遠まわりする雛 の商品レビュー
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短編なのでさらっと書いてあるけど、ほうたろうにとっては結構なターニングポイントになったであろう、作品なんだと思う。特にタイトルにもなっている「遠回りする雛」は、中学までとは明らかに違った自分を本当に自覚させられたタイミングなんじゃないかと思うから。 それ以外の短編も、それぞれの回で何かしらスポットを当てられるキャラクターがあり、過去の作品の合間合間にそれを挟んでいくことで、喜怒哀楽みたいなものが明確にされた感じ。いや、と言うより、明示的にくらいかな。なんかメインのキャラクターそのものの描き方からではなく、その周りの環境やナゾによって、登場人物の置かれた立場とか葛藤みたいなものを浮かび上がらせた感じに見えるんよなー。 それは巻数を重ねてきたことで、作中の登場人物が「成長」したと言うべきことなのかもしれないな。
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年度初めからおよそ一年間にわたる古典部メンバーの短編集。正直ミステリー(謎解き物語)とは言いにくいか。あまり感情に流されず、少し奥手で理性が勝ち過ぎた高校生たちを主人公とする、眩いさにほろ苦味が加わった青春物語かな。それに、謎解きを多少の味付けに加えたタイプの…。
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古典部の面々・千反田える、福部里志、井原摩耶花、そして折木奉太郎、みんないい味だしています。ただ、ちょっとだけ面倒くさい感じが。
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短編集。 今まで見えなかったそれぞれの内面が見れたようで面白かった。 古典部入部間際の話もあり、ここでやっとその話がでるのか……と思う内容も。 ホータローと千反田の距離が少しずつ縮まっているような話が多く、そちらも読んでいて楽しい。
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語彙を沢山持っている高校生がいるものだな。と思って読んでいる〈古典部〉シリーズ。 アニメから入ったのですけど、やっぱり活字も素敵だなって思います。 青春とはうまくいかないものでもある。後味スッキリな作品が多い中、読了後に深く息を吐いてしまいます。 とくに、姉妹を描いた短編は後味含...
語彙を沢山持っている高校生がいるものだな。と思って読んでいる〈古典部〉シリーズ。 アニメから入ったのですけど、やっぱり活字も素敵だなって思います。 青春とはうまくいかないものでもある。後味スッキリな作品が多い中、読了後に深く息を吐いてしまいます。 とくに、姉妹を描いた短編は後味含めお気に入りです。 姉弟がいれば、その感覚がなんとなく分かってしまいます。 その感覚を嫌だと拒絶する自分もいれば、その行動・思いに頷いてしまう自分もいます。 まぁ、奉太郎の推論が合っていればの話、なんですけど(笑)
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力作揃いの古典部シリーズも、今回は短編集。肩肘張らずに気楽に…と思っていたら、予想外に(失礼だな!)読み応えのある、重量級でした。 まず何と言っても構成が良い。メンバーが4人そろう前の春先から始まって、本編の裏を丁寧になぞりながら1年間の出来事が綴られていきます。のっけから苦い...
力作揃いの古典部シリーズも、今回は短編集。肩肘張らずに気楽に…と思っていたら、予想外に(失礼だな!)読み応えのある、重量級でした。 まず何と言っても構成が良い。メンバーが4人そろう前の春先から始まって、本編の裏を丁寧になぞりながら1年間の出来事が綴られていきます。のっけから苦い「やるべきことなら手短に」がさりげない伏線となって後の話に活かされ、最後はお祭りの華やいだ雰囲気も交えつつの表題作で締めるのも見事でした。 前回も実に悩み深かった里志が、今作でも深みにはまっています。共感はしないし、まして同情はしないけれど、ここまでビターを極めるといっそお見事です。青春小説における青さの表現方法って、こういうものでは無かったような気がするのですが。こんなに読後感の悪い(ほめ言葉です。全力で)バレンタインもそうそうありませんよ。ちょっぴり斬新かもしれません。
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古典部シリーズ。4人とも頭がよく、表現力豊かで、感性が鋭い。読んでいて、少し嫌になるほどに(笑)。 たぶん、古典部シリーズを頭から順番にちゃんと読んだほうがより楽しめるんだろうな。 話を追うごとに、千反田さんがますます可愛らしく、魅力的な女性だな…ということが際立ってくる。それは、折木くんと千反田さんの距離が縮まってくる、ということに比例しているんだろうな。
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あとがきで筆者が述べていますが、古典部メンバーの1年間の変化を追える一冊になっています。 高校生らしい甘酸っぱい感情が微笑ましく、これからも彼らを見守っていきたい思いにさせられます。
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古典部シリーズ既刊3冊の時間の流れの中に 生まれたスピンオフのような短編集。 あるいはホータローが千反田に惹かれていく。 それがはっきりと目に見えるようになっていく 恋物語か。 静かにしんみりと 古典部員を見守った。
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日常感がすごくいい。 キャラとしてぶれない、みたいなのがいいシリーズもあるけど、この作品みたいに内面の揺れとか変化とかがいいなと思えるシリーズも好き。関係性も、少しずつ変わっていく学生の日常。
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