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民宿雪国 の商品レビュー

3.4

86件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

    18

  3. 3つ

    35

  4. 2つ

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2023/05/21

初読み作家さん。 前半は面白かったけれど、後半何が言いたいのかわからなかった。私には合わなかったようです。

Posted byブクログ

2019/06/10

なんかほんわかした長編小説かと思ったら、殺伐とした短編アンソロジーだったという本。 新潟の山あいにある「民宿雪国」。そこを訪ねた男は、民宿に身を潜めていたヤクザの人質となってしまう。警察が訪れるのを待つが、実は警らの警官も人質となり、銃まで奪われてしまう。あとは死を待つしかない...

なんかほんわかした長編小説かと思ったら、殺伐とした短編アンソロジーだったという本。 新潟の山あいにある「民宿雪国」。そこを訪ねた男は、民宿に身を潜めていたヤクザの人質となってしまう。警察が訪れるのを待つが、実は警らの警官も人質となり、銃まで奪われてしまう。あとは死を待つしかないのか…。 ほら、タイトルで予想したのと違う展開。 で、また短編内でのどんでん返しが有り、本書の後半であり、主となる「丹生雄武郎正伝」でまた全てがひっくり返る、ダイナミックな作品展開となっている。 いや、プロットは面白い。小説として一旦作っておいたものを、それをメタ視点から眺められるようにして、過去からすべてを定義し直すという作風は斬新である。 作風はそうなのだが、序盤の短編がいまいちだったので、短編部分を大幅に削るか、無理やり後半部分に埋め込んで、ひとつづきにしたほうが良かったのではないかと思う。短編の小説部分に関しては、人物の視点切り替えが下手なので、誰がどうしたを見極められず、また情景が全く浮かんでこないというのは、普通の小説に向いてないんじゃないかと思う。「正伝」部分は視点が動かなかったので良かったが、少々話を盛りすぎてやり過ぎた感はある。どうせなら「山下清の遺稿を小出しに売っていた」くらい小物のほうが、他の部分とのバランスは取れただろう。 さらに、引っかかってしまったのが1点。それは、そっちに触れてほしくないなというか、現実の人物(坂本龍一、安部公房、麻……)と絡めてほしくなかった。それらを入れることで、ふざけた小説の部分ができてしまった。架空は架空のままにしてほしいし、実在の人物名が出てきた瞬間に冷めてしまう。 最後のインタビューも、お互いに「あなたすごいね」を書いているだけで蛇足感しかなかった。 うん、まあ、佳作になりきらなかったかな?というもの。「タモリ論」の人なのか。ひょっとしたら、知ってる人だったりしてね。

Posted byブクログ

2018/09/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

とにかく色々な要素が散らばっており飽きないのだが、この殺人鬼が凄すぎて最後もうたくさん…って感じ。 日本人として考えなくてはいけない問題も沢山ある、それらをこの老人の大量殺人という手法を使っていくのはちょっと発想がぶっ飛んでいるなあ、すごい作家だと思った。 もう一回読んだらきっとよく分かるのだろう、いや、しかしもう読めないな。

Posted byブクログ

2018/08/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 モチーフがいろいろな記憶を刺激する変な小説で、とても面白かった。事実が真実かどうかあいまいなままなところがよかった。舞台がなんどか配達で訪れている場所だったのだけど、それほど馴染みがないのであまりイメージできなかった。あっさり淡々と殺人が成立するところが怖い。あとがきで配慮されていて、読んでいた時はなんとも思っていなかったので、改めてそうかあと思った。

Posted byブクログ

2018/05/09

樋口作品らしからぬテンポの悪さだなぁというのが印象。 偶像化された老人は暗い過去に包まれた異なる人格を持っていた、という設定は面白いのだけど、視点や時代がコロコロ変わりすぎのだけど、関連があまりなくってそれがてんぽのわるさにつながったのかなぁ、なんて。

Posted byブクログ

2016/05/05

タイトルから雪国のほのぼのした小説かと思いきやそんな事はなく、 97歳で亡くなった丹生雄武郎という新潟で民宿を営む車椅子の老人を描いた作品。 その数奇な運命に翻弄され、たった一人の息子を震災で失った事をきっかけに自殺未遂。 精神病院の入退院を繰り返し、そのリハビリで絵筆をと...

タイトルから雪国のほのぼのした小説かと思いきやそんな事はなく、 97歳で亡くなった丹生雄武郎という新潟で民宿を営む車椅子の老人を描いた作品。 その数奇な運命に翻弄され、たった一人の息子を震災で失った事をきっかけに自殺未遂。 精神病院の入退院を繰り返し、そのリハビリで絵筆をとり、次第に画業に傾倒していきます。 ある時、たまたま宿泊した画商の目に止まり、世に出るや評判に評判を呼び社会現象に。 その老成の天才画家の波瀾万丈の一生。 とそんな話を期待していると裏切られるどころか後ろから刺されます。

Posted byブクログ

2016/03/13

鄙びた民宿雪国でたびたび行われる血みどろ惨劇エンタテインメント。 ここには悪いヤツらが集まる。 そしてその主、丹生雄武郎の史実と見紛う半生語り。 積雪を血が赤黒く染めてもなお、降り積もる白がそれを銀に塗りつぶすのでまた客が訪れるのである。おいでませ。

Posted byブクログ

2015/12/27

★どこか似ている?★「さらば雑司ヶ谷」を読んでこちらに。実在しない人物の伝記調で、ところどころにオウム真理教などの実際の歴史を交えた書き方は面白い。ただ、男色やバイオレンスの雰囲気がやや被るし、最後がいまひとつ盛り上がらなかった。これだけ面白いものを書く人でも似てしまうのかなあ。

Posted byブクログ

2015/05/30

丹生雄武郎の生涯の話。民宿雪国の主であり、有名な洋画家なんだけど、実はただのキチガイじじい。その真実と詐称が語られていく構成で面白かった。でも「さらば雑司が谷」の衝撃に比べたら大したことなく、もっとがっつりしたのを期待してたから、意外とあっけなかったかな。 ただ、いろんなオマージ...

丹生雄武郎の生涯の話。民宿雪国の主であり、有名な洋画家なんだけど、実はただのキチガイじじい。その真実と詐称が語られていく構成で面白かった。でも「さらば雑司が谷」の衝撃に比べたら大したことなく、もっとがっつりしたのを期待してたから、意外とあっけなかったかな。 ただ、いろんなオマージュが相変わらずおもしろくニヤリとした。

Posted byブクログ

2015/01/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

51歳にして突如新星のように現れた天才画家、彼は片田舎の民宿の主であった。世間の人々は驚嘆し、賞賛渦巻き、またあるいは反発したりするが、ついには世界的な美術館にまで次々と展示されるまでになる。しかしその生涯には謎が多かった。その画家についての謎が徐々に明らかになって来るのだが、実に面白い展開となってゆく。そしてついには驚愕の事実が・・・。小説の中に次々と出てくる著名人にもドッキリさせられる。

Posted byブクログ