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遠まわりする雛 の商品レビュー

3.9

402件のお客様レビュー

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2024/11/13

古典部シリーズ第四段。本書はこれまでとは違い短篇集であった。何故短篇集なのだろう、読み始めた時には疑問に思ったが、移ろいゆく季節と奉太郎達登場人物の感情を切り取る為だと理解する事が出来た。ここまで奉太郎の感情が揺れ動くとは思わなかった。 省エネ人間が自分の信条を手離す時が来るのか...

古典部シリーズ第四段。本書はこれまでとは違い短篇集であった。何故短篇集なのだろう、読み始めた時には疑問に思ったが、移ろいゆく季節と奉太郎達登場人物の感情を切り取る為だと理解する事が出来た。ここまで奉太郎の感情が揺れ動くとは思わなかった。 省エネ人間が自分の信条を手離す時が来るのか、第五段も楽しみにさせてくれる一冊であった。

Posted byブクログ

2024/11/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

古典部4作目。 高1の一年間、前3作で語られなかった出来事を集めた短編集。 「やるべきことなら手短に」五月、入学して一ヶ月。 「大罪を犯す」六月、梅雨の晴れ間。 「正体見たり」八月、夏休み。 「心あたりのある者は」十一月のはじめの日。 「あきましておめでとう」一月一日の夜。 「手作りチョコレート事件」二〇〇一年二月。 「遠まわりする雛」四月、春休み。 「手作りチョコレート事件」は嫌な気持ちになった。 「チョコレートは里志の手に渡り、なんの軋轢も後腐れもなく、ことはすっかり片付いた」 そう聞いた千反田えるは喜んで、表向きは一件落着。 でも、中山さんはこの先もえるにとっては「チョコを盗んだ人」だ。 中山さん本人が知ることがなくても、そこが嫌。 『愚者のエンドロール』で奉太郎を利用した入須先輩くらい嫌。 一転、「遠まわりする雛」は大好きなのだ。 考えてばかりの奉太郎が、「省エネ主義」とか考える間もない程、どんどん心が動いていく様がいい。 こちらもどんどん嬉しくなる。 「しまった」のところは、にやけてしまった。 「ところで──」を言えてしまっていたら、シリーズが終わってしまったかもしれない。 結局のところ、奉太郎や里志、古典部のみんな、入須先輩だって、みんなみんな『遠まわりする雛』なのかも。 そう思えば入須先輩のことも許せそうな気がする。 ────── 1『氷菓』 2『愚者のエンドロール』 3『クドリャフカの順番』 4『遠回りする雛』

Posted byブクログ

2024/11/07

シリーズのここまでの作品読んでみましたが、この本が短編集なので最も読みやすかったです。中高生の頃に読んでいたら好きになっていたかなという作品。だいぶ歳をとってしまった自分には少しキラキラしすぎて眩しすぎでした。親戚の子に勧めてみようと思いました。

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2024/09/10

古典部の春夏秋冬を描く短編集。 軽い気持ちで読みはじめたんだけど、奉太郎と千反田さんの距離がじわじわと近づいたり近づかなかったりするのが読みどころ。一方の里志は摩耶花からさんざんアプローチをかけられ、自分でも好きであるくせに、特別な関係になることを拒みつづけている。 表題作の「...

古典部の春夏秋冬を描く短編集。 軽い気持ちで読みはじめたんだけど、奉太郎と千反田さんの距離がじわじわと近づいたり近づかなかったりするのが読みどころ。一方の里志は摩耶花からさんざんアプローチをかけられ、自分でも好きであるくせに、特別な関係になることを拒みつづけている。 表題作の「遠回りする雛」は、美しさも豪農の娘としての千反田えるの自覚も相まって、青春のきらめきと切なさの入りまじる傑作でした。 もちろんそれぞれに本格ミステリっぽい謎解きもちゃんと仕組まれていておもしろい。

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2024/09/06

古典部シリーズ第4弾。 「省エネ」を人生のモットーにする神山高校1年の折木奉太郎が、姉の薦めで古典部に入ってからの1年間を7篇の短編で綴った本作。 今回も古典部の4人が「The高校生活」なイベントを通して、時に切なく、時にシュールで楽しい一年を過ごしていく。 それぞれに成長してい...

古典部シリーズ第4弾。 「省エネ」を人生のモットーにする神山高校1年の折木奉太郎が、姉の薦めで古典部に入ってからの1年間を7篇の短編で綴った本作。 今回も古典部の4人が「The高校生活」なイベントを通して、時に切なく、時にシュールで楽しい一年を過ごしていく。 それぞれに成長していく4人の関係が、ちょっとだけ変化してきたような…?次作が楽しみになる結末でした!

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2024/09/05

 なんと丁寧なボーイ・ミーツ・ガールでしょう。四冊かかったわよ。もちろん、四月の地学講義室でもうすでに出会ってしまっていたよね……という見方もできるわけですけれど。  このシリーズの特徴のひとつに、芝居がかったような、インテリっぽい、凝った言い回しの口調がある。そのへんにいそうな...

 なんと丁寧なボーイ・ミーツ・ガールでしょう。四冊かかったわよ。もちろん、四月の地学講義室でもうすでに出会ってしまっていたよね……という見方もできるわけですけれど。  このシリーズの特徴のひとつに、芝居がかったような、インテリっぽい、凝った言い回しの口調がある。そのへんにいそうな高校生らしさがあるかどうかというリアリティの問題はおいといて、小説世界の味としてはこれは私好みの要素である。小難しい熟語を駆使してどんな複雑なことでも言い表せそうな、その気さえあればいつまでも語り続けられそうな、実際の口数の多寡とは関係なく少なくとも独白の世界では弁の立つ、そんな男子が語り手である世界で、表題作『遠まわりする雛』における“絶句”のシーンは印象的。文理選択の話題から、おーおーもうそこまで行き着いたかホータロー! と関係ないおばさんとしては微笑ましいような、感情移入して読んできた読者としてはそんな余裕なく胸を突くような、ああ楽しい。  ここまでのシリーズ四作の構成も、この短編集の中の構成も、なんとも心憎い。こんなうまい緩急の付け方でじっくりそしてするすると一年間を描いてしまうなんて。濃厚な、忘れ得ないひとときを三日月湖のように残しながらも、時は確実に流れていくのだなあ。米澤穂信さん恐るべし。  ミステリー勉強ネタとしては、『九マイルは遠すぎる』は知っていたが『十三号独房の問題』は知らなかったので調べてみよう。

Posted byブクログ

2024/08/20

短編連作だけど満足度がすごい。古典部の関係性が、ちょっとずつ変わっていってるかんじが読んでてそわそわしたな。表題を見た時どういう意味なんだろと思ったけど、めちゃくちゃ腑に落ちた。 これから先も読むのが楽しみ。

Posted byブクログ

2024/08/13

短編集。 犯人を見つけて問い詰めたり、はっきり理由を聞けたりするわけではなく、推理だけで終わるお話もありました。 手作りチョコレート事件と遠まわりする雛は今の居心地のいいクラブの仲間から関係性が変わっていくのかなと思いました。

Posted byブクログ

2024/08/06

古典部シリーズ第4弾。 青春ミステリとして楽しめた。省エネ主義の奉太郎の鋭い洞察力で真相を推理する姿が良い。今後が気になるところ。

Posted byブクログ

2024/07/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

古典部シリーズ4作目。シリーズ初めての短編集でした。 奉太郎が千反田にだんだん染められていくのがたまらなく面白かったです。 個人的に「心当たりのあるものは」が大好きなので、元となっているハリイ・ケメルマンの「九マイルは遠すぎる」も読んでみたいと思います。

Posted byブクログ