喋々喃々 の商品レビュー
小川糸さんの本を初めて読んだのが蝶々喃々でした。好きな雰囲気!着物に興味を持ちました。蝶々喃々タイトルもかわいい(^^)
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後にも先にも、一番好きな小説かもしれない。 なんてことのない下町の、なんてことのない人たちの話なのだけれど、おいしそうなご飯と素敵な着物の描写がたまらなく美しい。 決してみんなから賞賛される内容ではないとしても、わたしはこの本に憧れている部分がたくさんある。 何度でも読み返したい...
後にも先にも、一番好きな小説かもしれない。 なんてことのない下町の、なんてことのない人たちの話なのだけれど、おいしそうなご飯と素敵な着物の描写がたまらなく美しい。 決してみんなから賞賛される内容ではないとしても、わたしはこの本に憧れている部分がたくさんある。 何度でも読み返したい、繊細で美しい小説。
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文体とか、読みやすくて、よく批評なんかで言われる「女性らしい瑞々しい感性」ってこういうことかなって感じ。食べ物が美味しそうでよい。谷根千と着物と食べ物なんて、最高だ。でも、不倫はキライなので…どうしても、結局不倫じゃんて、どこかで思っちゃう
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絵になる風景とかドラマみたいな恋のように、文字にすると美しい日常がそこにあるのか何気ない日常を美しく書き上げるのが小説なのか。そんなことを思いながら読んだ。 作中で明かされるのを楽しみにしていたけど、雪道くんと花子の間に起こったことは恥ずかしくて情けないような、語り手が詳しく...
絵になる風景とかドラマみたいな恋のように、文字にすると美しい日常がそこにあるのか何気ない日常を美しく書き上げるのが小説なのか。そんなことを思いながら読んだ。 作中で明かされるのを楽しみにしていたけど、雪道くんと花子の間に起こったことは恥ずかしくて情けないような、語り手が詳しく口にするのを憚れるようなものだったんだと思う。そうやって読み手の想像力に働きかけるのもひとつの手法なんだと。 栞と春一郎の関係は自分勝手なものだけど、物語のラストは夢でも幻でもなくこれから続く2人の幸せが描かれたと思う。 星ってどうして美しいか知ってる? 空気がきれいだから? それもあると思うけど、闇があるからだと思うんだ 嫌なこととか苦しいこと、人生の闇が嬉しいこととか楽しいことを輝かせる。 ずーっと人生が真昼の明るさだったら星の存在にも気づけないんじゃないかって星見てて思うんだよ 雪道くんは素敵な考え方の持ち主だ。
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小川糸さんの「暮らし」の描写がとても素敵だなーと改めて思う。 谷中の下町風情に溢れる景色の描写もとても素敵。 気持ちの余裕がない時にこういうしっかり丁寧に生活している本が読みたくなる。でもどこか遠い所のお話のようにも感じてしまう距離感が心地よい。 どうしようもなく惹かれてしまう気...
小川糸さんの「暮らし」の描写がとても素敵だなーと改めて思う。 谷中の下町風情に溢れる景色の描写もとても素敵。 気持ちの余裕がない時にこういうしっかり丁寧に生活している本が読みたくなる。でもどこか遠い所のお話のようにも感じてしまう距離感が心地よい。 どうしようもなく惹かれてしまう気持ちの描写がなんともせつなかった。どことなく浮き世離れしている道ならぬ恋の描き方だけれども、だからこそ余計にせつない気持ちの描写が際立つように感じた。 ープリンにスプーンを差し込んだ瞬間、もうだめだろうという予感が下。そして、柔らかくて甘いものを口に入れたとたん、涙の洪水がわたしを襲う。心という形がぼろぼろと足元に崩れていくのを、私は他人事にように啞然と見つめているしかできなかった。 プリンの柔らかさと甘さは春一郎さんそのもの。それを受け入れてしまうことへの罪悪感とどうしようもなさ。嘘みたいな事が現実に起こった時の戸惑い。このへんの描写がなんともどうしようもなくてせつなかった。 五感と心がつながるとき、どうしようもなく幸せにも、どうしようもなく悲しくも、なる。 食べる事は生きること ーまた少し、春一郎さんと私の体が同じもので作られていく。 大切な人とおいしい食事ができる事 同じ時を過ごせる事 そんな、当たり前の事が何より幸せなこと。
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小説にはいろんなタイプがあるけど、僕にとってのひとつの分類として、主人公に思い入れながら読むのと、主人公を第三者的に眺めながら読むってのがある。女流作家のやつだと性別が違うからか後者になるケースが多く、これもそうかな、と思っていたのだが、どうもそうだけじゃなさそう。リアリティがあ...
小説にはいろんなタイプがあるけど、僕にとってのひとつの分類として、主人公に思い入れながら読むのと、主人公を第三者的に眺めながら読むってのがある。女流作家のやつだと性別が違うからか後者になるケースが多く、これもそうかな、と思っていたのだが、どうもそうだけじゃなさそう。リアリティがありそうでないところが理由かな。 とは言っても、ネットなんかで見かけるほどこき下ろされる小説でも無いと思う。「時間の無駄だった」とか「マーケティング」とか「ファンションで不道徳をを包み隠してる」とか、前作の時もエライ言われようだけど、そうかなあ?谷根千の情景を思い浮かべながら登場人物達を知った顔に置きかえて読めばするっと入ってきて悪くない。こういう頭を使わず、感情入れない読み物というのも、時には必要。そう、機内誌のエッセイみたいな。僕は主人公には、何故か好きだったコのお姉さんの顔が浮かんだ。まあ、いろんな所を曖昧なままにしてるのとかも、技法と言うよりは稚拙感が出るのも事実だけどね。 それにしてもこの人の作品は色々うまそうである。腹も減るし、何度も何度もぬる燗が出てきて、だめ押しでそれが「開運」だったときにはのけぞった。読み切ったのが夜中じゃなかったら飲みに出ちゃったよ、きっと。作者は食いしん坊なんだろうなあ…。 この作品は前作「食堂かたつむり」と違って、作者その人が谷根千をきちんと好きで歩いてから書いたからでしょう、情景には遙かにリアリティがあります。そういう意味では、こっちの方が好き。本作でも明らかに調べないで書いている部分は露呈するので、この人は自分で良く知ってるエリアについてだけ書いた方が良さそうですね。いつか東京戻ったら、谷根千住んでみたいね。
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谷中のアンティーク着物屋さんの主人公が、静かに恋をしていく話。相手は妻子持ちのいわゆる不倫なんだけど、ドロドロした感じがなくてよい。相手を静かに思う気持ちが伝わる。好物を拵えたり、誕生日を勝手に決めて密かに祝ったり、また会えるのを楽しみに着物を選んだり…謙虚に慎ましく思っている。...
谷中のアンティーク着物屋さんの主人公が、静かに恋をしていく話。相手は妻子持ちのいわゆる不倫なんだけど、ドロドロした感じがなくてよい。相手を静かに思う気持ちが伝わる。好物を拵えたり、誕生日を勝手に決めて密かに祝ったり、また会えるのを楽しみに着物を選んだり…謙虚に慎ましく思っている。 また、舞台の谷根千がいい。焼きかりんとうのお店、根津神社、日暮里駅、谷中霊園、根岸の香味屋、浅倉彫刻館、鈴木精肉店、へび道… 食べ物も美味しそう。夏の冷やしおでん、ホルモンポテトサラダにはゆず。 暮らしぶりも季節感がある。七夕に切り紙、はなび、月見… 楽しめる一冊だった
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会社の女の子から借りた本。 谷中界隈をゆっくり散歩したくなった。不倫の話だけど醜いドロリとした感情やまとわりつくような不快なものもなく、街の透明感や美味しそうな食べ物や丁寧に暮らしてる様に気持ちが向かい、うっかり話の軸が不倫だということを忘れてしまう。 選んでる言葉も綺麗だし、な...
会社の女の子から借りた本。 谷中界隈をゆっくり散歩したくなった。不倫の話だけど醜いドロリとした感情やまとわりつくような不快なものもなく、街の透明感や美味しそうな食べ物や丁寧に暮らしてる様に気持ちが向かい、うっかり話の軸が不倫だということを忘れてしまう。 選んでる言葉も綺麗だし、なんとなく心が洗われる気がする(不倫の話だけど) 丁寧にゆっくり読みたい心地よい本なのだけど、ちょっと待て。雪道と花子はどー絡んだの?そこは触れなくていいの?と不明のまま話が終わってしまい消化不良。ラストももう少し前の感じで終われば良かったのになぁ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
小川さんの本は美味しそうなものが出てくるので今回もそれを期待して読み始め・・・ 期待通り、美味しそうなものを丁寧に作り丁寧に暮らしていく様子が描かれていて温かい気持ちになれる でも実はこの物語、不倫なんだよね~ ドロドロした内容に感じないのはやっぱりこの描き方のせいだと思う苦笑
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丁寧に書かれているが、道ならぬ恋はいかんよ。あなたが幸せなら、不幸になる人がいてもいいの?何とも後味の悪い本でした。
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