悪の教典(下) の商品レビュー
おかしい。頭がいいのであれば、この現状がやばいことになっていると気づけないのか?という疑問はありますが、やっぱり面白い。最後の方は例によっておっかけっこです。人間、変な人に追いかけられる事が一番の恐怖ですね
Posted by
上巻とは一転。 学園は血の海へ。 レビュー詳細↓ http://makapy.seesaa.net/article/158150643.html かなり行き当たりばったりな犯行に、 読んでるこっちがひやひやさせられる。 ってことは、殺人鬼であるハスミンを応援してるってことか...
上巻とは一転。 学園は血の海へ。 レビュー詳細↓ http://makapy.seesaa.net/article/158150643.html かなり行き当たりばったりな犯行に、 読んでるこっちがひやひやさせられる。 ってことは、殺人鬼であるハスミンを応援してるってことか。 と改めて気づくと共に、でもやはり不謹慎ながらも ハスミンを応援してしまう。 ラスト、頭の良いハスミンならあんな典型的なトリックに 引っかかるとは思えないのがちょっぴり残念。
Posted by
テンポがよい。すっきりしない結末も余韻があっていい。どちらかというと寡作な作者だが、このぐらいのペースで書き続けてほしい。
Posted by
サイコパス教師の恐怖を描いたサイコホラー。最初からじわじわと怖さは感じましたが。終盤の展開は圧巻ですね。怖いったら! 何よりも事件を引き起こすにいたる思考回路が、まさしくサイコパスたる所以。まさかそんな理由で……? ラストの展開も見事。あのことについてはしっかりと伏線がありました...
サイコパス教師の恐怖を描いたサイコホラー。最初からじわじわと怖さは感じましたが。終盤の展開は圧巻ですね。怖いったら! 何よりも事件を引き起こすにいたる思考回路が、まさしくサイコパスたる所以。まさかそんな理由で……? ラストの展開も見事。あのことについてはしっかりと伏線がありましたね。それは知らなかったので、読んだときに「へえ、そんなのがあるんだ」と思ったにも関わらず。まるで思い至りませんでした。巧いなあ。 読後にもぞくぞく感が残ります。こんな怪物が実際に身の回りにいないことをひたすら祈るばかりです……。
Posted by
ついに出た、貴志祐介氏の新刊。 上下2巻組ハードカバーの装丁や帯のコピーからして既に、禍々しいまでの雰囲気を醸し出していて、読むのが怖くてたまらないにもかかわらず、それでも読まずにはいられないというこみ入った葛藤を感じながら小説が読めるというのは、最高の時間だ。 話しの展開の仕...
ついに出た、貴志祐介氏の新刊。 上下2巻組ハードカバーの装丁や帯のコピーからして既に、禍々しいまでの雰囲気を醸し出していて、読むのが怖くてたまらないにもかかわらず、それでも読まずにはいられないというこみ入った葛藤を感じながら小説が読めるというのは、最高の時間だ。 話しの展開の仕方が、また、芸術的なまでにハマりこませる仕掛けになっていて、上巻と下巻では、装丁の違いからもわかるように、まるっきり話しのテンポが異なっている。 ジェットコースターのように、最初は、位置エネルギーを蓄えるためにゆっくりと、一つ一つのエピソードを積み重ねていきながら、少しずつ高度を上げていく。 それが頂点まで達した瞬間に、日常から非日常へと世界が反転し、怒涛の展開をみせるという、途中で抜け出せない、ものすごい作りだった。 とことんまで悪どいというだけではなく、決してその尻尾を出さないくらいに、ずば抜けて高い知能と、柔軟な社会性を兼ね備えていた場合、どのような人格が出来上がるのか。しかも、その人物が、学校という閉鎖空間で、思うがままに自由自在に振舞うことが可能だとしたら、どれだけのことが出来てしまうのか。 「この人間には心がない」というコピーの「黒い家」もかなり衝撃的な作品だったけれど、この「悪の教典」はそれをそのまま数段スケールアップした作品になっている。 貴志祐介氏は、寡作の作家ではあるけれど、人間の中に潜む静かな狂気というものを書かせたら、右に出るものはいない、極上のエンターテイナーだと思う。 生徒たちと接するときには仮面をつけていると思っていたが、その下には、何もない。人間らしい感情というものが、最初から欠落しているのだ。 かすかに、身体が震え始めた。渋谷で遊んでいるときに、不良外国人や本物のヤクザたちも大勢見る機会があったが、これほど非人間的なやつはいなかったと思う。(p.44) 「かりに、殺人が一番明快な解決法だとわかっていたとしても、ふつうの人間は躊躇する。もし警察に発覚したらとか、どうしても恐怖が先に立つんだ。しかし、俺はそうじゃない。X-sportsの愛好家と同じで、やれると確信さえできれば、最後までやりきることができるんだよ。X-sportsと同様、途中でためらうとかえって危険だけど、思い切って突っ走れば、案外走りきれるものなんだ。・・どうだろう。こんな説明で、わかってくれたかな?」 圭介は、絶句していた。目の前にいるのは、単なる殺人鬼ではなく、宇宙人よりもなお理解不能な存在だった。(p.51) 「正直に言うが、日本人は、みな羊だと思っていた。ところが、君は、他の生き物を見境なしに襲い、平気で共喰いもする肉食の羊だ。君は、狼の目から見ても異様な怪物なんだ。この世界にいられては、はなはだ迷惑なんだよ」(p.111) ここには、ライバルはいない。それが、周囲の教員たちを見回したときの感想だった。 彼はは、誰一人として、本物の競争に晒されたこともなければ、本当に恐ろしい相手と向き合った経験もなかった。学校とは、よどんだ池のようなものだ。ザリガニやナマズが威勢をふるい、せいぜい、何かの間違いで棲みついたワニガメやブラックバスがいる程度の場所なのだ。怪物鮫との戦いで傷つき、しばし海から撤退して身体を癒そうとしているオオメジロザメにとっては、周囲が餌ばかりという理想的な隠れ場所である。(p.120) ここが、引き返し不能点《ポイント・オブ・ノー・リターン》だった。 今ならまだ、止めることができる。しかし、この先へ進むと、もう取り返しがつかない。(p.186) 蓮実教諭は、瞬きもせずに、じっとこちらを見ていた。 下鶴刑事は、背筋がぞくりとするのを感じた。この男は、聴力の不足をカバーするため、唇を読んでいる・・。(p.384)
Posted by
一気に犯行が大規模化していく下巻。 怖さを通り越して、淡々と描かれていることで、感覚が麻痺してしまったように感じる。 サイコキラーとしての残忍さは、宮部みゆきさんの「模倣犯」を思い出した。個人的には、「模倣犯」の方が怖かったですが。 好き嫌いのあるジャンルの本だと思いますが、映画...
一気に犯行が大規模化していく下巻。 怖さを通り越して、淡々と描かれていることで、感覚が麻痺してしまったように感じる。 サイコキラーとしての残忍さは、宮部みゆきさんの「模倣犯」を思い出した。個人的には、「模倣犯」の方が怖かったですが。 好き嫌いのあるジャンルの本だと思いますが、映画化されたりしそうだし、面白いと思います。
Posted by
下巻に入ってからはもう、 "悪"の大★洪★水 って感じで、 暗い黒いえろいぐろい… "感情のない天才"ハスミンに共感できる要素は一切ない。 だけど、 追いつめられる側の恐怖とか、 かすかな希望が悉く潰えていく絶望感を確かに感じる一方で、 ...
下巻に入ってからはもう、 "悪"の大★洪★水 って感じで、 暗い黒いえろいぐろい… "感情のない天才"ハスミンに共感できる要素は一切ない。 だけど、 追いつめられる側の恐怖とか、 かすかな希望が悉く潰えていく絶望感を確かに感じる一方で、 追いつめる側の視点に立って楽しんでる自分がいて、 それに気づく瞬間が(ハスミンの異常性そのものよりも)怖かったかな。 2つの感覚がないまぜになって手の汗がすっごいことに… 読み始めたのは8月1日2時くらいで、 読み終えたのは8月1日7時くらい。 所要時間は上下巻合わせて10時間くらいでした。 1つの作品を(ほぼぶっ通しで)こんな長時間読んだのって初めてかも。 読んだ後のぐったり感がすごすぎる。
Posted by
木の葉は森に隠せ… 思ったとおりの修羅場が用意された下巻。 ハスミン視点中心の上巻に較べ、狩られる側の視点が加わることで、ハスミンのキャラが幾分薄れていくのは否めない。 それがひらすらに残念… しかし「ララ♬ステップ踏んで〜♬」殺戮を繰り返すハスミンの狂気に瞠目! これ、椎名桔平...
木の葉は森に隠せ… 思ったとおりの修羅場が用意された下巻。 ハスミン視点中心の上巻に較べ、狩られる側の視点が加わることで、ハスミンのキャラが幾分薄れていくのは否めない。 それがひらすらに残念… しかし「ララ♬ステップ踏んで〜♬」殺戮を繰り返すハスミンの狂気に瞠目! これ、椎名桔平か堺 雅人あたりを主演にして、ワンクールもの深夜ドラマにするといいんじゃないかな。
Posted by
上巻のピカレスクもの風の展開の中くすぶり続けた火種が爆発。つい始まる、ハスミンのハスミンによるハスミンのための大殺戮。ノンストップのバイオレンスに興奮しっぱなしでした。
Posted by