なら活用できるだろうが、簡単に適用できるHow to本のつもりで読むと目的とは異なるだろう。 純粋に外務省の外交交渉を垣間見る本としては読みやすく楽しいです。

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2018/11/12

この本を読むと、日本のインテリジェンス(スパイ術)も結構なものがあるなと思える。ただそれが、外務省にあるのが意外であり、また、主にその力を外交ではなく、自省の権益確保と自らの昇進に消費してしまっているところが残念であった。この本は2009年の本だが、いまでもこのインテリジェンスは...

この本を読むと、日本のインテリジェンス(スパイ術)も結構なものがあるなと思える。ただそれが、外務省にあるのが意外であり、また、主にその力を外交ではなく、自省の権益確保と自らの昇進に消費してしまっているところが残念であった。この本は2009年の本だが、いまでもこのインテリジェンスは保持できているのだろうか?目に見えないことから、意外と保持できているのかもしれない。というか、そう思いたい。

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2018/10/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

レビュー載せたつもりで載せてなかったー。 のっけから面白い。西洋で交渉とかロジックが発達したのは、神と交渉する必要があったからだ、とか。異文化圏の人との交渉のためには、(当たり前と言えば当たり前かもだが)相手の文化やそもそもの考え方を知る必要があるので、相手国の宗教経典、神話、国語の教科書を研究するといい、とか。諜報関連のプロはそういうことを考える研修もしたりするんだ、と。 交渉というのは、交渉を行うことによって、こちら側の利益の極大化を図ることが目的なので、こちら側の利益が損なわれることが明白な場合は、そもそも交渉を行ってはならない。 ハニートラップは、工作してくるから怖いんじゃない(まぁそういうのもあるけど)。なるほど!と思ったのは、そもそも、まず、普通の恋愛が先なんだ、と。で、ロシアとかの場合、有力者の子どもだったり有力者本人だったりすると、トラブル巻き込まれ時のもみ消しが可能だったりするので、そこでもみ消し行動を行うことで、そういう関係があることが秘密警察等に感づかれ、そこからコンタクトが取られ始める。 賄賂を渡すなら、毎月定額、もしくは、情報に対しての対価、というやり方ではなく、あくまで日常の友人に対してのプレゼント、もしくは、助けるための資金提供、という形が最も有効。前者の場合、初めは、買った、など、金銭的匂いは一切させず、空港でスッゴいあなたに似合うと思うものがあったので手に入れちゃった!的に渡す。これをイベントごとに繰り返し、どこかで最後に、あ、もらいすぎたと思わせることがポイント。後者の場合、特に医療費など生命に関わることを助けるのが効果が高い。 いやぁ、ほんと、事実は小説より奇なり、とはよくいったもので、面白いし、勉強になる。自分も戒めなきゃね。 そして、政治家の実情や性格、実は(メディアに見えてこないけど)すごいところとか、ちょっと(ちょっとだけ)世界の見え方は変わったかもね。

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2018/10/01

元ロシア外交官の佐藤優による回顧録。 とかく政治家や官僚に対して潔癖であることを求めがちであるが、実際のインテリジェンスの世界は一筋縄でいかないことがよくわかった。

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2017/12/18

外務省の人が普段一体どんなことをしているのか?その交渉相手は? 誰ととんな交渉を?を垣間見ることが出来る。鈴木宗男の印象も少しは変わるんじゃないかな。外交の裏側、官僚機構の実際など普段あまり知られていない様子を垣間見ることが出来る。

Posted byブクログ