オジいサン の商品レビュー
一人暮らし老人の日常的一週間。年代的にも共感する部分が多く、個人的に好きだけど・・老人の内面が主でドラマ要素が少ない。しかし、京極さんがこういうほのぼの系を書くとはねぇ、意外でした(笑) 主人公は、僕の分身かもしれない。ただ、一生独身、かなり無欲、不器用ながら信念を持ってるとこが...
一人暮らし老人の日常的一週間。年代的にも共感する部分が多く、個人的に好きだけど・・老人の内面が主でドラマ要素が少ない。しかし、京極さんがこういうほのぼの系を書くとはねぇ、意外でした(笑) 主人公は、僕の分身かもしれない。ただ、一生独身、かなり無欲、不器用ながら信念を持ってるとこが違うかな?それじゃ大違いか^^;・・共通点は孤独馴れだったりする。これって、続くのかな?
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72歳の男性の平坦で緩やかな生活をそのまま本にした作品。 盛り上がりもオチもないが、その緩やかな思考にときどき笑わされます。 老人を物語にすると、哀愁を感じる作品が多いと思うのですが、主人公の老人が 悲嘆など露ほど見せず、毎日をちゃんと生きている。だからほんわかした気持ちになれ...
72歳の男性の平坦で緩やかな生活をそのまま本にした作品。 盛り上がりもオチもないが、その緩やかな思考にときどき笑わされます。 老人を物語にすると、哀愁を感じる作品が多いと思うのですが、主人公の老人が 悲嘆など露ほど見せず、毎日をちゃんと生きている。だからほんわかした気持ちになれます。 ただ、盛り上がりはないからやっぱり長く感じてしまう。それが味でもあるんだろうけど。 短編でいいのではないかな…。
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独居老人の独り言。 盛り上がる所とかない。淡々と物語が進んでいく。 ほんとうに老人の生活を覗いてるような感じ。 自分も歳をとれば、こんな風に感じるかな~?って思ったり。 ちょっと切なくなったり、でも最後には人と人との繋がりで良い終わり方でした。 意外に面白く読めました。
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京極さんの小説は、個人の目から見た世界を楽しむものだと思う。同じ場所、同じものをみていたとしても、感じることは違う。真逆の場合だってある。長編小説であれば、語り部が変わり視点が変わることで物語の新たな側面が見えてくることとなる。今回は老人が主役の話であり、視点は彼一人で語られる。...
京極さんの小説は、個人の目から見た世界を楽しむものだと思う。同じ場所、同じものをみていたとしても、感じることは違う。真逆の場合だってある。長編小説であれば、語り部が変わり視点が変わることで物語の新たな側面が見えてくることとなる。今回は老人が主役の話であり、視点は彼一人で語られる。話自体は、特に事件性があるわけでもない。ひとりの老人の、淡々とした日常が描かれているのみだ。故に、この作品は、読み手の感覚と老人である主人公の感覚の違いを楽しんで読むものだと思う。
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この物語に振れ幅計のようなものをつけるとしたら、とにかく「平坦」である。1ページめから、ずーっと。 主人公は70代の老人、徳一。結婚もせず、かつての友人やそれなりに親しかった近隣の者たちも亡くなり、平坦な日々を送っている。 徳一の、寝起きの記憶めぐり、公園での一考、スーパーで...
この物語に振れ幅計のようなものをつけるとしたら、とにかく「平坦」である。1ページめから、ずーっと。 主人公は70代の老人、徳一。結婚もせず、かつての友人やそれなりに親しかった近隣の者たちも亡くなり、平坦な日々を送っている。 徳一の、寝起きの記憶めぐり、公園での一考、スーパーでの買い物、昼食づくり…。ああ、このお話が盛り上がるのはいつだろう? でも、ずーっと、平坦に面白いのだ。 大きなこと小さなこと、あれこれまばらに浮き上がってくる考えが。 われわれ一応「若いもの」からすれば、お年寄りはひとくくり、 どんな時間の過ごし方をしているのか知らないし、知ろうとも思わなかった。けど、彼らはそれなりに思考や日々のやることに囲まれて、老いとつきあっているのだなぁと思った。 平均寿命まで生きることができるという前提のうえで、それは たんに死ぬまでの時間が少し長いというだけで、わたしらと大きく変わらない。 と、最後まで読んだら、なんで結婚しなかったのかとか何かしら、徳一の人生の秘密めいたものがわかるのか、な・・・・・?と思っていたら。 最後の最後、359ページ。 (気のせいか、このページだけインクが、濃く見える) じわ~と涙が出そうになった。 めったに本で泣いたりしないし、泣けりゃいい作品というわけではないけど。 自分でこれまで読んでいた雰囲気からするとあまりに意外な反応だった。 最後の最後に、大きな波が来た感じ。 わたしは「オジいサン」、とうまく発音できるだろうか。
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独居老人、益子徳一72歳の一週間の物語。 言うならば「ゆるふわオジいサンデイズ」という感じでしょうか。 特に何も起こらない、山もなければ谷もないただ平坦な日常をなぞるだけ。でもじんわりいい話でなんだか面白い。あっちこっちに飛ぶオジいサンの思考が面白い。色々思考を巡らせているうちに...
独居老人、益子徳一72歳の一週間の物語。 言うならば「ゆるふわオジいサンデイズ」という感じでしょうか。 特に何も起こらない、山もなければ谷もないただ平坦な日常をなぞるだけ。でもじんわりいい話でなんだか面白い。あっちこっちに飛ぶオジいサンの思考が面白い。色々思考を巡らせているうちに、何について考えてたんだっけ?ってなることあるある。我が家の祖母もよく話が突然全然違うところに飛躍するのですが、祖母の脳内でもこういう思考が展開してるのかなーとか思うとさらにおかしかった。
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まさにやまなしおちなしいみなし、な内容ですが、なんだか良い。 京極夏彦の描く登場人物の、街中を気ままにぶらつくような思考を辿るのが好きです。
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独居老人の一人称小説。世の流れについていけず、しかし自分のペースをしっかりと保っている。なんてことない日常の話なんだけど、やけにしんみりとなってしまう。
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今年読んだ中で一番「いい話」っていうのはこれです。 このぐるぐるの思考回路!どうでもいいことを延々と書いて面白いのはさすが京極先生だよね! こんな感じで終わると思いきや、最後はいきなりハッピーエンド。 びっくりするほど素敵な終わり方でした。
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独り暮らし老人の独り言。最後までこの調子ならキツいかも、と思ったけど、やっぱり京極さん。 事件が起こる訳ではないけど、ちょっと幸せな気持ちになります。
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