還るべき場所 の商品レビュー
「夢を見る力を失った人生は地獄だ」何回か出てくるフレーズ。そのたびに何回も読み返したフレーズ。夢を実現するために尽力した人しか言えない台詞だわ・・と思いつつとっても惹かれた台詞。 「山がそこにあるから」登る、理由はない。それは低い山しか経験ないけど同じ。今年は燕山には登るぞ~~!...
「夢を見る力を失った人生は地獄だ」何回か出てくるフレーズ。そのたびに何回も読み返したフレーズ。夢を実現するために尽力した人しか言えない台詞だわ・・と思いつつとっても惹かれた台詞。 「山がそこにあるから」登る、理由はない。それは低い山しか経験ないけど同じ。今年は燕山には登るぞ~~!そろそろ鍛えますか(-o-;)
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現代的な山岳小説。舞台はヒマラヤ。でもエベレストやK2じゃなくブロードピーク。アルパインスタイルの冒険家じゃなくて公募登山隊。ある意味地味な舞台立て。超人的な活躍をする人は出てこない。でもそのぶんピンチ=生命の危険なのでハラハラさせられた。
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山岳小説は今まで読んだ事なく、自分で手に取る事もなかったと思う。でも「選り好みせずに読書をしよう!」をモットーにしているため、知り合いが読み終わったと置いていったのをきっかけに挑戦してみた。専門用語はよくわからないが、わからないなりにも読み進める事は出来る。登山を始めようとは思わなかったが、K2やブロードピークの様子が見たくて、画像検索してしまった。ただの山岳小説ではなく、様々な人間模様、心の葛藤などの描写が詳細にされていて感情移入してしまう所もあり最後まですんなり読む事が出来た。読み終わった後は爽快感があった。
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児玉清さんが、帯でコメントしていたので思わず購入。K2の未踏の東壁アタックでパートナーを喪い、4年間山から遠のく主人公...というところから始まる。あぁ、お決まりの山岳物語だなと思いきや、おもしろい! 山岳ツアーの会社を設立した山仲間の友人からブロードピークへの公募登山ツアーの手...
児玉清さんが、帯でコメントしていたので思わず購入。K2の未踏の東壁アタックでパートナーを喪い、4年間山から遠のく主人公...というところから始まる。あぁ、お決まりの山岳物語だなと思いきや、おもしろい! 山岳ツアーの会社を設立した山仲間の友人からブロードピークへの公募登山ツアーの手伝いを頼まれる。 そこに参加した、還暦を過ぎた実業家。その秘書。 それぞれの思いが、8千mの山肌で絡み合い、深みを増す。主人公を含め登場人物のキャラクターがしっかり描かれていて思わず感情移入。 とにかく場所が場所だけにヒヤヒヤドキドキ。それに空気は薄いし寒いし、危険だし。アルパインスタイル?オーバーハング??ぐったり疲れたけれど満足。 山岳、登山用語を調べながら、山の稜線の名前がでてくるたびに、これも調べながら楽しんで読み終わりました。
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夢枕獏は『神々の山嶺』の後書きで「これだけの山岳小説はもう恐らく出ないであろう」と書いたが本作は充分に肩を並べ得る内容である。エベレスト南西壁冬期無酸素単独登頂というスーパー・アルピニズムの見果てぬ夢を描いた夢獏に対し、本書では対極的な公募形式の商業登山をテーマに選んでいる。又、...
夢枕獏は『神々の山嶺』の後書きで「これだけの山岳小説はもう恐らく出ないであろう」と書いたが本作は充分に肩を並べ得る内容である。エベレスト南西壁冬期無酸素単独登頂というスーパー・アルピニズムの見果てぬ夢を描いた夢獏に対し、本書では対極的な公募形式の商業登山をテーマに選んでいる。又、因縁の山・象徴の山としてのK2は常に物語の遠景にあるものの、舞台は八千米峰としてはやや地味なブロード・ピーク、固定ロープべた張りの一般ルート。時は夏。ミステリ的要素や敵役の配置を一切排したピュアな山岳小説。男達の再生と友情の物語。
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山岳小説ブームの母から借りた本。 K2を舞台とした『凍』もヒシヒシとした緊張感と生命力の強さを感じたけど、この小説もまたスゴい。 以前ネパールに行った時、シェルパさんが『並行感覚とお金さえあればエベレストは登頂出来る』って言っていたのを間に受けてしまっていたけど、そんなことあ...
山岳小説ブームの母から借りた本。 K2を舞台とした『凍』もヒシヒシとした緊張感と生命力の強さを感じたけど、この小説もまたスゴい。 以前ネパールに行った時、シェルパさんが『並行感覚とお金さえあればエベレストは登頂出来る』って言っていたのを間に受けてしまっていたけど、そんなことあるハズもなく。。。 いつか山に登り、見たことの無い世界と価値観を体験したいなぁと思わせる力強い小説でした。
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文句なしの★5つ。 600頁超のボリュームながら、その内容の面白さに(ほぼ)イッキ読みしてしまった。 --------------- K2(8,611m) ・カラコルム山脈にある山。その標高は世界第2位。 ・不安定な天候、急な傾斜により登頂の難しさでは、エベレストより上と言われている。 --------------- 主人公は、K2東壁ルートからの初登頂を目前に、最愛のパートナー聖美を失ってしまう。 4年間、その悪夢から抜け出せないでいた主人公は、かつての山仲間からの誘いで、半ば強引に、ふたたびカラコルムの地を踏む。 商業登山のスタッフの一員として… というのが話の大筋?なんだけど。 第二の主人公ともいうべき「神津」 この神津の生き方、言葉、そのひとつひとつが、とにかく響く。 人と折衝、人の中で生きてゆくこと。 そのことに不器用な主人公が、徐々にその自分の性格と折り合いをつけてゆく様。 ・聖美とイクバルの話。 ・神津と竹原の信頼関係。 とにかく読ませてくれる。 そしてなんといってもブロードピーク(標高8,047m。世界で12番目に高い山)への商業登山アタック。 翔平はスタッフとしての参加となるので、参加者の安全を確保しながら、いろいろな困難に対処してゆくことになるのだが。 とにかく先が気になってしまい、つい頁をめくるスピードが速くなってしまうほど。 わたしは山をやるのだけど、この本を読んで、私なんてまだまだ「お気楽・趣味ハイカー」の域であることを再認識。一般の人よりは専門用語への馴染みもあるかもしれないけど。 ピッケルやハーネスを使うようなハードな登山はほんとごく一部のエキスパート達の領域。 外壁や雪山の用語には知らない言葉も多かった。それでも全然問題なく、ほんと面白く読めた。 オススメの一冊。 -------------------------- ・山を題材にした本。 ・児玉清の解説(この人の解説本に、わたし弱いんです) 上記2点から、昨日買ったばかりの本。 ビブリアの2冊目に行く前に、この本を挟もうかと。
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ヒマラヤ最高峰の山K2を目指す人達の話。 4年前に恋人をK2で亡くした者、同じくK2で同じ隊の仲間を亡くし山から遠ざかった者、壮年になり山に取り憑かれた者。 山を愛してやまない人達が出てきます。 大筋としてはそれぞれが色々な想いや事情をかかえながらK2を目指す、という話なのだ...
ヒマラヤ最高峰の山K2を目指す人達の話。 4年前に恋人をK2で亡くした者、同じくK2で同じ隊の仲間を亡くし山から遠ざかった者、壮年になり山に取り憑かれた者。 山を愛してやまない人達が出てきます。 大筋としてはそれぞれが色々な想いや事情をかかえながらK2を目指す、という話なのだけど話の大半はアマチュア登山家達が公募登山でブロードピークを登る話。 話の中に山の専門用語がわんさか出てきます。 私は多分一般の方よりは登山に興味がある方だと思うのだけど、それでもクライミングの専門用語が説明もなくこれだけ出て来るとなかなか話に集中する事が出来なかったです。これを読んだ他の人達は大丈夫だったのかな? アンザイレンとかトラバースとかビレイとか分かるのかな? 私はそのおかげで話に入れ込む事が出来なかったです。 あと最後のエリスの話はいったのかな、とか。 そんな感じで気になる事はいっぱいあったのですが、すごく面白かったです。 話に出て来た山をネットで検索をし、画像や動画を観て想像を膨らませながら話を読む日々は楽しかったです。 読み終わった後は旅行から帰って来た後の様に少し寂しかった。 山という自然に魅せられた人達の話はとてもさわやか。 山が好きな人は楽しめるのではないでしょうか。 *追記 読了後数日たってぼーっと考えていたのですがこの本の帯に「ミステリー小説!」とあおりがはいってるんですね。 これを読み始めの時に読んで 「なるほど。聖美さんの死の全貌が明らかになる話なんだな」と一人合点させてしまったんですよね。 そのせいで、聖美さんの話があまり書かれていなかった事に納得がいかなかったのかも。 ペースメーカー、トラウマ、聖美さん、公募登山のあり方、他のパーティーとの確執、アルゼンチンのグループ等々風呂敷を広げまくったのに、包み切れてない感はしました。
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期待しないで手にした一冊だが読み応え充分の作品だった。人間が生きる過程に於いてつきまとう矛盾と不条理をそれぞれの役柄や出来事に投影し、”生きる事の意味”を誠実に求める主人公達との対比によって物語全体で人生そのものを描いており重厚感もある。そしてそれらをより際立たせるように散りばめ...
期待しないで手にした一冊だが読み応え充分の作品だった。人間が生きる過程に於いてつきまとう矛盾と不条理をそれぞれの役柄や出来事に投影し、”生きる事の意味”を誠実に求める主人公達との対比によって物語全体で人生そのものを描いており重厚感もある。そしてそれらをより際立たせるように散りばめられている実業家神津の放つ言葉が心に染みる。と言って内容が別に説教臭い訳でもなく一流のアドベンチャー小説としても十分楽しめるのは著者の力量だろう。登山を趣味としている人のみならず山に興味のない方にもお勧め。たぶん山に登りたくなる。
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25歳の時に高校生の時から一緒に山にチャレンジしていた4人組が最難関のK2の東壁ルートからの初登頂にチャレンジする。しかし途中雪崩に合い愛する聖美を失い、4年間祥平は生きた屍的な生活を送っていた。大学を中退しツアー会社を設立し細々とやっている亮太からツアーガイドの依頼を受ける。チ...
25歳の時に高校生の時から一緒に山にチャレンジしていた4人組が最難関のK2の東壁ルートからの初登頂にチャレンジする。しかし途中雪崩に合い愛する聖美を失い、4年間祥平は生きた屍的な生活を送っていた。大学を中退しツアー会社を設立し細々とやっている亮太からツアーガイドの依頼を受ける。チャレンジするのはヒマラヤのK2の隣にあるブロードピークであり、亮太はツアー成功の後K2チャレンジを祥平に打診してくる。そのツアーに医療機器メーカーの会長興津とその秘書が申し込んでくる。話は翔太を中心に、亮太、興津、その秘書の人生観、山への思い入れ等々が入り組んで展開されていく。山岳小説として山のさわりをやりつつあるみとしては非常に面白い。
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