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オジいサン の商品レビュー

3.3

102件のお客様レビュー

  1. 5つ

    8

  2. 4つ

    28

  3. 3つ

    39

  4. 2つ

    10

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    3

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2024/07/29

一人暮らしの益子徳一の72歳6ヶ月と1日めから一週間の日々が綴られていた。本をパラパラめくると、時の流れの速さを実感できる。 歳を重ねると、ひとつのことを思い出すのに時間がかかる上に、次から次に気になることか増えて考えてしまうようだ。その上億劫な気持ちもあるから、物事が進まない...

一人暮らしの益子徳一の72歳6ヶ月と1日めから一週間の日々が綴られていた。本をパラパラめくると、時の流れの速さを実感できる。 歳を重ねると、ひとつのことを思い出すのに時間がかかる上に、次から次に気になることか増えて考えてしまうようだ。その上億劫な気持ちもあるから、物事が進まない。一人暮らしで情報も限られる。そして、わからないことを聞く相手もいない。話し相手がいないから、急に話しかけられると声がでにくい。 ああ、そうだったんだ、と今ごろ気づかされた。徳一が、私の父と似ているところがあった。あれやこれや聞いてきた理由が、よくわかった。徳一さんが、色々と思いめぐらす間に時間があっというまにたつ、と言っているのは、父からよく聞かされたことと同じだった。 最後は、田中電気の繁さん、ありがとうねという気持ちになった。徳一さんに楽しみができてよかった。

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2023/02/12

帯背 じんわり沁みる老人小説! 帯裏 徳一が遅くなっているのではない、周りが速くなっているのだ。 徳一は新幹線に乗っているのだ。だから。 車窓を横切る風景は、確認する間もなく、あっという間に遠退いて行く。 目の前の景色がどんどんどんどん遠くなる。すぐに見えなくなってしまう。 つ...

帯背 じんわり沁みる老人小説! 帯裏 徳一が遅くなっているのではない、周りが速くなっているのだ。 徳一は新幹線に乗っているのだ。だから。 車窓を横切る風景は、確認する間もなく、あっという間に遠退いて行く。 目の前の景色がどんどんどんどん遠くなる。すぐに見えなくなってしまう。 ついさっきのことだって。 もう、何キロも、何十キロも離れてしまっている。 見えなくなればみな一緒である。  -『オジいサン』本分より 初出 『中央公論』 二〇〇九年五月号、八月号、十一月号、 二〇一〇年二月号、五月号、十一月号十一月号

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2022/03/01

年をとってボケてくる過程って こんな感じなんだろうなあ。 ずっと主人公の思考で進んでいくので 自分まで70代のオジいサンになったような気持ちになります(笑) だからといって、嫌な気分とかではなく 真面目に生きていけば 年をとることも不安に思うことはないのかも と不思議に読後感が良...

年をとってボケてくる過程って こんな感じなんだろうなあ。 ずっと主人公の思考で進んでいくので 自分まで70代のオジいサンになったような気持ちになります(笑) だからといって、嫌な気分とかではなく 真面目に生きていけば 年をとることも不安に思うことはないのかも と不思議に読後感が良い話でした。

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2019/12/30

ある一人暮らしのおじいさんの7日間.ほどけていく記憶と結び直していく記憶のせめぎあいのようなものがブツブツと繰り返される7日間.商店街の電気屋の息子もとい今は店主、優しくてほっこりしました

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2018/11/13

独居老人・徳一さんの1週間のぼやき。 益子徳一、七十二歳、独身。 公園で少女に「オジいサン」と呼ばれたことを思い出すだけでも相当の時間を要したことから、地デジ化、ゴミ出し、電気屋との付き合いなど、私たちが何の不思議もなく過ごしている日常の些細なことに、真面目で、可笑しく、...

独居老人・徳一さんの1週間のぼやき。 益子徳一、七十二歳、独身。 公園で少女に「オジいサン」と呼ばれたことを思い出すだけでも相当の時間を要したことから、地デジ化、ゴミ出し、電気屋との付き合いなど、私たちが何の不思議もなく過ごしている日常の些細なことに、真面目で、可笑しく、切なくぼやく。 そのぼやきが読み進めていく毎にじわじわと沁み、クスッと笑ってしまう。 でも物事の本質を説いていたり、難しい漢字の読みが分かったり、勉強にもなります。 タイトルのニュアンスが何となく分かったような気がします。

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2016/12/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これはじっくりと怖いホラーです。思考の堂々巡りというか、時間の感覚が失われていくところがたまらなく怖い。 徳一さんのぼうっとしながらも”地デジ”と”オジいサン”に引っかかっているまだらぼけ無限ループのような恐怖と、しかしほっこりせんでもない妙にヌルい小説。カテゴリとしてはやっぱりホラーに入れたい私です(あははははは)。ぼうっとしていて二三年経ってるて、恐怖以外のなにものでもないですねぇ。

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2018/03/24

京極夏彦にとって、老人も一種の妖怪なのかなぁ。いや、人間が妖怪も似たようなものなのか。うぅむ。 そういや京極夏彦本人には奥さん子どもって居たのだっけ?ということだけがずっと頭に残る作品でした。終わりかたが、中々好い。

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2016/06/28

前々から気になっていた作家でしたので初挑戦しました。 しかし京極夏彦と言えば妖怪小説。 この作品はと言えば老人の普通の一週間を綴った平凡な内容。 京極夏彦の最初の一冊としてこの本から読む人はかなり稀かもしれない。 しかし・・・。 この本、すごい面白かった。 老人の独り...

前々から気になっていた作家でしたので初挑戦しました。 しかし京極夏彦と言えば妖怪小説。 この作品はと言えば老人の普通の一週間を綴った平凡な内容。 京極夏彦の最初の一冊としてこの本から読む人はかなり稀かもしれない。 しかし・・・。 この本、すごい面白かった。 老人の独り言のような会話がとても軽妙で読みながら何度もくすくすと笑ってしまった。 これはかなりの高評価の小説です。 京極夏彦の作品はこれから色々と挑戦してみようと思う。

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2015/10/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

おじいさんと呼ばれる年齢はいくつからなのでしょう。そんな問いかけがあるようなないような。 主人公である徳一の日常生活が淡々と描かれていて、面白い。 徳一は、偏屈じいさん?として、案外、傍にいそうな。 リアルなオジいサンです。 京極夏彦のちりばめらている細かな表現がとても好きです。

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2015/05/14

歳をとるとあーなっちゃう?悲しくもあり、面白くもあり、私は独り者ではないのでちょっと違うかなあ〜最後は涙でちゃうね!

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