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からまる の商品レビュー

3.7

65件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    32

  3. 3つ

    22

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2014/08/13

登場人物が少しずつずれて、主人公がバトンタッチしながら進む連作短編集。最初の「まいまい」が、ラストの「ひかりを」につながり、ぐるりと一周して終わる。 主人公は皆、不器用な生き方をして苦しんでいるが、やがて救いが訪れてほっとする。反面、他の作品に比べると毒が少なく、やや物足りなさも...

登場人物が少しずつずれて、主人公がバトンタッチしながら進む連作短編集。最初の「まいまい」が、ラストの「ひかりを」につながり、ぐるりと一周して終わる。 主人公は皆、不器用な生き方をして苦しんでいるが、やがて救いが訪れてほっとする。反面、他の作品に比べると毒が少なく、やや物足りなさも感じた。

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2014/06/17
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人間って 結局ひとりで孤独だけど どこかで感情とか関係が つながっている、というか からまっている 連絡短編集 7話 男と女、女友達、 医師と患者 少年、家族など 言葉にできなかったり 理由もよくわからなかったり だけど人はつながって からまってしまう そんな運命みたいのってあるなぁ 好き この小説

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2014/04/20
  • ネタバレ

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感情むき出しのひとって、うらやましい。 気分がころころ変わるっていう意味ではなく、素直っていう意味でね。 武生と蒼真くんの生き方って、とくに誤解されやすいのかも。 いや、みんなそうだよね。 いつもそう思う。 私たちはその人の、ほんの一面しか知らないんだって。 全てを知ることはできない。 別の個体なのだから。 それって、孤独だけど、面白いね。 でも、最後にお姉さんが行った通り、人生どうなるかなんてわからない。 自分はこうあるべき、って思っていても、明日には変わっているかもしれないってこと。

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2014/03/03

すっきりしたグレープフルーツジュースを飲み干した感じ。 ものすごく透明感のある文体。 連作小説だが、どれもすーっと読めてさわーやかな気分になれた。 前回眠りの庭を読んだので、もっとドロドロした内容かなと思ってたけど、いい意味で期待を裏切られた〜。

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2014/02/16
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読み始めたら、想像していた以上に惹きつけられました。連作短編集。複雑に登場人物が重なりあい、時間軸も絡まりあっていた感じでした。短編自体は、登場人物の抱えている心の闇のようなものを軽くする話が多かったです。筒井と蝸牛をペットとしている女性の話が一番印象的でした。「まいまい」と「ひかりを」が好きでした。

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2014/01/12

ほんの小さな結び目が心にひっかかってしまった人々の短編集。 赤い糸のような縁が「からまる」のではなく「つながる」ことで少しでも結び目がゆるむといいな。 そしたらきっと生きやすい。 初読みの作家さんでしたが、思ったより生々しくふわふわした文章なのにぐさっとするところもある。 傷つ...

ほんの小さな結び目が心にひっかかってしまった人々の短編集。 赤い糸のような縁が「からまる」のではなく「つながる」ことで少しでも結び目がゆるむといいな。 そしたらきっと生きやすい。 初読みの作家さんでしたが、思ったより生々しくふわふわした文章なのにぐさっとするところもある。 傷ついた人々の描写が素晴らしかった。

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2014/02/27

うみのはな が好きだった。 田村が華奈子と話してるとこで、 最後まで誰に対してもにこにこしながらきちんと話きいてあげていて、、、すごいって思ってる だけど、かなこは、優しくできるのは何の関心もないからだって自分でわかってって。 そこの気持ちがとてもよくわかる私もずるいのかも。

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2013/04/10

13頁目 《とはいえ、女達を敵にまわすとやっかいなので、愛想笑いと邪気のない冗談は欠かさず、たまにお菓子の差し入れなんかもする。》 どこのわたくしですか。女性側に見抜かれているとなると、もうただの道化でしかないじゃないですか。仲良くやりましょう、皆さん。 17頁目 《若いのは面...

13頁目 《とはいえ、女達を敵にまわすとやっかいなので、愛想笑いと邪気のない冗談は欠かさず、たまにお菓子の差し入れなんかもする。》 どこのわたくしですか。女性側に見抜かれているとなると、もうただの道化でしかないじゃないですか。仲良くやりましょう、皆さん。 17頁目 《若いのは面倒くさい。真剣なのも面倒くさい。湿った関係は苦手だ。物事は淡いのがいいのだ。》 他人との関係の種類や度合いをそれぞれ選べたらいいのに。変えられない関係は仕方なくても、作り上げるものまで決められないなんて。自分次第? いや、半分は相手次第だ。 24頁目 《肉親だからって安易に踏み込んでくるな。》 血のつながりを理由になんてしてほしくない。それを持ち出すのならむしろ、肉親にしかわからない心地よい距離を見つけ出してほしい。と言っても、それはそのままこちらにも向く言葉。結局、逃げているのは僕の方なのかな。 54頁目 《きっと、あたしの血が赤くないから、誰もぱっくりひらいた傷口に気付いてくれないのだ。》 自分と違う色の人間には興味すら持てない。そんな感覚が確かにある。だから意識して擬態することで、それぞれの場所に彩りの異なる関係を築く。そうして僕は分裂していく。 89頁目 《だから、追いつめないようにわざと気付かないふりをするが、相手は自分の弱点を避けられていることに気付いている。》 気付かないふりをしていることそのものを気付かれている、そしてそれをこちらも気付いている、という状況がよくある。暗黙の平和協定。 136頁目 《徹底的に馬鹿をやれる人間はけして馬鹿ではない。肚の底では他人を馬鹿にしているのだ。》 他人を馬鹿にできるから自分も馬鹿にできる。その逆も然り。自信のある人間は他人を褒められる。自己卑下が強ければ、相手の悪いところばかりが見えてくる。そんなものだ。 143頁目 《まったく、男のくだらない自尊心を満足させるために演技する身にもなって欲しい。》 滑稽。それは僕らの合い言葉。身体も行為も可笑しくて、まったく真面目に取り組めない。だから駆け引きや思い遣りもなくて、面倒や満足さえもいつの間にかどこかへ消え失せた。 166頁目 《ぶつかれば勝つか負けるかしかない。器用に立ち回っていれば、勝ちも負けもしない。とても平和だ。僕はそれでいい》 器用貧乏? 八方美人? 大いに結構。感情的になるにはたくさんの労力がいる。そんなの面倒だ。巧くやる必要はない。目立たなければいい。 189頁目 《気がついたら僕は走り出していた。》 外じゃなかったら泣いていた。正しさに興味なんてない。わかりたくもない。でも、説明できない理解というものがある。どうしていいか途方にくれたとき、こんな風に走り出すことができたならどんなに良かっただろうか。 第五話「ほしつぶ」を読了。 苦手な話だと思った。嫌いなものばかりだったから。でも、また読み返すことになる。無意識に自分の脆さや弱みに感情がのっていた。考えたくなかったことを思い出してしまった。だからわかる。もう一度向き合ったとき、きっと大切な物語になる。 241頁目 《傷ついたということは、わずかでも期待していたということだ。先を望んでいたということ。それが、恥ずかしかった。》 恥ずかしい。傷つくことは恥ずかしい。それだけ期待していたということだから。相手にではなく、自分に。望むな、願うな。 読了。 無脊椎動物。自分とは違うよくわからないもの。理解の外側。西淑さんの描く人物も心なしか軟らかそうだ。人が交わる。価値は混じり合う。相手を許すこと。自分を認めること。生死を受け入れること。羨ましい、卑怯だと、そう思ってしまう。僕は、からまれない。

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2013/01/31
  • ネタバレ

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  主人公の天窓のあるベッドルームにやってくる女性。空を見ながら横になれるうれしさがよくわかる。彼女の生死と向き合う難しい姿勢は前半で描かれた ものからすると意外なものだった。    ふたりの再会のシーンがとてもいい。  何に対してもどうでもよくて、深くかかわりたくないと思いながら生きてきた男性が、 その女性に再会することで変わったところに心がじんわりする。 そこは他の人の語りだけで、直接のシーンがなかったのが残念。  

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2013/01/30

各話の登場人物がリンクする短編小説。その仕掛けのせいでわずかなほころびを感じる面もあったが実直な描写で王道をいく、という印象。 俺の場合には予定調和で退屈に感じてしまった。 人物達、物語がからまってるという程にも感じなかったし、読み終えてすっとほどけたとも受け取る事は俺には出来な...

各話の登場人物がリンクする短編小説。その仕掛けのせいでわずかなほころびを感じる面もあったが実直な描写で王道をいく、という印象。 俺の場合には予定調和で退屈に感じてしまった。 人物達、物語がからまってるという程にも感じなかったし、読み終えてすっとほどけたとも受け取る事は俺には出来なかった。

Posted byブクログ