悪の教典(下) の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
読み終わって、感動した! とか、感銘を受けた! とか一切なしです。余韻もないわ、そういえば。でも面白かったです。面白がっちゃいけない内容だというのは判ってるけど、その先の展開を知りたくて一気読みしてしまう面白さ。で、面白いけど怖いです。ひぃー! って感じです。 感情移入するような登場人物があんまりいないんだよねー。なんだか計算式みたいな小説なのかな? と思います。隅々まで計算されている文章で、判りやすい読みやすい伝わりやすい。だから余計に怖い。バトル・ロワイヤルっぽい感じもあるかなぁ…。あれは生徒同士の戦いで、これは一方的な殺戮だけど。 小説の中に、携帯を使ったカンニングという出来事があってですね。ちょっとタイムリーだなーと思いながら読んでいました。たまたま私の読んだ時期がタイムリーってことですけど。 あと、つい最近ある設備にある機能がついていることを知ったんですが、それが結構重要だったり。本来の使用目的とは違ってますが。 特設サイトで、モリタートの口笛を聴くことができます。こわいよ!(笑)
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簡単に人が殺されていく恐ろしさ・・・。「バトルロワイヤル」を思い出した。 後半はもういいんじゃないかな感があった。でも総合的に楽しめました。
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※ネタばれ含む容赦なしですな。『告白』もそうですが、なんだか最近、教師ってなにやらかしても不思議でない位置に置かれているような気がする。クライマックスの大量殺人の描写、淡々と行動を遂行する蓮実教諭の様には圧倒されます。しかし、上巻を読んでいるときのような底知れない不気味さみたいな...
※ネタばれ含む容赦なしですな。『告白』もそうですが、なんだか最近、教師ってなにやらかしても不思議でない位置に置かれているような気がする。クライマックスの大量殺人の描写、淡々と行動を遂行する蓮実教諭の様には圧倒されます。しかし、上巻を読んでいるときのような底知れない不気味さみたいなものは、行動の目的がはっきりとしているぶん、あまり感じられず、読んでいるこちらも、ただ淡々と嫌な絵を見させ続けられているような感じ。蓮実教諭にとって運よく、取り逃さずに済んだ、という事態が何度かあったわりに、二人のひっかけにまんまと引っ掛かってしまうあたりもなんだか釈然としなかったし。あと、オチ?となるAEDについても、なぜかそれが登場した瞬間に、読めてしまった…。
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下巻に入る直前で 装丁の意味にも気づく。 上巻はたしかに 「こいつやばい」と 警告している 読者の頭に警笛がなる。 下巻は 赤黒く染まっていく。 蓮実の色に。
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本著は、あらすじにもある通りのピカレスクロマン。つまり悪役を主人公とした一人称小説です。 生徒から絶大に慕われる好青年のマスクを被った英語教師。しかしその実態は自分の利点のためなら殺人も厭わないという典型的なサイコパス、蓮実聖司。 物語はそんなサイコパス、蓮実聖司を中心に展開して...
本著は、あらすじにもある通りのピカレスクロマン。つまり悪役を主人公とした一人称小説です。 生徒から絶大に慕われる好青年のマスクを被った英語教師。しかしその実態は自分の利点のためなら殺人も厭わないという典型的なサイコパス、蓮実聖司。 物語はそんなサイコパス、蓮実聖司を中心に展開していきます。 2011年このミス一位という触れ込みですが、ミステリーの肝要である謎が一切存在しないのでミステリーではありません。 犯人がなぜ殺人を犯すか、誰を殺すか、誰が殺すか、どうやって殺すか。 つまり動機、被害者、加害者、犯行内容。そういったミステリーの肝となる部分は、すべて最初から描かれています。 なので本著は、ジャンル的にはミステリーというよりはサイコ・ホラーと呼ぶ方が近いでしょう。 上巻が一般社会に紛れ込んだサイコパスの常軌を逸した日常と密やかな殺人を描いているのに対し、下巻ではバトルロワイヤルさながらの大虐殺が始まります。 自分の保身のためだけに、クラスの生徒全員を殺そうという発想に至り、実際にそれを実行に移すあたり、常軌を逸したサイコっぷりです。 ただその大虐殺にいたるまでの道のりが荒く、細部で矛盾や突っ込み所もあるので、読んでいて気になったりもしました。 全体としてみると、エンターテイメントとして面白くなかったわけではないのですが、著者のほかの作品には劣る感じでした。 「新世界より」のような奥深さ。「天使の囀り」のような不快感(生理的嫌悪感)。あるいは「黒い家」のような恐怖心。 そういった突き抜けた過去作品には一歩及びませんでした。
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内容は全く好きな感じではないのですが、 次から次へどんどん読みたくさせるのは流石です。 映像にしたら、これは相当怖いと思います。
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読み終わりました。上巻と違い、下巻は一気に読んでしまいました。罠にかかった小鳥たちがどうなるのか、最後にはどの小鳥が助かるのか見届けたかったから・・だけど、読めば読むほど、私の希望は打ち砕かれて行きました。助かる人はいない、小鳥たちは全員羽根に傷を負って撃ち抜かれていく運命・・こ...
読み終わりました。上巻と違い、下巻は一気に読んでしまいました。罠にかかった小鳥たちがどうなるのか、最後にはどの小鳥が助かるのか見届けたかったから・・だけど、読めば読むほど、私の希望は打ち砕かれて行きました。助かる人はいない、小鳥たちは全員羽根に傷を負って撃ち抜かれていく運命・・ここまでの恐怖になると、人間は涙も怒りもなくなるのだと、思い知りました。 むしろ、この悪魔に崇拝(感心)さえ、しそうになってしまいました。本人は・・本人は・・本人は、至って悪い事をしている心がないのですから・・!!!!! これこそが本当の恐怖。 相手が人間なら、殺される瞬間、なぜ殺されるのか理由を知りたいと思うものだと思いますが、相手は人間ではない、悪魔なのですから、理由はないのです。本当に、『無い』のです。 普通は感情というものが人間にはあるので、たとえば連続殺人犯が続けて人を殺す理由は、楽しいからとか(それすら本当は恐ろしい事なのですが)、目立ちたいだとか、理由があるはずなのです。 私たち(人)は、虫を殺す時でさえ、何か理由があるはずです。不潔であるとか、育てている花や野菜の害になるとか。 なのに、 この、 殺人鬼は、 人を殺す事に、理由がないのです!! しばらく吐き気がしました。動悸もしています。 当分夜は眠れないかもしれません。 読み終わって、しばらくして気が付いたのですが、この本はエクソシストだとか、13日の金曜日とか、そういった部類の本でした。なので、こういった映画がもともと苦手な方は、敬遠された方がいいと思います。
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この本をいいとか悪いとか言えない。すごく怖い。とにかく圧倒されたまま、気付いたら読了という感じ。 京大の入試カンニング事件を見ていたら、この本のことを思い出したので、本棚に入れてみた。
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2月2日~2月6日 高校を襲う、血塗られた恐怖の一夜。極限状態での生への渇望が魂を貪りつくしていく。風雲急をつげる超弩級のエンタテインメント。
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