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からまる の商品レビュー

3.7

64件のお客様レビュー

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2024/04/03
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※このレビューにはネタバレを含みます

なんだか、魅力的な女性の話の間に、魅力的でない男性の話が挟まっているような印象の一冊だった フラメンコを習う華奈子がダントツで好き 女友達との関係性、交友、想いに切ない想い出が蘇る •まるで10代から20代の◯◯みたいな友達 田村はいつも携帯を気にしている。磁石でもついているのかと思うくらい肌身離さず持っている。いつでも恋をしていて、そしていつでもその人のことでいっぱいいっぱいになる。胸と脚を強調した流行りの服を着こなして、顔も可愛くて、大卒で本当は頭もそこそこいいのに、どこか欠乏した雰囲気がある。だから、男の人に警戒される。そして、予想 通り相手にどっぷり依存してしまうから男に逃げられる。 •器用な振る舞い やっぱりもてるねえ。あたし、勉強になった。だって華奈子、最後まで誰に対してもにこにこしながらきちんと話聞いてあげていて。傾聴っていうの?まさにあれをこの目で見た感じ。私が駄目なのは自分のことばかり相手にわかってもらおうとするからなんだね。 心の底から感じいったという顔をして何回も頷いていた。 田村はわかっていない。優しくできるのは何の関心もないからだ。ずるいわたしは自分がどんな風に笑い、どんな甘い声をしているかよく知っている。相手の気分を損ねないようにやんわりと線をひくやり方も。 •互いのすれ違う思い 田村は気付きもしない。真っ正直に何でも話してきて、何でも聞いてくる。 わたしは思いの全てを口にだしてしまう田村とは違う。けれど、たまにあのまっすぐさが羨ましくなる。わたしが小器用に覆い隠してしまったものを、あの子はむきだしにして生きて、どんなひどい目にあっても求めることを恐れない。ふらふら頼りなく見えてあの子はわたしよりずっと強いのかもしれない。時々、そう思う。 ★すごくよくわかる 女の子と戯れているのは愉しい。けれど、それは余裕のある愉しさだ。我を忘れるような昂りも、のめり込んでしまう恐怖もない。わたしは本当の意味ではレズビアンではないのだろう。けれど、性のかたちに枠などないとも思う。男性に触れられたくないと思う気持ちは確かにある。女の子とふわふわ笑っていられるなら、それでいい。 美味しいものを食べて、綺麗な服を着て、趣味の時間を大切にして、でも自分磨きのための学習は怠らず、いい気持ちで毎日を過ごす。男性と関わると苛々する。どうしてもあの男を思いだしてしまうから。そうなると、感情のコントロールがきかなくなる。わたしは自分を乱すものとは交わりたくはない。

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2024/03/18

このからまらせ方はすごいと思った。 美容院でアシスタントの子がたまたま持ってきてくれた一冊だったけど面白かった。 なんやかんや第一話のまいまいが一番良かった

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2024/03/01

装丁に興味がわき人が赤い糸でえらいからまってるなぁと思いながらどんな内容かなぁと手にとった本。 ほんとにそのとおり。 からまっていた。 7つの話はみなそれぞれ登場人物が誰かと誰かが関わっている その人と人との関係が絡まっていた。 この展開が、わたしは面白かった。

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2024/02/25

それぞれの登場人物が絡まり合う短編集。 重々しく、生々しく、人間らしい。 そんな千早茜さんの産み出す世界観が心痛くも、どこか安心させられて心地が良い。 ☆3.8

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2024/02/07

登場する7人は何となく生き辛そうだ。 人との繋がりは関係が深くなればなるほどに絡まりそのうち煩わしさを覚える。 でも面倒だとちょん切ってしまわずああでもないこうでもないとのた打っているうちにふっと解けるときがくる。 その時やっと大切なものだと気付くのかもしれない。 本書で描かれる...

登場する7人は何となく生き辛そうだ。 人との繋がりは関係が深くなればなるほどに絡まりそのうち煩わしさを覚える。 でも面倒だとちょん切ってしまわずああでもないこうでもないとのた打っているうちにふっと解けるときがくる。 その時やっと大切なものだと気付くのかもしれない。 本書で描かれるその瞬間がとても気持ち良いのだ。 第7話「ひかりを」が一等好き。

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2023/11/11

それぞれの人生を歩みながら、お互いに絡まり合い、それぞれが胸に抱く悩みや葛藤と向き合う連作短編集。 視点が切り替わるごとに、普段相手の見えている部分なんてその人のごく一面でしかないんだなあと実感するお話ばかりだった。 ミステリアスに見えていても実際は感情を表に出すのが苦手なだけ...

それぞれの人生を歩みながら、お互いに絡まり合い、それぞれが胸に抱く悩みや葛藤と向き合う連作短編集。 視点が切り替わるごとに、普段相手の見えている部分なんてその人のごく一面でしかないんだなあと実感するお話ばかりだった。 ミステリアスに見えていても実際は感情を表に出すのが苦手なだけだったり、自分が見えている側面だけで人を判断しちゃいけないな。

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2023/10/15

関係し合う男女は相手の一部分しか知らない 私たちは相手の何を見て判断しているのだろうか 出会いはタイミングであり必然であると感じるお話だった それぞれの話には軟体動物がモチーフになってるのだが、ひとつだけどうしても共感できない話がありそのモチーフとなる動物がムカデだったので納得し...

関係し合う男女は相手の一部分しか知らない 私たちは相手の何を見て判断しているのだろうか 出会いはタイミングであり必然であると感じるお話だった それぞれの話には軟体動物がモチーフになってるのだが、ひとつだけどうしても共感できない話がありそのモチーフとなる動物がムカデだったので納得した

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2023/10/04

千早茜さんの短編を初めて読んだ。 7人の人の単純ではない繊細すぎる部分がえがかかれた話。脇役で出てきた一人一人に順番にスポットライトが当てられていく。 タイトルの「からまる」から恋愛小説だと思って読んだが、恋愛部分はありながらも人間小説というか、どれも人間味が強い話だった。 み...

千早茜さんの短編を初めて読んだ。 7人の人の単純ではない繊細すぎる部分がえがかかれた話。脇役で出てきた一人一人に順番にスポットライトが当てられていく。 タイトルの「からまる」から恋愛小説だと思って読んだが、恋愛部分はありながらも人間小説というか、どれも人間味が強い話だった。 みんな繋がっていて、絡まっている感じがおもしろかった。

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2023/08/26

どこかしらで関わりがある登場人物たちをそれぞれの視点で読めるので面白いです。タイトル通り複雑な関係が絡みあって各々の考え方があっていい。

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2023/04/11

千早茜さんの連作短編集。 一つ一つの話で生きることを考えさせられる。 特に最後の話は、最初の短編で実に飄々と自分を持っていそうに感じた女性が、本当は生きることに不器用で、そんな中、必死に生き抜いて人生の最後を迎える老人との触れ合いが描かれている。海の中のナマコやヒトデの生き様も含...

千早茜さんの連作短編集。 一つ一つの話で生きることを考えさせられる。 特に最後の話は、最初の短編で実に飄々と自分を持っていそうに感じた女性が、本当は生きることに不器用で、そんな中、必死に生き抜いて人生の最後を迎える老人との触れ合いが描かれている。海の中のナマコやヒトデの生き様も含め、静かな元気をもらえるような作品だった。

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