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完全なる首長竜の日 の商品レビュー

3.3

230件のお客様レビュー

  1. 5つ

    15

  2. 4つ

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  3. 3つ

    93

  4. 2つ

    31

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2011/11/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

バチスタ以来、満場一致で「このミステリーがすごい!」大賞を受賞したということばに惹かれて読んだ。 脳に障害を負って入院している弟を持つ少女漫画家が主人公。昏睡する患者と脳に差し込まれた電極を通してコミュニケートできるという設定。 接続されている時にしか現れないはずの弟が現実世界に現れたり、現実では見知らぬ人を脳内コミュニケートを通して知っていたり、憑依「ポゼッション」という不可解な事象が起きたりする。 小説の中で出てくる「胡蝶の夢」=人が見ている蝶の夢と蝶の見ている人の夢、どちらが「現実」なのかということが重要なテーマなので、読んでいる途中で若干解りづらく混乱する。それまで現実と思って読み進めてきた世界が逆転する場面はオセロのようにそれまでの展開がひっくり返るようで面白かった。 丁寧に読み返すともっと沢山の手がかりが埋め込まれているのだろう。が、あまりその気にならない・・・。 サリンジャーのバナナフィッシュや胡蝶の夢など、アイテム的には大変共感を覚えるのだが・・・現実を確かめるために死を選ぶという結末が気に入らない。バナナフィッシュはそういうものだったか?もっと背景があるだろうに、と思うのだが。

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2011/10/01

何かと比較されるインセプションより、面白く感じた。 狙ってるわけではないけど、最近こういう本によく出会う。流行なのかな(´・ω・`)

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2011/10/01

おもしろい!映画「インセプション」より設定が魅力的で素直に物語に入っていけた。登場人物もそれぞれのエピソードが丁寧かつ魅力的に描かれている。特に祖父や伯父、猫家(みゃんか)と呼ばれる屋号など、島に関する描写が、物語に奥行きを持たせている。 日常とセンシングの境目が不明確になり"意...

おもしろい!映画「インセプション」より設定が魅力的で素直に物語に入っていけた。登場人物もそれぞれのエピソードが丁寧かつ魅力的に描かれている。特に祖父や伯父、猫家(みゃんか)と呼ばれる屋号など、島に関する描写が、物語に奥行きを持たせている。 日常とセンシングの境目が不明確になり"意識"というものの存在が揺らいでいく中で、「…試してみたくなったんだ。これが本当に現実なのか、そのことをだ。」「…魂はバラバラに分散して、その者を知っていた他者の心の中に宿る」「…人の魂や意識なんてものは、肉体と無関係なところで、意外と一つに繫がっていたりするのかもしれないぜ」という浩市の言葉が、エンディングに向けてさらなる深みへと誘っていく。 強いて気になる点をあげれば、首長竜の扱いがもう少し、というところか?

Posted byブクログ

2011/09/30

★あらすじ 植物状態にある患者とコミュニケートするための医療器具「SCインターフェース」。 少女漫画家・和敦美は、自殺未遂により昏睡状態にある弟浩市とコンタクトするために、その器具を使用できる日本唯一の機関、コーマワークセンターに定期的に通い続けている。 担当医師は浩市の自殺未遂...

★あらすじ 植物状態にある患者とコミュニケートするための医療器具「SCインターフェース」。 少女漫画家・和敦美は、自殺未遂により昏睡状態にある弟浩市とコンタクトするために、その器具を使用できる日本唯一の機関、コーマワークセンターに定期的に通い続けている。 担当医師は浩市の自殺未遂の原因を聞き出して欲しいと言うが、敦美はコンタクトの影響か、次第に夢と現実の境目がおぼろになってくる。 そんなある日、敦美の元に、亡くなった息子が敦美の漫画の大ファンだったいう女性から、いきなり電話がかかってきて…… ★感想 2010このミス大賞。 タイトルからラノベっぽいんじゃないかと思いこんでたら、全然違ったー! 精緻なSF風味ミステリだったわ。 敦美の意識が不安定になっていく感じが、気持ち悪くてとっても良かったです。 ところどころ哲学やら文学の蘊蓄もちりばめられているのですが、全体的には文体も柔らかくてすごく読みやすいです。 一気読みしちゃったw

Posted byブクログ

2011/09/27

恩田陸を思い出しました。 あとがきを見ながらふむふむと思ったのですが、確かにインセプション。 ただ、やっぱり何が本当で何が嘘なのか、どこからが現実でどこまでが夢なのか、という疑問は誰しもが持つものではないかと・・・(いや、全然そういう感覚を持たない人もいそうですが)そういう意味で...

恩田陸を思い出しました。 あとがきを見ながらふむふむと思ったのですが、確かにインセプション。 ただ、やっぱり何が本当で何が嘘なのか、どこからが現実でどこまでが夢なのか、という疑問は誰しもが持つものではないかと・・・(いや、全然そういう感覚を持たない人もいそうですが)そういう意味では新しい考え方ではないと思います。 そこを文章にしたり、映像にするってのが難しいのかもしれませんね。

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2011/09/26

読後第一の感想は、「ふーん」でした。 単純に好みの問題でしょうね。 審査員の方々は大絶賛してますから、 すごい作品なのでしょう。 私はいまいちのれませんでした。

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2011/09/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

後半は一気に読みふけった。  自殺未遂により植物状態となった弟の過去を探るうち、  少女漫画家の姉は記憶の迷宮に迷い込む。  意外な結末と静謐な余韻が胸を打つ  サスペンス・ミステリー。 途中で「あ〜これはきっとこうなんだろうな」と感じた。 でも物語は、静かに、静かに、「そろそろ起きようね」とやさしく囁くように私を引きこんでいく良さがあり、あの貞子で有名な『リング』三部作の『ループ』を思い起こすくだりや面白さもありでした。 寂しさ、静けさ、そして優しさが響く結末。 終わった...と余韻とともに本書を閉じたくなる結末でした。 このミス大賞の本はやっぱりおもしろい。

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2011/09/13

読んで三分の一で、結果はなんとなく予測可能なんだけれど、それでも面白かった。ぼくは心理学を学んでいたからかも知れないけれど、クオリアを扱う作品は、好きです。 自分の意識はどこから生まれたのか。まあそれ自体が、ずっと以前から人間が考え続けてきたミステリーの一つですね。

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2011/09/10

自殺未遂により植物状態となった弟の過去を探る少女漫画家の淳美。ある日、謎の女性からかかってきた電話によって、淳美の周囲で不可思議な出来事が起こりはじめ…。 2010年「このミス」大賞作。この手の作品を他の作家で何作か読んだことがあるので、オチに意外性は感じなかった。作中で印象に...

自殺未遂により植物状態となった弟の過去を探る少女漫画家の淳美。ある日、謎の女性からかかってきた電話によって、淳美の周囲で不可思議な出来事が起こりはじめ…。 2010年「このミス」大賞作。この手の作品を他の作家で何作か読んだことがあるので、オチに意外性は感じなかった。作中で印象に残ったのは「人の死とは、その人を覚えている人が誰もいなくなったときに完成する」という言葉。 (C)

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2011/10/05

つかみどころの無い作品。 なんだかよくわからない内に終わってしまった。 ミステリーというジャンルになってはいるが、SFといったほうがいいかもしれない。 映画『トータルリコール』や『マトリックス』のような雰囲気もあるが、そこまで壮大な世界観もない。 最後まですっきりすることはなかっ...

つかみどころの無い作品。 なんだかよくわからない内に終わってしまった。 ミステリーというジャンルになってはいるが、SFといったほうがいいかもしれない。 映画『トータルリコール』や『マトリックス』のような雰囲気もあるが、そこまで壮大な世界観もない。 最後まですっきりすることはなかったが、そういう気持ち悪さを感じさせることが作者の一番のねらいだったのかもしれない。

Posted byブクログ