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もうすぐ絶滅するという紙の書物について の商品レビュー

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93件のお客様レビュー

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2011/01/15

先ずは、本の見た目を印象付けるべくページの縁に施されたインク染めが目につく。出版および、その歴史・文化を振り返る対談となっており、昨今の電子書籍登場の流れにあやかったものだという感じがした。ただ、対談者がフランス人とイタリア人ということで、日本の出版業界にみられるような自転車操業...

先ずは、本の見た目を印象付けるべくページの縁に施されたインク染めが目につく。出版および、その歴史・文化を振り返る対談となっており、昨今の電子書籍登場の流れにあやかったものだという感じがした。ただ、対談者がフランス人とイタリア人ということで、日本の出版業界にみられるような自転車操業や流通に関する指摘は見られなかった。ただ、いかなる進歩、発展を遂げたところで、従来のものが完全に廃れるということはない。それは、ハガキしかり、CD・DVDしかり、映画館しかり、そして紙の書物しかりなのである。

Posted byブクログ

2019/06/02

[関連リンク] タイトルは釣り「もうすぐ絶滅するという紙の書物について」: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2011/02/post-d8a2.html 文芸評論家・加藤弘一の書評ブロ...

[関連リンク] タイトルは釣り「もうすぐ絶滅するという紙の書物について」: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2011/02/post-d8a2.html 文芸評論家・加藤弘一の書評ブログ:『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』 エーコ&カリエール (阪急コミュニケーションズ): http://booklog.kinokuniya.co.jp/kato/archives/2011/04/post_248.html

Posted byブクログ

2011/01/01

「本」をテーマに、ふたりの愛書家があれこれ語る。対談の内容は多岐にわたり、自分たちの蔵書コレクションや、書物の歴史、焚書について、阿呆談義、はては本の並べ方といったことまで、そのどれもが知的で非常に面白い。本の装丁は物々しいけれど、中身は口語的であり、しかもエーコもカリエールもか...

「本」をテーマに、ふたりの愛書家があれこれ語る。対談の内容は多岐にわたり、自分たちの蔵書コレクションや、書物の歴史、焚書について、阿呆談義、はては本の並べ方といったことまで、そのどれもが知的で非常に面白い。本の装丁は物々しいけれど、中身は口語的であり、しかもエーコもカリエールもかみ砕いて話してくれているので、とても読みやすい。 本書を読んで一貫して伝わってくるのは、「紙の書籍への愛」。タイムリーな電子書籍への言及はなかったけれど、きっとエーコとカリエールはiPadやKindleで読書なんてしないのだろうな、というのがふたりの対談から受けた印象。とはいえ、かれらはたんなる懐古趣味の老人ではない。「インターネットの発達で人々は記憶する必要がなくなった。では人はなにを習得するべきか」という問題提起に対し、エーコは答える。「考えをまとめて、結論を導く技術。そしてこれからの教育で大事なのは、インターネットに対する批評感覚を鍛えることだ」と。これは、教育現場でありがちな「ネットを見れば答えがわかってしまうからググるの禁止!」などという指導よりもずっと現状に則した考え方だと思う。 紙の本が好きな人はもとより、電子書籍派の人も、少しでも本に興味を持っている人なら読む価値ありの、傑作。

Posted byブクログ