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小夜しぐれ の商品レビュー

4.2

328件のお客様レビュー

  1. 5つ

    108

  2. 4つ

    136

  3. 3つ

    47

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2011/12/17

季節が春から夏へと移ろい始める卯月のある日。日本橋伊勢屋の美緒がつる家を訪れ、澪の顔を見るなり泣き始めた。美緒の話によると、伊勢屋の主・九兵衛が美緒に婿をとらせるために縁談を進めているというのだ。それは、美緒が恋心を寄せる医師、源斉との縁談ではないらしい。果たして、美緒の縁談の相...

季節が春から夏へと移ろい始める卯月のある日。日本橋伊勢屋の美緒がつる家を訪れ、澪の顔を見るなり泣き始めた。美緒の話によると、伊勢屋の主・九兵衛が美緒に婿をとらせるために縁談を進めているというのだ。それは、美緒が恋心を寄せる医師、源斉との縁談ではないらしい。果たして、美緒の縁談の相手とは――!?表題作の他、つる家の主・種市と亡き娘おつるの過去が明かされる『迷い蟹』など収録。 さらに大きく料理の面で進歩した澪は、恋愛と目標の二つについて悩みます。小松原のことを知り添い遂げることはできないと知りつつも、会いたいと願う澪にきゅんきゅんでした。いつの時代も恋に悩む女の子はかわええなぁ。彼女もまだ21歳。必死で頑張り続ける彼女が、あまりに巨大な道を前にして立ちすくむのも当たり前だよねと思います。つい料理で身を立てている強い姿を見てると年上に想えるけど、まだ心細いときだってあるんだよね・・・彼女を見てるとへこたれてる場合じゃないって思える。小松原さまが今後どう出るのか、本当焦れます。

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2011/12/09

江戸時代後期の神田を舞台にした女料理人のシリーズ第5弾。彼女を取り巻く登場人物については前作までの話でそれぞれの人物像が出来上がっており、ストーリーとしての面白さに拍車がかかってきた。料理を食べるシーンが絶妙なのは変わらない。

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2011/12/05

読み終わる度に、読み終わってしまったことをがっかりする。 この小説を流れる空気がとても好きで、いつまでも読み続けていたいシリーズ。 澪の友情、恋、周りの人達とのかかわり。 どこをとっても優しく暖かい。

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2011/11/30

恋愛模様が動いてきましたねぇ! 私は源斉先生が好きです。 谷原章介をイメージしてるんだけど、もっと若いんだよなぁ。 というどうでもいい感想を。

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2011/11/30

いやーいろいろとまた話が動きましたよ!前巻では同じフレーズが鼻についたのだけれども今回は、そんなことないどころか、小松原様側の話もあり、大変楽しめた。

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2011/11/22

みをつくし料理帖第5巻。 最初の頃の勢いだったり、目新しさは無くないかもしれないけどほっこりあたたかくなれるかんじがとても好きです。 今回は澪よりも他の人にスポットが大きくあたる巻かも。大きな展開はまだないけれど、 澪にはじっくりゆっくり一歩ずつ成長し、幸せになって行って欲しいな...

みをつくし料理帖第5巻。 最初の頃の勢いだったり、目新しさは無くないかもしれないけどほっこりあたたかくなれるかんじがとても好きです。 今回は澪よりも他の人にスポットが大きくあたる巻かも。大きな展開はまだないけれど、 澪にはじっくりゆっくり一歩ずつ成長し、幸せになって行って欲しいなって思います。

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2011/11/22

大好きなみをつくしシリーズ、最新刊です。 澪や野江は、大阪で大きな水害に襲われて家族や家一切を失った天涯孤独の身の上ですが、3月の津波の後にこの話を読むと、九死に一生を得た彼女たちの状況が、なおいっそう胸に迫ってきます。 種市の愛娘、おつるの話が出ました。 そういえば、種市の口...

大好きなみをつくしシリーズ、最新刊です。 澪や野江は、大阪で大きな水害に襲われて家族や家一切を失った天涯孤独の身の上ですが、3月の津波の後にこの話を読むと、九死に一生を得た彼女たちの状況が、なおいっそう胸に迫ってきます。 種市の愛娘、おつるの話が出ました。 そういえば、種市の口から、娘の話はよく出ても、妻の話はこれまで出ていなかったということに気がつきます。 悲しい過去があったんですね。 取り返しのつかない悲劇を悲しみ、自分を責め、つらい気持ちを抱えて生きてきた彼の悲哀が身に染みます。 まだ敵討の伝統があった時代。 それでも、悪を征伐する勧善懲悪な話で終わらせないところが、この人情話を一層味わい深く弾きたてています。 下足番のふきも14歳に成長し、澪の片腕のように心強い存在になったことが、文面から伝わってきます。 驚いたのは美緒の婚礼。 大きな説明もなく、突然のように話が展開します。 おそらく次巻以降に話の補足があるのでしょう。 タイトルの意味は美緒の涙でした。 吉原での花見の宴の料理を任された澪。 思いがけず、また野江との接点が生じます。 元親友の澪と野江は、関係こそ違いますが、華やかさと地味さ、お互い引き寄せ合っている間柄に『ガラスの仮面』のマヤと亜由美を連想します。 つるやの庶民向けの食事とは違う、最高級の食材で作る贅沢な花見膳の数々。 つるやの膳も、どれもおいしそうですが、吉原の膳は、贅を尽くしたきらびやかなものであるだけに、(ああ、どんな料理か、絵で見てみたい)と心底思いました。 菜の花のつぼみは。菜種油を作るため、当時は高級品だったとのこと。 また金目鯛は、魚市場に通う人を含め、ほとんどの人が見たことがなかったそうです。 当時の食文化が手に取るようによくわかるのも、この本の魅力です。 澪が大阪出身で江戸で働いているという設定から、上方と江戸の食の違いもよく出てきます。 江戸は焼き芋、大阪は蒸し芋が好まれ、江戸は粥に砂糖、大阪は塩で味付けをし、身欠きにしんは、江戸では田畑の肥やしでしかないが、大阪では北前船で北からとりよせるほど食べられるものだということ、そして初かつをは、大阪では特に注目されないが、江戸ではこだわるということ、など、はっきりと違いがあるため、興味深いです。 当時の食事どころは、メニューは日替わりとはいえ、単一一品なんですね。 つるやに通っておいしいご飯を食べたい、と切に思います。 また、今回は初めてメインキャストが、澪から他の人物に変わった章が出てきました。 小松原のターンです。 小松原が主役になったことで、これまで謎のベールに包まれていた彼の素性があっさりと解けています。 公方に禁忌とされている食材の多さに驚きました。 りんごや桃、ワカメなど、縁起がよさそうですが、いずれもダメとは。 この時代の公方とは、家斉公。料理好きで知られた将軍なので、落雁を自ら作った話も、さりげなく載っていました。 当時の女性は、21歳で大年増とされ、眉をそり、お歯黒をしないのは恥ずかしいとされたそうです。 今の感覚からすると、早すぎですね。かわいそう。 澪と同い年の野江も、町娘ならば大年増扱いですが、太夫なら年齢は問われないものなのでしょうか。 まだまだ吉原では引退年齢ではないのかしら? この巻もおもしろく読みました。今後の展開がますます楽しみです。 芳は、生き別れとなった息子佐兵次と再会できるでしょうか。 既刊を全て読み終えてしまったので、これからは発刊を首を長くして待ち焦がれる日々となります。 あー、早く続きを読みたい!

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2011/11/15

第五弾 同様構成 今回はつる屋の主・種市と亡き娘おつるの過去。美緒の婚礼、謎の浪人風、実は御膳奉行小野寺数馬の周辺が明かされる

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2011/11/11

シリーズ第5弾にもなると、いくら作品のクオリティが高くとも、特に読み手側にとって初期の頃のテンションを保つのはなかなか困難なものだが、そんな中でも本書はさらなるヴァラエティ開拓を試みることで、広がりを持たせることに成功していると思う。 種市がおつるを失ったエピソードを絡めた「迷い...

シリーズ第5弾にもなると、いくら作品のクオリティが高くとも、特に読み手側にとって初期の頃のテンションを保つのはなかなか困難なものだが、そんな中でも本書はさらなるヴァラエティ開拓を試みることで、広がりを持たせることに成功していると思う。 種市がおつるを失ったエピソードを絡めた「迷い蟹」、あさひ太夫と三度目の接近遭遇を果たす「夢宵桜」、美緒のほろ苦い縁談にちなむ「小夜しぐれ」と、どちらかというと主人公・澪の周辺人物にスポットを当てた作品が連なり、そして最後に、澪を一切登場させぬまま御膳奉行の奮闘を描く「嘉祥」で締め括り。 「ゴルゴ13」でも、ゴルゴ本人が出てこずとも「ゴルゴ13」として成立している話がいくつもあるが、その名人芸を思わせるような見事な工夫だ。 本当に安定している。

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2011/11/06

料理に込める澪の心・想い… こうやって作られた料理は美味しいだろうな~と思う。 『迷い蟹』 浅蜊の御神酒蒸し   つる家の主人種市のもとに元女房が現れたことで、   娘おつるの最期がわかる。   哀しい過去をも薄れさせてくれる澪の温かな料理。   浅蜊の塩出しひとつにも手を抜か...

料理に込める澪の心・想い… こうやって作られた料理は美味しいだろうな~と思う。 『迷い蟹』 浅蜊の御神酒蒸し   つる家の主人種市のもとに元女房が現れたことで、   娘おつるの最期がわかる。   哀しい過去をも薄れさせてくれる澪の温かな料理。   浅蜊の塩出しひとつにも手を抜かない。   そんな浅蜊の中にいた迷い蟹… 『夢宵桜』 菜の花尽くし   吉原廓の花見の宴に料理を出すことになった澪。   その食材は菜の花と桜。   菜の花は当時、菜種油の材料として高値だったという。   緑と黄色の色鮮やかな菜の花。   最後に出された桜の塩漬けには熱い酒が注がれ、花開く。 『小夜しぐれ』 寿ぎ膳   同じ名であることで親しくなった美緒が嫁ぐことになった。   思うひととは違うけれど、ご縁で結ばれた相手と…。   みがき鰊の昆布巻きの手順を重ねるうち、   澪は鰊が花嫁、昆布が花婿のように思えてくる。   「美緒さんを優しく受け止めて、でも放さずにいてください」   と美緒の幸せを願う澪。 『嘉祥』 ひとくち宝珠   澪の想い人、小松原さまこと小野寺数馬は、   菓子作りに悩んでいた。   澪が好きだと言った煎り豆をヒントに新しい菓子を作り出す。   そんな過程を見ていた妹は、兄数馬の心に気づく。   まだ数馬本人が気づいていない澪への思いに…。 澪の周りで少しずつ変化が起きている。 緩やかではあるが、それがいい方向であることに安堵した。 運命を与えられるだけではなく切り開いていこうとする澪。 早く幸せになってもらいたい。

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