1,800円以上の注文で送料無料

もうすぐ絶滅するという紙の書物について の商品レビュー

4

93件のお客様レビュー

  1. 5つ

    31

  2. 4つ

    24

  3. 3つ

    15

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2016/12/21

ウンベルト・エーコとジャン=クロード・カリエールによる書物をめぐる対談。 現在に至るまでにどれほど多くの書物が消えてなくなっていったのかという指摘は新鮮だった。 現在出版されている本も、どれだけの書物が後世に残っていくのだろうか。そんな視点で現在の出版物を読んでいくというのも、な...

ウンベルト・エーコとジャン=クロード・カリエールによる書物をめぐる対談。 現在に至るまでにどれほど多くの書物が消えてなくなっていったのかという指摘は新鮮だった。 現在出版されている本も、どれだけの書物が後世に残っていくのだろうか。そんな視点で現在の出版物を読んでいくというのも、なかなかおもしろいと思う。

Posted byブクログ

2015/07/29

おすすめ資料 第121回 本を愛する人へ(2011.3.4)   「電子書籍元年」とさわがれた2010年。 この本は、単純に「本の絶滅」を危惧し、それを阻止しようとするものではありません。 また、あらゆる点で巷の電子書籍関連本とは一線を画すといっていいでしょう。 対談者のウン...

おすすめ資料 第121回 本を愛する人へ(2011.3.4)   「電子書籍元年」とさわがれた2010年。 この本は、単純に「本の絶滅」を危惧し、それを阻止しようとするものではありません。 また、あらゆる点で巷の電子書籍関連本とは一線を画すといっていいでしょう。 対談者のウンベルト・エーコはイタリアの中世学者、哲学者、小説家。『薔薇の名前』で有名。 クロード・カリエールはフランスの劇作家、脚本家。『ブリキの太鼓』の脚本などでご存知のかたも多いはずです。 世界でも屈指の愛書家の二人は、底なしの博学でもあります。 彼らは、本書の邦題とはうらはらに、書物の未来を案じてはいません。 紙の書物はすでに完成された発明品であり、絶滅するはずのないものとの確信をもって対話にのぞんでいます。 いわゆる紙の書物が培ってきた文化が、声をあげて、自由に語り合っているような錯覚を覚える本です。 といっても、電子書籍やインターネットの世界に無関心、無知でいるわけではありません。 今後、変貌をとげるであろう「文化」のありよう、意味を問い直す内容になっています。 特に情報のフィルタリングに関する話題は、示唆に富んだものです。 ここで、あまりの格調の高さに怖気づいてはいけません。 意外にすらすら読めるのです。 もし、本への愛があり、声高に語られる「電子書籍元年」にいいようのない不安を覚えるなら、おすすめの一冊です。

Posted byブクログ

2015/06/08

すべての読人(よみんちゅ)に捧ぐ―― もうすぐ絶滅するという紙の書物についてばかり語っている訳ではない、が、それ以上に面白い、オモシロイ、示唆に富んだ対談。USBからフランス詩、インキュナビュラ(グーテンベルクの印刷術発明から15世紀末までにヨーロッパで活字印刷された本)に名著珍...

すべての読人(よみんちゅ)に捧ぐ―― もうすぐ絶滅するという紙の書物についてばかり語っている訳ではない、が、それ以上に面白い、オモシロイ、示唆に富んだ対談。USBからフランス詩、インキュナビュラ(グーテンベルクの印刷術発明から15世紀末までにヨーロッパで活字印刷された本)に名著珍本、焚書と禁書、空き巣まで…… 読み終わったら誰もがこう思うはず。 ”本から離れようたって、そうはいかない”!!

Posted byブクログ

2015/03/25

 紙の書物を愛好する二人の対談をまとめた本です。まさしくインテリの二人の頭脳から生み出される話題は紙の書物の「絶滅」よりもはるかに広範で、紙の書物と電子書籍、紙の書物と文明、残された書物と消えた書物、古書収集など、社会のあらゆるテーマに及びます。  内容については目次を読むとか...

 紙の書物を愛好する二人の対談をまとめた本です。まさしくインテリの二人の頭脳から生み出される話題は紙の書物の「絶滅」よりもはるかに広範で、紙の書物と電子書籍、紙の書物と文明、残された書物と消えた書物、古書収集など、社会のあらゆるテーマに及びます。  内容については目次を読むとかなり推測できますが、全体的には、「知のフィルタリング(選別)」が大きな問題として挙がっていると思います。はるか昔へ目を向ければ、当時は存在したはずなのに現在では存在していない、あるいは語られてさえいない書物というものは確実にあるはずですし、近現代でも、名著として挙がるということにはなんらかの選別が働いています。  こうした選別のなかで、対談に臨むお二人が愛好しているのが「人間の愚かしさ」です。人びとが善意で犯す誤りは、ときにとてつもなく滑稽なものです。「存在を隠していることだけが彼らが存在している証拠である (p. 301)」みたいな意見を真剣に言うわけです。人間は賢い生き物のように思えて、ときにとてつもなく馬鹿げた推測を、”真剣に”行ってしまう。そして、「過去についての我々の知識は、馬鹿や間抜けや敵が書いたものに由来している (目次)」。結局のところ、われわれは(とくにぼく自身は)馬鹿なのだ! そしてそこに知の営みの面白さがあります。二人の対談者への共感を勝手に覚えた本でした。  紙の書物から、歴史と知の営みの旅へといざなってくれる本です。 (その意味でこの本は”楽しむ本”で、知識を得る本ではありませんから、お忙しい方にはおすすめしません)

Posted byブクログ

2014/12/01

本についての本。”本は消える消えるといわれてるけど、でも、電子媒体のほうがもう過去のものになって見られないの多いよね?”っていうとこになるほどーと思った。 難解なのは覚悟して、四苦八苦しながら読んだけども、対談形式がどうしても苦手なので辛かった…。 この本、装丁がほんとに素晴...

本についての本。”本は消える消えるといわれてるけど、でも、電子媒体のほうがもう過去のものになって見られないの多いよね?”っていうとこになるほどーと思った。 難解なのは覚悟して、四苦八苦しながら読んだけども、対談形式がどうしても苦手なので辛かった…。 この本、装丁がほんとに素晴らしくて、小口が深い藍色のグラデーション。イタリア版もこういう感じなのかしら。これだけ凝ったものなら自分の本棚に置きたくなる人多いかも。

Posted byブクログ

2018/04/08

『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』というタイトルから、誰もが紙の本から電子書籍への移行についての本だと想像するはずだ。もしくは、書物というものがなくなっていく世界の話と思うはずだ。自分も、電子書籍もしくはWebに散らばる電子のテクストが、知の世界に与える影響や複製されて編...

『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』というタイトルから、誰もが紙の本から電子書籍への移行についての本だと想像するはずだ。もしくは、書物というものがなくなっていく世界の話と思うはずだ。自分も、電子書籍もしくはWebに散らばる電子のテクストが、知の世界に与える影響や複製されて編纂され共有されるテクストの価値、などについて論じられているものと考えた。それらの考察を通して、そもそも紙の本が持っていた役割が根源的かつ歴史的に問われることを期待した。 これまでの電子書籍についての言説は、主にビジネス観点からの影響を語るものがほとんどだった(書店や印刷産業、著者の印税、Amazonの隆盛)。しかし、ある意味それ以上に知の有り様にも変化を与えると常々思っていた。まさにそれを形にしてもらえるものと思っていたのだ。 ところが、どこまで読み進めてもそういう話にはならない。そもそも思考を重ねた末の論述ではなく、対談をまとめたもので、本棚をワインセラーに譬えたり(その譬えは面白くないわけではないのだけれど)、見方によってはたんに古書蒐集家のおじさん二人がうんちくを重ねるだけの会話に終始しているようにも見える。 そもそも後で気が付いたことだが、本書の原題は、"N'espérez pas vous débarrasser des livres"だった。直訳すると「本から離れようったってそうはいかない」 なるほど、そのタイトルであれば、この内容でもよいだろう。その意味で、この日本語版の編集者は誠実さに欠ける。内容を誤認させた上で購入させ、その上で期待を裏切ることがあることをこのタイトルを付けた人は相応に意識をしていないわけはあるまい。エーコという名前に乗っかって単に商売をしようとしているのではないのか。装丁が凝っていて素敵というレビューも多いが、こちとら電子書籍なので関係ない。 内容以前の話かも。購入前にレビューを見ればいいんだけどね。すいません。 誰か、電子書籍による知の再編とか、電子書籍という形式が現れたことにより明らかになった書籍の与件とその歴史的意義、みたいなことを論じてくれないだろうか。テクストだディスクールだ言ってたフランス人、そういうの得意そうじゃん。

Posted byブクログ

2014/02/01

記号学者と脚本家の対談。本を愛し古書や稀覯書を収集しインキュナビュラの探求経験がベース。人類の愚かしさの礼賛。書物・愛。 人類の本と歴史の流れの中での今。ひとつの到達点かも。

Posted byブクログ

2013/08/17

著書を読むと圧倒されるが、対談にしてみると人となりが見えて少しほっとする。碩学は変わらないが、理系部分のぽっかりとした穴が見えるのも興味深い。現代に万能人たることの難しさか。

Posted byブクログ

2013/06/30

「スミスの本棚」の池上彰氏にて紹介されていた一冊。海外の「本の虫」がどんなだか見せてくれる対談集。 タイトルはさも紙の本 VS 電子書籍な印象を抱かせるが、実際は紙の本が如何に愛好されてきたか、その魅力は何かをコアに語っている。様々な書名や作家名が登場するものの、そのほとんどがつ...

「スミスの本棚」の池上彰氏にて紹介されていた一冊。海外の「本の虫」がどんなだか見せてくれる対談集。 タイトルはさも紙の本 VS 電子書籍な印象を抱かせるが、実際は紙の本が如何に愛好されてきたか、その魅力は何かをコアに語っている。様々な書名や作家名が登場するものの、そのほとんどがついていけない…。

Posted byブクログ

2013/05/14

本というメディアについての対談集。 恥ずかしながら語られている小説や映画のほとんどを知らず、知っていればいっそう面白く思えたのにと、自分の無学が悔やまれました。 しかし、知らなくても言いたいことは伝わってくるので、のめりこんで読みました。 タイトルからして電子書籍化についてがメイ...

本というメディアについての対談集。 恥ずかしながら語られている小説や映画のほとんどを知らず、知っていればいっそう面白く思えたのにと、自分の無学が悔やまれました。 しかし、知らなくても言いたいことは伝わってくるので、のめりこんで読みました。 タイトルからして電子書籍化についてがメインなのかと思いましたが、そうでもありませんでした。 非常に多岐に渡るテーマで語られており、飽きることなく最後まで読み通せました。 特に馬鹿とまぬけと阿呆の違いなどは笑いつつも唸らされます。

Posted byブクログ