小夜しぐれ の商品レビュー
浅蜊の御酒蒸し 種市の出奔していた元嫁お連がつる屋に現れ、亡き娘おつるの過去が明かされる 菜の花尽くし 吉原の料理屋翁屋伝右衛門の頼みでで花見の宴の料理を供することになった澪。 寿ぎ膳 伊勢屋の娘美緒の縁談が進められる。相手は慕う源斉めは無く、中番頭の爽助であるという。想う人...
浅蜊の御酒蒸し 種市の出奔していた元嫁お連がつる屋に現れ、亡き娘おつるの過去が明かされる 菜の花尽くし 吉原の料理屋翁屋伝右衛門の頼みでで花見の宴の料理を供することになった澪。 寿ぎ膳 伊勢屋の娘美緒の縁談が進められる。相手は慕う源斉めは無く、中番頭の爽助であるという。想う人とは違うけれど、ご縁で結ばれた相手と手を携えて生きていく。女性としての美緒の覚悟を見る。 ひとくち宝珠 嘉祥の儀式(菓子商達が菓子を納める儀式。三方原の戦いの際に家臣が菓子を奉納し勝利を願ったことに由来)に並べられる菓子として新たな菓子を一品作ることになり、小野寺数馬が担うこととなる。
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5巻。種市の亡き娘おつるの辛い過去、美緒の婚礼。そして佐兵衛の行方と、目まぐるしく澪の周りが動いていく。澪は果たして、どのような道を進んでいくのか。
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みをつくし料理帖5作目。小夜と夜は同じで、小は接頭語だろう。ではなぜ夜しぐれではなく、小夜しぐれなんだろう?もしかするとセレナーデ(ドイツ語で夜)からなのか?小夜曲はモーツァルトを想起させられ、求愛のイメージがある。 一方、「しぐれ」は通り雨の印象があり、束の間の求愛がこの作品の...
みをつくし料理帖5作目。小夜と夜は同じで、小は接頭語だろう。ではなぜ夜しぐれではなく、小夜しぐれなんだろう?もしかするとセレナーデ(ドイツ語で夜)からなのか?小夜曲はモーツァルトを想起させられ、求愛のイメージがある。 一方、「しぐれ」は通り雨の印象があり、束の間の求愛がこの作品のテーマだろうか?と想像しながらページを開いた。 全4作で構成されている。どれも澪や種市、芳、ふきの人柄が素敵で、胸が熱くなる。そしてこれまでの気になっていたことが明らかになる。 「迷い蟹」種市とおつるの過去、娘おつるに何があったのか?「信じて寄り添ってくれる誰かが居れば、そいつのために幾らでも生き直せる。人ってのは、そうしたもんだ」と種市、この言葉が心の奥底に響いてきた。 「夢宵桜」澪の料理がなぜ美味しいのか?玄斎の言葉が沁みてくる。又次の桜酒も季節を醸し出す。そして澪と野江の再会の束の間のひととき、まだまだこれからも紡がれていく。 「小夜しぐれ」プロローグの美緒の縁談がここで描かれる。澪の思いがこもった鰊の昆布巻きが素敵だった。そういえば、私は魚編の漢字も弱い。眼にする魚は読めるが書けないのが多い。佐兵衛がどうなったか?いつも沈着冷静な芳が母に戻るのはいつも息子のことを思う時だ。人間味があり共感できる。 「嘉祥(かじよう)」小松原の視点で描かれる。小松原の内面が垣間見える。私も好物な甘味で締められた。 時期は卯月、春から夏にかけての情景と料理が季節感を美しく表現されているのも読みどころだ。 春は出会いと別れが同時にある印象がある。卒業や入学があるからだろう。日本だからこその風物の遺伝子が深みを増す作品だった。 巻末付録の澪の料理帖は、浅蜊の御神酒蒸し、菜の花飯、鰊の昆布巻き、ひとくち宝珠の4つのレシピ。作るなら菜の花飯、食べるならひとくち宝珠だ。いや、全部食べたい。
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みをつくし料理帖第五段。 おつるが亡くなった理由や美緒の結婚など切ない話が続く中、なんと今まで謎に包まれていた小松原目線の話が丸々一話ありびっくり。 これからちょこちょこ出てくるような気配。 今後どうなっていくのか気になります。
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つる屋の店主種市の娘つるがどうしていなくなったかがわかる章。悲しい。本当に悲しい。また、好きな人ではない人と祝儀をあげる美緒。その献立を任された澪。美緒のこれからの幸せを祈る章。いなくなった息子を見かけて体調を崩す芳。皆それぞれの悲しみを背負いながら生きていく。
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つる屋の愛おしい人々に会えるのが嬉しい。 澪の大切なひと、野江や小野寺の動向も気になる。 近い距離で会えたことに自分も嬉しくなる。 美緒もきっと幸せになれる。 次巻も楽しみでならない。
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ハラハラする展開が多かったけど、ほのぼのパートも多くてほっとした。少しずつ登場人物の人物関係が変わっていったり、情報が詳らかにされていく過程が興味深い。 ひとくち宝珠、食べてみたいなぁ
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縁は異なものとは言うけれど、ままならぬ想いと言うのは身も心も焦がしてしまうもの。それでも意を決し、凛としたお美緒は、本当に一皮向けたのでしょうね。 それとは別に、小松原視線で1編書かれるとは意外だったけど、こちらは内容含めちょっと嬉しい。
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みをつくし料理帖第五巻。種市の過去、野江との邂逅、美緒の結婚の三編に加えて小松原視点の料理話が一編が入ったことでさらに全体に立体感が出た感じ。本シリーズの心地よさは伏線というよりはお笑いでいう振りのような形で登場人物の動向が示されるところですね。安心して読める。
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昔、江戸では菜の花は高価なものだったんですね。 今では、春になると必ず食べたくなる安くて栄養あるものなのに。 こんな感じで、お勉強?もできます。 イロイロな誘惑も多いはずなのに。 料理の路、一筋に生きる澪が羨ましい。
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