民宿雪国 の商品レビュー
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初めの方の部分で、情け容赦ない描写が続いたのでずっとそうなのかと身構えたがそればかりではなかった。 ずんずん色んな人たちの回想が続く。飽きることはないけど、読み終わったあとなんだったんだろ~とため息。 結局皆さんが高額で買った絵画の価値はどうなっていったんだろう???
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こんな小説読んだ事無いですね〜どうやったらこんな人物を生み出し、こんな筋書きを構築出来るんでしょうかね…作者の才能に敬服します。 出だしはサスペンス…の印象ですが、暴力、嘘、家族、戦争、女、殺人、闇…と何でもあり何だけど読み進めるうちに通奏低音として流れていたモノが一つに収束して...
こんな小説読んだ事無いですね〜どうやったらこんな人物を生み出し、こんな筋書きを構築出来るんでしょうかね…作者の才能に敬服します。 出だしはサスペンス…の印象ですが、暴力、嘘、家族、戦争、女、殺人、闇…と何でもあり何だけど読み進めるうちに通奏低音として流れていたモノが一つに収束して行くような気持ち良さがあってグイグイと引き込まれてしまいました。梁氏と町山氏との対談も非常に面白くて最後の一ページまで読ませる本です。
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よくよく考えてみると、明らかに異質な書き方なんだけど、そこがまた良い。ステレオタイプはクソ食らえな感じ。
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この世は嘘と剽窃に満ち満ちている。その中で本物と呼べるものは憎しみと愛だけであると言っているように思えます。
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人生の哲学者~偉大なる画聖、いや女誑し~冷酷なる殺人鬼、復讐の怨念とグロい蛇の道は蛇。正体を幾つも持つ"民宿 雪国"の主。ペテンに詐欺を重ね、ダイジェストながらダイレクトに伝える多様な各章構成を用いて人物形成していく。本当にドキュメントでなく架空人物なんだろう...
人生の哲学者~偉大なる画聖、いや女誑し~冷酷なる殺人鬼、復讐の怨念とグロい蛇の道は蛇。正体を幾つも持つ"民宿 雪国"の主。ペテンに詐欺を重ね、ダイジェストながらダイレクトに伝える多様な各章構成を用いて人物形成していく。本当にドキュメントでなく架空人物なんだろうね!?。せめてもの救いは"裸の大将"のホノボノさ♪
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発刊直後作家の乙一氏が、ツイッターにて日本版レクター博士だと呟いていたことから興味を持ち、ずっと読みたかった本。樋口さんは初読みだが期待に沿う面白さだった。 新潟県のとある町で民宿雪国を営む丹生雄武郎(にうゆうぶろう)にまつわる話。 第一章のインパクトは最高で、悪の教典にも似た...
発刊直後作家の乙一氏が、ツイッターにて日本版レクター博士だと呟いていたことから興味を持ち、ずっと読みたかった本。樋口さんは初読みだが期待に沿う面白さだった。 新潟県のとある町で民宿雪国を営む丹生雄武郎(にうゆうぶろう)にまつわる話。 第一章のインパクトは最高で、悪の教典にも似た悪辣な導入ではあるのだが、こういう仕掛けそのものが楽しくて、物語の導入にワクワクしてしまった。 しかし続く第二章はすこし色が変わり、また彼が分からなくなる。 第三章は、少し推理すれば思いつくような実在の人物らしき登場人物が出てくるのが面白い。丹生氏の名前の遊びにニヤリとしてしまう。 最後まで読むと物語の様相はまた変わってくる。そう長い話ではないのに、なかなか余韻を残す物語だった。
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装丁からの勝手なイメージでは、展開こそ派手さはないが、 語り手みたいのが出てきてじっくりときかせる、滋味あふれる作品だと思っていたが、むしろその正反対。 ノンフィクション仕立てのエンターテイメント。 性同一性障害、某新興宗教、虐待、慰安婦、そして在日問題など てんこもりすぎて、いささか消化不良気味。 意外性のある展開は飽きさせずに一気に読むことができるが、 感情移入はあまりできない。(それが作者の意図かもしれないが。) 結局丹生雄武郎の人生とは何だったのか…。 哀しい話なんだろうが、いまいち余韻は残らなかった。
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乙一さんがTwitterで勧めていたので読みました。実際の事件のオマージュ的話やインタビュー記事など読み進めていくうちにこれってノンフィクション?と錯覚するくらいでした。二転三転する物語も構成もとても面白い。帯に書いてあるとうりこの物語の結末は何処へ いくのか?と期待して最後まで...
乙一さんがTwitterで勧めていたので読みました。実際の事件のオマージュ的話やインタビュー記事など読み進めていくうちにこれってノンフィクション?と錯覚するくらいでした。二転三転する物語も構成もとても面白い。帯に書いてあるとうりこの物語の結末は何処へ いくのか?と期待して最後まで失速するコトなく読めました。
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装丁、というか、本にかけられた横帯だけで購入意欲が沸いてしまう本というのはあるのではないだろうか。永いことネットで本を買う癖が付いてしまっていたぼくは、ここ数年以来、そういう見逃しがいやで、無情報のまま書店に足を運び入れ、現地にて本を調達するという買い方にきっぱり切り替えた。 ...
装丁、というか、本にかけられた横帯だけで購入意欲が沸いてしまう本というのはあるのではないだろうか。永いことネットで本を買う癖が付いてしまっていたぼくは、ここ数年以来、そういう見逃しがいやで、無情報のまま書店に足を運び入れ、現地にて本を調達するという買い方にきっぱり切り替えた。 あまり冒険を犯して新人を発掘しようとしない自分ではあるけれど、さすがに本書の横帯のアジテーションには惹かれるものがあった。ぼくの気持ちをぐいぐい牽引してしまったそのアジテーションの内容とは、 ・梁 石日氏絶賛の問題作! ・「なみなみならぬ筆力に感服した。人間の底知れぬ業を描き切る」かつてない、刺激的にして衝撃的な読書体験 ・『さらば雑司ヶ谷』で話題沸騰の著者が昭和史の裏面に挑む怒涛の書き下ろし ・本書を手にした読者は読み進めていくうちに不安をいだくだろう。「この物語はどこへ向かってゆくのだろう?」と ・すべてが刺激的だ。 以上、扇情的な言葉の数々が眼を吸い寄せる。 そして読後わかることなのだが、確かにこれらのすべてはブラフではない。形としては連作短篇集と言った方がよいかもしれないが、それでもバラバラの断片は最終的に一つの長編小説を目指す。 これはノワールなのか、歴史小説なのか、ミステリーなのか、ホラーなのか、とジャンル分けしにくい書きっぷりでそれぞれのエピソードが進むのだが、どうもホラーまたはノワールのどちらからしいというところに落ち着く自分がいて、それがこの小説中最も客観的で冷静な文体による主人公の個人史の記述に至って、またも崩壊してゆく。 相当に硬派な軸を持った上で、けれんに満ちた落とし穴だらけの闇迷宮、のような小説、いやさ民宿こそが、雪国なのである。この新潟県の海べりにあって冬は雪に覆われる古い宿に、謎めいた車いす姿で存在する老人の正体こそがこの小説の物語そのものなのである。 しかしそこに至るプロットのこのスタイルは何なのだろう。果たして未知というべき構成で、一見散乱したファイルだらけのように見える。ところが、その背後には凄まじいまでの昭和がある。 自分史に紐付けるとすれば、わが父は、戦後シベリアの強制収容所で三年を費やしてから復員したのだが、その内容をほとんど本人から聞いたことがなかった。その内容について、この小説中で具体的に語られるページがあり、身を切られる思いを禁じ得なかったところがある。 しかしよしんば自分史がなかったとしても、本書の奥深さ、昭和の暗黒面に向かって顎(あぎと)を開いた魔物のような脅威といったものは、読後のあなたのうちに必ずや残るであろうと思う。
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ぶんぶんと読み手を振り回す感じや、描写のスピード感?あるいは荒さ?は独特。確かに終盤に向かって、尻すぼみ感はあるが、エンタテイメントとしては楽しく読めた。 いちいちそのエッセンス入れなくても、という「くどさ」はこの人の持ち味なのでしょうが、読みたくなったときしか読みたくない本かも...
ぶんぶんと読み手を振り回す感じや、描写のスピード感?あるいは荒さ?は独特。確かに終盤に向かって、尻すぼみ感はあるが、エンタテイメントとしては楽しく読めた。 いちいちそのエッセンス入れなくても、という「くどさ」はこの人の持ち味なのでしょうが、読みたくなったときしか読みたくない本かも知れない。
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