完全なる首長竜の日 の商品レビュー

乾緑郎【著】

2012/08/16

少女漫画家の和淳美は、植物状態の人間と対話できる｢SCインターフェース｣を通じて、意識不明の弟と対話を続けるが、淳美に自殺の原因を話さない。ある日、謎の女性が弟に接触したことから、少しずつ現実が歪みはじめる。

2012/08/15

このミステリーがすごい！大賞を受賞しているし、本屋大賞にも入賞していたから、文庫を待っていたが、この類いは好みでなかった。
解説にあるように全体的にぼんやりとした雰囲気を醸し出していること自体が、伏線になっているように思うが、単に意図して文脈を崩すような展開にして、どこに飛んだかわからないように書いているだけのような気がする。それが筆力？

2012/08/12

何度か混乱しそうになりつつ結末が気になり一気読み。空想科学モノは、それに付随してくる理論だとかの説明が苦手なんやが、主人公の淳美も詳しい理論はわかってないみたいだし〜とその辺は軽く読み流す。ストーリーはまぁまぁ面白かった。南の島や風景の描写が目に浮かぶよう。
なんの疑いもなく生きているこの『現実』が、誰かの夢の中の出来事ではないと言い切る証拠はあるのか？ 考えてみたら、ちと恐い。
なんだか一時期流布した、ドラえもんの最終回の都市伝説を思い出した。

映画化されるようだけど、そっちはあんまり期待しない。

2014/06/13

2011年 このミステリーがすごい! 大賞受賞作品。
自殺未遂により昏睡状態となった弟の過去を探る少女漫画家の姉、現実と虚構が入り交じる展開は目新しいものではないが、コンパクトに読みやすく面白かった。
(図書館)

2012/07/24

今生活している世界が本物なのか、見ているものが実在しているのか、気づくと考えさせられていました!

私は読むのがゆっくりなほうなんですが、あっという間に読んでしまいました。とても読みやすいミステリです。

想像の世界が豊かすぎて、現実があまりに空虚に思えるときがあります。そのときの感情を、すっと理解させる作品でした。

2012/07/09

まさに胡蝶の夢。
覚めても覚めても夢の中…終わらない悪夢に追いかけられているような、
そんな気にさせられる。ホラーではないけど。
読んでるとぐるぐるしてきちゃう(笑)

昏睡状態の患者と医療機器を介して精神世界でコンタクト（センシング）する。
なかなかワクワクする設定。
抽象的な世界ではなく現実的であるほど、センシング中の出来事なのか
現実の出来事なのかが分からなくなって来る。

では「現実」とは？
自分が現実だと認識しているから現実であるとは限らない。
そう思っている夢を見ているだけかもしれない。
…なんて考えだすと結構怖いなぁ。

そして最後まで素直に騙されましたよ。
途中、予想とは違う結果に。
そういうことか…と思っていたら、更に最後にドン！えっ？

2012/07/06

このミス大賞とのこと。
ミステリーだけどSFのような内容。
そういう展開なんだろうなってのは思ったけれども、
最後の大オチは「ほほう」と。
文章も好きだし他の作品も読んでみたいな。

2012/06/10

上手な作家です。文中にも登場しますが、荘氏の「胡蝶の夢」、夢の中で蝶としてひらひらと飛んでいた所、目が覚めたが、はたして自分は蝶になった夢をみていたのか、それとも今の自分は蝶が見ている夢なのか、の現代版です。途中から、落ちが分かってきて、多分このストーリーが、この人の夢なんだろうなという想像はつきますが、それでも、文章力で読ませます。

2012/06/08

ミステリーというかSFですよね。
覚めても覚めても夢から抜け出れない。

確かに、今私が現実だと感じていることが夢でない事は、証明できない。
私が見えているように、他の人も見えているかどうかは、証明できない。

個人的には、ロジカルに腑に落ちる話が好きなのですが。。。
ただ、細部にリアリティがあるのが、よいです。

2012/06/05

初期から岡嶋二人の「クラインの壷」を想起させた。どちらが現実でどちらが虚構か。。。
このミス大賞というのでよんだがミステリーかなあ？？
楽しめたからいいけど。
最後の落とし方も好きだけど、やっぱりクラインの壷っぽい。

学生時代に読んで衝撃だったクラインの壺に軍配だな。

でも文章自体は綺麗で好き。ほかの作品も読んでみようっと♪