完全なる首長竜の日 の商品レビュー
◎第9回(2011年)「このミステリーがすごい!」大賞受賞作品。 ◎ダ・ヴィンチ2011年3月号 「今月のプラチナ本」。 2011年4月25日(月)読了。 2011-21。
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第九回『このミステリーがすごい!』大賞ということで読んでみた。 話の流れ自体は、早い段階でオチが読める内容であったが、人間関係などのドラマとしては面白かったと思う。 文章としては、表現は平凡だと思うが、曖昧模糊な話の繋ぎ方とすることで夢の中であることを表現する工夫を施してると思う...
第九回『このミステリーがすごい!』大賞ということで読んでみた。 話の流れ自体は、早い段階でオチが読める内容であったが、人間関係などのドラマとしては面白かったと思う。 文章としては、表現は平凡だと思うが、曖昧模糊な話の繋ぎ方とすることで夢の中であることを表現する工夫を施してると思う。 こういうことが現実にあったと仮定すると、今自分が生きている世界も信じられなくなってしまうよなぁ。
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タイトルからしてとても魅力的です。 「このミス大賞」審査員の大森氏の「満場一致」とのコメントとあらすじを読んで、普段は滅多に買わないハードカバーで購入。後悔の無い面白さです。 アイデア自体はSFファンにとってはさほど突飛なものではないと思いますが、文章と構成が素晴らしいです。...
タイトルからしてとても魅力的です。 「このミス大賞」審査員の大森氏の「満場一致」とのコメントとあらすじを読んで、普段は滅多に買わないハードカバーで購入。後悔の無い面白さです。 アイデア自体はSFファンにとってはさほど突飛なものではないと思いますが、文章と構成が素晴らしいです。夢中になって一気に読んでしまいました。 著者が舞台作家でもあるだけに、特に描写力や物語のテンポの良さは特筆すべきところかと思います。 場面転換が目まぐるしいものの、ちりばめらた幾つかのキーワードによって、物語がきれいに収束されていきます。 また離島や湘南の海岸のイメージはとても鮮やかで、海の近くの生まれで年齢的にも主人公とそう離れてはいない自分は、知らず心を重ねて郷愁に浸りました。
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植物状態になった患者と、コミュニケートするための医療器具「SCインターフェース」が開発された日本。少女漫画家の淳美は、自殺未遂を起こして数年間意識不明に陥っている弟の浩市と対話を続けている。「なぜ自殺を図ったのか」という淳美の問いかけに、浩市は答えることなく月日は過ぎていた。そん...
植物状態になった患者と、コミュニケートするための医療器具「SCインターフェース」が開発された日本。少女漫画家の淳美は、自殺未遂を起こして数年間意識不明に陥っている弟の浩市と対話を続けている。「なぜ自殺を図ったのか」という淳美の問いかけに、浩市は答えることなく月日は過ぎていた。そんなある日、謎の女性からかかってきた電話によって、淳美の周囲で不可思議な出来事が起こりはじめる…。『このミステリーがすごい!』大賞第9回(2011年)大賞受賞作。 どの書評を見ても結構な高評価だし、「このミス」審査員の中でも 満場一致で大賞を受賞している。 でもなぁ~、 少々SFチックというか、個人的に全く好みとかけ離れていて、 終始、面白いとは思えなかった。 確かに、文章は良いのだ。 情景描写や、言葉の選び方もよく、 読みやすいので、あっという間に読めたし。 そもそも、「ミステリー」のカテゴリーに属するのかな? 前回大賞作のひとつである「トギオ」でも感じたけれど、 純粋にミステリーを好む読者には向かない気がするなぁ。 期待が大きかったことも、 評価を下げる要因となった感もある。 朝日時代小説大賞受賞作である「忍び外伝」もすでに入手ずみ。 本作を読んだことで、やや期待薄ではあるが、 こちらは時代モノであり、全くの別カテと考えて、 気持ちをフラットにして読んでみたい。 《2010年1月24日 読了》
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ラリってるような時系列の狂った世界観で あぁオチはこうなんだろうなと簡単に予想できてしまったが 最後の最後にやられた。これは怖い
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最近、こういうちょっと未来っぽい医療モノがはやりなんでしょうか。わかりやすいオチかと思いましたが、最後でひっくり返りました。
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現実と空想・・・・ が読んでいくうちにわからなくなる。 和渥美は、ただの漫画家じゃなかった。 弟の浩市はただの弟じゃなかった。 海でおぼれたシーンで確かにこれは何かあるなと思ったけれど、実はその時に死んでいたなんて。。。 実は自殺を図ったのは渥美だったなんて。 登場人物...
現実と空想・・・・ が読んでいくうちにわからなくなる。 和渥美は、ただの漫画家じゃなかった。 弟の浩市はただの弟じゃなかった。 海でおぼれたシーンで確かにこれは何かあるなと思ったけれど、実はその時に死んでいたなんて。。。 実は自殺を図ったのは渥美だったなんて。 登場人物のほとんどが空想の人物だったなんて。 すべてが驚きでした
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基本的にはあまり相性の良くない「このミス!」大賞の 受賞作品。どうやら今回は満場一致での受賞との事で 自然と期待値は高くなってしまいます。 SF的でもあり、現実と虚構を行き来しつつ、更に 過去と現在も行き来するような張り巡らされた ストーリーに困惑をしつつも、読みながら今、どの...
基本的にはあまり相性の良くない「このミス!」大賞の 受賞作品。どうやら今回は満場一致での受賞との事で 自然と期待値は高くなってしまいます。 SF的でもあり、現実と虚構を行き来しつつ、更に 過去と現在も行き来するような張り巡らされた ストーリーに困惑をしつつも、読みながら今、どの時点を 描いたものなのかはしっかり把握できる分かりやすい 文章を書いているのは、流石です。 先に読んだ忍者ものもSF的というか...時間の軸が 上下左右かつ奥行きと高さのある作品で、きっと こういった内容が得意な作家さんなのかも? エンタメ作品としてミステリ的な要素はやや薄いのが 少し残念で、作品に魅力はあるけどストーリー的な 喰いつき感は自分にとってはやや欠けるかなーと。 ラストは...これしかなかったのだろうか? 余りにも切ない...。
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冒頭、回顧(記憶)の舞台となる南の島の章からして読み応え十分。青酸カリをつかった漁法や、島民の暮らしぶり等、下地をしっかりを作り込んだ後、舞台を現在に戻し、現実と非現実が交錯し始めると同時に酩酊感が襲ってくる。そこからは延々と現実と非現実の入り混じる不穏な空気が漂い続ける。南の島...
冒頭、回顧(記憶)の舞台となる南の島の章からして読み応え十分。青酸カリをつかった漁法や、島民の暮らしぶり等、下地をしっかりを作り込んだ後、舞台を現在に戻し、現実と非現実が交錯し始めると同時に酩酊感が襲ってくる。そこからは延々と現実と非現実の入り混じる不穏な空気が漂い続ける。南の島同様、キッチリ描き込む日常の隙間をついて非現実がなだれ込んでくるため、その不穏感もタダゴトではない。現実と非現実が映像で判るインセプションと違い、小説(文字)は読んでみないとその境界線が判らないので、メンタル面での揺さぶられ感は首長竜のほうが上だ。 ただ、ラスト付近で “あるミス” について言及する場面があるけれど、読んでいる最中、すでに “そのミス” に引っかかってしまい、大まかな仕掛けが掴めてしまった。あとは細かい仕掛け(誤謬)を解きつつ読み進めていった感じ。あれってどうなんだろう。作者も選者も悩んだポイントなんじゃないかな。割と気づきやすいと思うけど…。 まあ、ともあれ、この物語のポイントでもある、死の解釈についての煮詰め方はいい。そして、「意外な結末と静謐な余韻」という帯の一節は、「納得の結末と刹那な余韻」と捉えた。
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第9回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。昨年末のラジオで大森望さんが絶賛してらしたので購入。ディック、岡嶋二人の某作のような現実と夢が入り乱れ、その境界があやふやとなってゆくストーリー。丹念な日常描写が、”現実”が崩壊する不安感を引き立てる。意外性のあるラストヘ至る伏線の貼...
第9回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。昨年末のラジオで大森望さんが絶賛してらしたので購入。ディック、岡嶋二人の某作のような現実と夢が入り乱れ、その境界があやふやとなってゆくストーリー。丹念な日常描写が、”現実”が崩壊する不安感を引き立てる。意外性のあるラストヘ至る伏線の貼り方も見事。面白かった。
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