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遠まわりする雛 の商品レビュー

3.9

400件のお客様レビュー

  1. 5つ

    72

  2. 4つ

    178

  3. 3つ

    93

  4. 2つ

    11

  5. 1つ

    1

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2010/08/07

短編集。次巻への繋ぎの一冊でしょうか。 登場人物の心情の変化は興味深いですが、この一冊だけでは少々物足りないです。

Posted byブクログ

2011/03/07

古典部シリーズ第4弾は短編集。 単純に前作までの時系列の後ろに来る物語だけでなく、 前作までに語られなかった、それらの間に起こった話も収録されています。 このシリーズの登場人物たち、物語の雰囲気どちらも好みで、 すぐに物語の世界に没頭して読み耽りました。 けれど、今作はどの話も...

古典部シリーズ第4弾は短編集。 単純に前作までの時系列の後ろに来る物語だけでなく、 前作までに語られなかった、それらの間に起こった話も収録されています。 このシリーズの登場人物たち、物語の雰囲気どちらも好みで、 すぐに物語の世界に没頭して読み耽りました。 けれど、今作はどの話も「謎解き」としてはライト過ぎたかな。 ちょっとした「謎」要素も加わってる青春小説といった感じ。 少し物足りなかったです。 それでも「手作りチョコレート事件」と表題の「遠まわりする雛」で語られ、垣間見えた古典部員たちの心の内は次作への期待を大きくしてくれました。 <収録> 1.やるべきことなら手短に 2.大罪を犯す 3.正体見たり 4.心あたりのある者は 5.あきましておめでとう 6.手作りチョコレート事件 7.遠まわりする雛

Posted byブクログ

2010/08/05

古典部4作目。 前作までの隙間の時間を埋める短篇集ってかんじ。 ケメルマンを彷彿とさせる「心あたりのある者は」が好き。 論理パズルいいよなぁ。

Posted byブクログ

2010/08/04

4.5。 古典部シリーズ第四巻。 これまでの巻の間に起こった出来事を交えた短編七編で構成されている。 この短編がまた上手い。 サクっと読める割に、内容も面白い。 個人的には「心当たりのある者は」と「遠回りする雛」がよかった。 また謎解きだけでなく、青春小説としての肝である成長や...

4.5。 古典部シリーズ第四巻。 これまでの巻の間に起こった出来事を交えた短編七編で構成されている。 この短編がまた上手い。 サクっと読める割に、内容も面白い。 個人的には「心当たりのある者は」と「遠回りする雛」がよかった。 また謎解きだけでなく、青春小説としての肝である成長や気づき、心情の変化などがうまくおりまぜられていた。 主人公を含む古典部四名はこの一年を通し、着実に成長し、変化している。 それはタイトルのとおりに遠回りなのかもしれないけれど、それでも、確実に。 続きが早く読みたいと思わせる作品だった。

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2010/07/31

■さわやかでちょっぴりホロ苦い そして、あざやか―― 折木奉太郎は〈古典部〉仲間の千反田えるの頼みで、地元の祭事「生き雛」へ参加するが、事前連絡の手違いで祭りの開催が危ぶまれる事態に。その「手違い」が気になる千反田は、折木とともに真相を推理する――。 〈省エネ少年〉折木奉太郎た...

■さわやかでちょっぴりホロ苦い そして、あざやか―― 折木奉太郎は〈古典部〉仲間の千反田えるの頼みで、地元の祭事「生き雛」へ参加するが、事前連絡の手違いで祭りの開催が危ぶまれる事態に。その「手違い」が気になる千反田は、折木とともに真相を推理する――。 〈省エネ少年〉折木奉太郎たち古典部のメンバーが遭遇する数々の謎。入部直後から春休みまで、古典部を過ぎゆく一年間を描いた短編集、待望の刊行!

Posted byブクログ

2023/05/30

文庫化されたので読んだ。 ホータロー、しっかりせんか、と言いたくなるラスト。 でも"さよなら妖精"の例もあるのでニコニコしてばかりもいられない。 『心あたりのある者は』は、さすがの一編。

Posted byブクログ

2010/07/30

短編だからか、今までよりもシャープになった気がする。 心理描写が前面に出てて、古典部のバランスを期待して読んだら、何か寂しかった。

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2010/07/30

古典部シリーズの4作目にして初の短編集。前作までの隙間を埋める形で高校1年間の生活が描かれる。ミステリ的には小粒ながらも、キャラクター同士のやりとりや各キャラの成長、人間関係の微妙な変化が愉しい。「九マイルは遠すぎる」を連想させる「心あたりのある者は」がお気に入り。

Posted byブクログ

2012/04/10

“「福部さんが怒ったところは、想像できませんけど」 千反田から見ると、そうなるのか。里志は妙なところで見栄を張るので、誰の前もはばからずに感情を表に出すようなことはあまりしない。ましてや異性の前ではなおさらというものだ。その例外になるのは、伊原ぐらいではなかろうか。 ちなみにその...

“「福部さんが怒ったところは、想像できませんけど」 千反田から見ると、そうなるのか。里志は妙なところで見栄を張るので、誰の前もはばからずに感情を表に出すようなことはあまりしない。ましてや異性の前ではなおさらというものだ。その例外になるのは、伊原ぐらいではなかろうか。 ちなみにその想像できないという「怒った里志」は、 「怒ってもあんまり怖くないけどね」 そう、あまり迫力はない。言葉が少なくなって、目を合わせなくなって、「その話はやめよう」とはっきり話題を変えてくる。俺からすると、里志がそうやって怒る姿はそれほど珍しくはないのが。 「怖くない?うーん、なめられてるなあ」 呟く里志を上目遣いに見て、千反田がぽつりとこぼす。 「……ちょっと気になる、かも、しれません……」 そのうち、里志を怒らせるためだけに千反田が策を弄することがあるかもしれない。期待しておこう。 「それと、折木?」 伊原の視線が俺に向く。 そういえば俺も最近怒ってないなあ、春の日のような穏やかな境地に遊んでいるなあ、などと暢気に構えていたら、伊原がふっと笑みを浮かべた。笑みは笑みでも、あまりにもはっきりと、それは嘲笑だった。そして千反田を振り返ると、しっかりしてよ、とでも言わんばかりの調子で、 「折木が怒るわけないじゃない」 と。 「温厚だからですか?」 ううん、とかぶりを振って、 「怒ることも満足にできない、人間として寂しいやるだから」 ……いくらなんでも、それはちょっと、酷くないか?” 全部で七つの短編。 ところどころのやりとりで吹いてしまったり。 米澤さんの書く、主人公たちの心の揺れ具合とか好き。 ただのミステリで終わらず、彼らの間の心境の複雑さとか。 “いや。どうかな。 俺のモットーは、「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に」。それだけだ。さらけ出すほどのものは、何もない。俺はふと、さっき図書室で、写真集を見ながら考えたことを思い出す。省エネでは色恋沙汰を扱えない。里志が手作りチョコレートを破壊した動機と、一脈通じるところがある。しかし、似て非なるものだ。決定的に違う。里志がためらうのは伊原のためだ。 寒風吹きすさぶ川の上を渡りながら、俺は悩んでいた。もともとはこいつが悪いとはいえ、俺は里志に、言いたくなかっただろうことを言わせてしまった。その埋め合わせは、するべきだろうか。俺はやつに言うべきだろうか。「すまん、俺は福部里志のことを何も知らなかった」と。 里志に背を向けているのをいいことに、俺は小さく苦笑いする。 まあ、言えないな。 橋はさほど長くない。向こう岸に着く直前に訊いた。 「それで、答えられる目処はたっているのか」 振り返ると、普段はまず見られないシリアスな顔で、里志は小さく頷いた。 「もう少しなんだ、もう少し……言葉にならないだけなんだ」 その肩を、ぽんと叩く。 「寒い中、悪かった。缶コーヒーでもおごろう」 そこで里志に、いつもの微笑みが戻ってくる。やつは巾着をぐるりとまわした。チョコの破片が、がしゃりと音を立てた。 「そうだなあ。折角なら、紅茶で貰おうかな」” 2012 04 09 再読

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2010/07/26

危ねぇー。この4作目読むのを忘れて最新刊に 手を出すところだった...。すっかり忘れてた...。 で、「古典部」シリーズの4作目は一年を7編に 分けた短編集。この小粒ながら効いてくる短編の 上手さは米澤さんならでは。「小市民」シリーズ 同様に前半のほのぼのした日常の謎路線から徐々...

危ねぇー。この4作目読むのを忘れて最新刊に 手を出すところだった...。すっかり忘れてた...。 で、「古典部」シリーズの4作目は一年を7編に 分けた短編集。この小粒ながら効いてくる短編の 上手さは米澤さんならでは。「小市民」シリーズ 同様に前半のほのぼのした日常の謎路線から徐々に その成長とともに付いて回る「人」としての関係性や 蒼臭い悩みや苦悩が見え隠れしてくるのが手に 取るように分かります。 「小市民」では一旦袂を分つ2人でしたが、今作は 微妙で壊れそうな関係がよりほろ苦くてキュンさせてくれます。 ミステリ的にも短編に切れ味+学園の謎のほのぼのさ が上手くミックスされていいですね。意外と短編の方が それぞれのキャラが立ってるような気もするなー。

Posted byブクログ