もうすぐ絶滅するという紙の書物について の商品レビュー
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タイトルのイメージから、デジタル化されたものに言及されているように感じるが、そうではない。 タイトルと内容はあまり関係ないように思えて、実は確かに紙の書物について言及しているので面白い。 実によく考えられたタイトルだ。 本好きの雑談。 要点メモ: ・勉強のやり方や資料のまとめ方、探し方は、それぞれをこなしていかない限り身につかない。それぞれをこなすのが最善の方法。 ・一日十冊読めと記載された記事をみるたびに、その必要はないと考える。効率のよい読書のやり方は、十冊読むよりも参考文献を数多く使用している本一冊を読むことである。 ・一つの物事を十の違う方法で調べて、検討するくせをつける。おのずと、情報の正誤がわかるようになってゆく。
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某ブログでみかけて。手にとってみるまで対談集ということを知らなかった。どうも講演や対談を書きおこした本は私に合わないようだ。論旨が曖昧だったり矛盾したりしているとそれだけでイラッと来て、読む気がうせてしまう(小説だと矛盾してても全然問題ないんだが…我ながら心が狭いと思う)。という...
某ブログでみかけて。手にとってみるまで対談集ということを知らなかった。どうも講演や対談を書きおこした本は私に合わないようだ。論旨が曖昧だったり矛盾したりしているとそれだけでイラッと来て、読む気がうせてしまう(小説だと矛盾してても全然問題ないんだが…我ながら心が狭いと思う)。というわけで、「本」の定義が曖昧なことに引っかかってしまって、この本も最後まで読み進められなかった。(本は紙でなくなるかも、と言いながら電子書籍は本でないってナンなのさ?) ●面白かった点 なし ●気になった点 用語が曖昧。それ以前に、この本が何を語りたいのかが意味不明だった。アブストがほしい。
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イッキに読んでしまった。本に対する偏愛というかなんというか。『どうして蔵書を全て読む必要がある?』には笑ってしまった。そうだよね、みんな読む以上の速さで本が増えていくんだよね。本は自己増殖するから(笑)
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スミスの本棚で紹介されていた本。 装丁がブルーブラックでとても綺麗です。 いつか、よみたい。というか手に入れたい。
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日本語のタイトルはひっかけですね。 原題『N'pspérez pas vous débarrasser des livres』は、 直訳すれば、本から離れようったってそうはいかない、という意味(訳者あとがきより)。 すっごい大胆な意訳だよ。 中身は、「書物・知識収集の今...
日本語のタイトルはひっかけですね。 原題『N'pspérez pas vous débarrasser des livres』は、 直訳すれば、本から離れようったってそうはいかない、という意味(訳者あとがきより)。 すっごい大胆な意訳だよ。 中身は、「書物・知識収集の今までとこれから」についてですから、原題の方が内容を伝えていますね。 2人の本を愛する爺さんの対談集です。 編集者トナックさんも負けずに、会話に加わります。 読み切れない本、読んだことのない本を まるで読んだかのように語る術について語るところが、一番興味深かったかも。 本好きの人にオススメです。 表紙は青みがかった黒。天・小口・地の青色の配色がなされたデザイン。 厚みがあるのに、かなり本が軽いので、 手にとって読み始めた瞬間、高揚感を味わいましたよ。 (だって、普通のハードカバーは重いばっかりで嫌いなんだもん。) ちょっと調べていたら、造本装幀コンクールで受賞をしていたんですね。 http://books.hankyu-com.co.jp/_ISBNfolder/ISBN_10100/10113_kami/kami.html こんなコンクールがあったんだ(ぼそっ)。
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訳者あとがきで原題は「だから本好きはやめられない」というようなものと書いてあったが、そっちのほうが内容をよく表していると思う。 「薔薇の名前」のエーコと「昼顔」のカリエールが書物について縦横無尽に語りつくす。 まず、2人とも最初から電子書籍の登場で紙の書物がなくなるなんて全く、...
訳者あとがきで原題は「だから本好きはやめられない」というようなものと書いてあったが、そっちのほうが内容をよく表していると思う。 「薔薇の名前」のエーコと「昼顔」のカリエールが書物について縦横無尽に語りつくす。 まず、2人とも最初から電子書籍の登場で紙の書物がなくなるなんて全く、これっぽっちも思っていない。邦題にあるような危機感なんて始めの数ページであっさり否定し、その後は2大書籍おたく(笑)が本をめぐるあれこれ、うんちくを古今東西、古代から現代までにわたる広範囲にわたってひたすら語り倒す。本好き(≠読書好き)にとって「そうそう、そうなんだよ(笑)」と膝を打つ会話があちこちにちりばめられている。 これだけの読書家でもまだ読んでいない本がある。積ん読だっていいんだ!と勇気を与えてくれる本。 最後に、タイトルと帯について。電子書籍の話なんて一瞬で終わっている。より目を引きやすいようにという趣向なんだろうけど、なんだかなぁ。
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本好きなら、ちょっと「ぉっ」って思うと思う装丁と題名。小口の染めといい、遊び紙の質といい、これだけで手に取りたくなります。ちなみに、内容はといえば、思いっきり本マニアな二人がひたすら好きな本について語るという・・・。冒頭に、紙の本は絶滅するなんて思ってないと二人して確認してますし...
本好きなら、ちょっと「ぉっ」って思うと思う装丁と題名。小口の染めといい、遊び紙の質といい、これだけで手に取りたくなります。ちなみに、内容はといえば、思いっきり本マニアな二人がひたすら好きな本について語るという・・・。冒頭に、紙の本は絶滅するなんて思ってないと二人して確認してますし。読みたい本、飾りたい本、色々な種類の本好きがいるけれど、私達二人は満足してるよ、とそんな本ですw やたらと綺麗な装丁は、本棚に入れておきたくなるかも。
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フランスとイタリアの「老練愛書家」2人よる対談。タイトルからみて、紙の書物は絶滅するのか?という問題意識で手に取りましたが、それに関しての2人の答えは一貫していて、それよりも、ありとあらゆる情報が入手可能になった現代、私たちはどう情報と向き合ったらいいのか、本質的な示唆に富んだ視点が盛りだくさんで学びが多かったです。 ・これから求められるのは、考えをまとめて結論を導く技術、真偽を確かめられない情報をチェックする方法 ・書くという行為は常に危険を伴ってきたし、今でも変わらない ・過去がそのままの姿で我々のもとに届くということはまずない ・我々自身が情報提供者になり、善意で悪気なしに情報をねつ造することだってある。修正するには、延々と検証しつづけるしかないが、苦労が多すぎるので、結果的に野放しになる ・映像は人を欺く ・自己顕示は何によっても止めることができない そのほか、面白かったのは、インターネットの方が先に姿を消す可能性だってある、とか、そもそも私たちが学んだのは傑作や偉大な歴史に偏っていて、それも「敵や馬鹿や間抜けが書いた」結果であるものが多いし、それよりも「珍説愚説」の方が豊穣で示唆に富む、とか。 こうして当たり前に、前提としてとらえてきたことを逆から見る気持ちよさ、というか、常識が揺さぶられる、何とも言えない爽快感を味わいました。 もう一つ、衝撃だったのが「誤りとか、思い違いとか、ばかばかしさとか、そういうものにどうしようもなく惹かれるんです。くだらないことが大好きなんです」と言い切っていたお二方。珍説や嘘が書いてある本を集めているのだそうです。その潔さといったら。 全体を通して、世界の広さと深さ、そして希望を感じさせてくれる本でした。 でも基本的に長くて読みにくいので、★は4つ!
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「災害時にどんな本を保護しようとするか、という話でしたね。自宅が火事になったとします。自分が真っ先に何を守ろうとするか、おわかりですか」「書物の話をさんざんしておいてなんですが、私の場合、今まで書いたもの全てが入ってる250GBの外付けHDDを持って逃げますね」エーコ先生御年80...
「災害時にどんな本を保護しようとするか、という話でしたね。自宅が火事になったとします。自分が真っ先に何を守ろうとするか、おわかりですか」「書物の話をさんざんしておいてなんですが、私の場合、今まで書いたもの全てが入ってる250GBの外付けHDDを持って逃げますね」エーコ先生御年80、まだまだ元気。対談相手を務めるカリエール氏(79)も「愚かしさの研究をしていて最初に気づくことは、自分自身が馬鹿だということです」とかなりパンチのきいた発言を。稀代の蒐集家である両氏から、豊かさってのを散々見せ付けられた気分。
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書物(冊子本)とは、車輪のように出現した時点において既に完成されたものである。つまり、書物はこれ以上進化(変化)することはない。この意味において電子書籍とは「書物」ではありえず、書物に取って代わることのできる同型の存在ではないということである。 名うての創作家・学者であるジャン...
書物(冊子本)とは、車輪のように出現した時点において既に完成されたものである。つまり、書物はこれ以上進化(変化)することはない。この意味において電子書籍とは「書物」ではありえず、書物に取って代わることのできる同型の存在ではないということである。 名うての創作家・学者であるジャン・クロード・カリエールと、世紀の碩学ウンベルト・エーコの間に交わされる超ハイレベルの「雑談」には、グイグイ引き込まれつつも、思わずため息。。。 とにかく、本への情熱では彼らの右に出るものはないのであろうが、世界中の書物・読書愛好家と、あまり変わらない一面も垣間見えるのが嬉しいというか慰められること請け合いである。 本の積読は全く恥ずべきことはないのだ。世界の積読症者よ胸を張れ!!愛書家に対する「これらの本は、みんな読んだのですか?」という問い以上に「間抜け」なものはこの世に存在しないのである。
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