遠まわりする雛 の商品レビュー
古典部シリーズ第4弾。 今までは大きい謎で一冊分だったが、本著は7つの短編に分かれていた。 どれもおもしろかったが、特に「手作りチョコレート事件」と「遠まわりする雛」が興味深かった。 自分の力量をそろそろ自覚してきて、好きになった人が自分よりも高いところにいるとわかったとき、こん...
古典部シリーズ第4弾。 今までは大きい謎で一冊分だったが、本著は7つの短編に分かれていた。 どれもおもしろかったが、特に「手作りチョコレート事件」と「遠まわりする雛」が興味深かった。 自分の力量をそろそろ自覚してきて、好きになった人が自分よりも高いところにいるとわかったとき、こんな気持ちになるのかなと思った。
Posted by
シリーズの過去作と比べ、古典部員それぞれの核となる価値観が、より色濃く描かれている。 また、恋愛要素も強調されており、一層青春ミステリ感が増して、甘酸っぱさが良かった!
Posted by
古典部シリーズの手が届かなくて痒かったところがギュッて書いてあってこれが読みたかったの!ってなるのと同時に、まだまだ距離の詰め方が古典部!って感じで歯痒い気持ちになった。 いつもみまいなものすごい謎がある訳じゃないけど、どれも小さな謎を軸に古典部ワールド全開になるから楽しく読めた...
古典部シリーズの手が届かなくて痒かったところがギュッて書いてあってこれが読みたかったの!ってなるのと同時に、まだまだ距離の詰め方が古典部!って感じで歯痒い気持ちになった。 いつもみまいなものすごい謎がある訳じゃないけど、どれも小さな謎を軸に古典部ワールド全開になるから楽しく読めた。
Posted by
「遠まわりする雛」(米澤穂信)を読んだ。 短篇集。 あとがきにあるとおり、高校一年生の心の機微を時間の移り変わりと共に綺麗に切り取っている。 読んでいてついクラスメイトみたいに『お前ら付き合ってんの?』みたいな軽口を飛ばしたくなる。 「心あたりのある者は」は確かにハリイ ケ...
「遠まわりする雛」(米澤穂信)を読んだ。 短篇集。 あとがきにあるとおり、高校一年生の心の機微を時間の移り変わりと共に綺麗に切り取っている。 読んでいてついクラスメイトみたいに『お前ら付き合ってんの?』みたいな軽口を飛ばしたくなる。 「心あたりのある者は」は確かにハリイ ケメルマンの「九マイルは遠すぎる」だね。 なつかしい。 読んだのはもう40年以上前だよな。 どれも大事件ではないが当事者にしてみればなかなか厄介な問題なんだから。 あー面白かった!
Posted by
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 『遠まわりする雛』 著者:米澤穂信 装幀:杉浦康平 発行所:株式会社角川書店 初版発行:2007年 発行:2010年 角川文庫 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 中庸堂は十数年前に ハリイ・ケメルマン『九マイ...
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 『遠まわりする雛』 著者:米澤穂信 装幀:杉浦康平 発行所:株式会社角川書店 初版発行:2007年 発行:2010年 角川文庫 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 中庸堂は十数年前に ハリイ・ケメルマン『九マイルは遠すぎる』を 読んでいたので「心あたりのある者は」で 全く同じ手法を使っていることに気がついたのだが、 あとがきで著者である米澤穂信も それについて言及していて嬉しかった。 このように本を読み続けていくと、 これまでに読んだ本と今読んでいる本が 点と点で結ばれる小さな喜びを得る場合が出てくる。 そうやって点同士が結ばれて自身独自の線が 紡がれていくことも読書の魅力の一つだと 感じる次第だ。 さて、 本書はご存じのとおり「〈古典部〉シリーズ」4作目、 前述した「心あたりのある者は」を含めた 七篇からなる短編集となっている。 ミステリにカテゴライズされる作品ではあるが これまでのシリーズと同じく「日常の謎」に焦点を当て、 それに青春系学園モノをプラスした 平易で読みやすい本だ。 それに加えて本書では思春期特有の 甘酸っぱい心の機微を主人公の折木奉太郎、 その親友の福部里志が見せるエピソードもあり、 その機微が今となっては 懐かしくも羨ましくも感じられる。 できれば、 十代の若い読者に推したい本だが、 そうでなくともミステリ入門書、 そしてミステリマニアにも肩の力を抜いて 気分転換も兼ねて気軽に読んでもらいたい。 その理由としては、 本書を併せてシリーズ四作品すべて 読んできたがこの「〈古典部〉シリーズ」は 短編くらいの長さが丁度いい気がしたからだ。 シリーズ2作、3作目それぞれ 『愚者のエンドロール』『クドリャフカの順番』は 長くて冗長に感じた。 短編くらいの長さの方が 内容的に程よいバランスでまとまっていたし 登場人物それぞれへの焦点も 当てやすいように感じたからだ。 さて、 「〈古典部〉シリーズ」はまだまだ続く。 本書に次ぐ既刊本として 『ふたりの距離の概算』 『いまさら翼といわれても』がある。 積読の中には含まれていないが、 この積読消化が完了次第、 すぐにでも手にとってみたい。 今からその時が来るのが楽しみだ。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ⚫︎目次情報⚫︎ やるべきことなら手短に 大罪を犯す 正体見たり 心あたりのある者は あきましておめでとう 手作りチョコレート事件 遠まわりする雛 あとがき ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
Posted by
「あきましておめでとう」と、「遠まわりする雛」が面白かった。 ミステリ要素はかなり薄めだから、このシリーズの雰囲気を楽しみたいがための一冊。 こういうのに恋愛要素は持ちこんで欲しくない派なんだけれど、これは好き。 「クドリャフカの順番」ではそれぞれの視点から物語が進んで、それはそ...
「あきましておめでとう」と、「遠まわりする雛」が面白かった。 ミステリ要素はかなり薄めだから、このシリーズの雰囲気を楽しみたいがための一冊。 こういうのに恋愛要素は持ちこんで欲しくない派なんだけれど、これは好き。 「クドリャフカの順番」ではそれぞれの視点から物語が進んで、それはそれで面白かったんだけど、やっぱり奉太郎視点の文章が一番面白い。 今回は短編。このシリーズ一冊ずつ構成が違って、そういう遊び心好き。 そしてタイトルの神センスが個人的にたまらん。
Posted by
古典部シリーズで、短編小説集のような作品です。 短なトリックがいくつも詰め込まれていて、軽く読むことができます。 ただ長編作品に比べるとトリックの重厚感などがなく、物足りなく感じてしまいました。
Posted by
折木のレトリックに笑い、千反田のしぐさにちょっとキュンときた。ちょっと青いけど、四人の葛藤が面映い。
Posted by
古典部シリーズ第4弾! こちらは古典部の日常を描いた短編でした。 入学直後から、約1年後の春まで。 大きな事件は起きないけど、日常の延長に えるたそが気になりすぎる謎がちらほら…。 それに翻弄される折木くんの心の移り変わり。 はい、春でした、大変春でした めちゃくちゃ第4弾面白か...
古典部シリーズ第4弾! こちらは古典部の日常を描いた短編でした。 入学直後から、約1年後の春まで。 大きな事件は起きないけど、日常の延長に えるたそが気になりすぎる謎がちらほら…。 それに翻弄される折木くんの心の移り変わり。 はい、春でした、大変春でした めちゃくちゃ第4弾面白かった。 なぜかと言うと、千反田えるさんの可愛さが爆発してた。 着物を着て初詣で行きたい理由がとても高校生。 そして1番の事件は「手作りチョコレート事件」ですよね…。 これ多分1日中語れてしまう。 全然甘くはないビターすぎるバレンタインに 泣きたくなったし抱きしめたくなった… 表題作の折木奉太郎は超絶実物です。 全人類読め案件です。 最高でした、米澤穂信さん、さいっこーだよ!!!!
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
古典部シリーズ第4弾。古典部を過ぎゆく一年を描いた短編7作。出会ったばかりのぎこちない距離から一学期、夏休み、二学期、冬休み、三学期、春休みとそれぞれの人間関係、価値観、考え方が変化していく本作が古典部シリーズの中で一番好き。 特に印象深いのは「手作りチョコレート事件」。里志が伊原のチョコレートを受け取ろうとしなかった理由も、チョコレートをバッキリ割った理由も分からない。ただ「こだわらないことにこだわる」ことにした里志は、自分のポリシーに雁字搦めになって、こうした行動に出るしか無くなってしまった。もう少し単純な思考でいいのでは無いだろうかとも思うけど、それが逆に思春期の曰く「難しいお年頃」が出てて良い。 私が最初にこの本を読んだ高校生の頃は、この日々は際限なく続いて仕舞えばラクなぁと思っていた(今も学生だからあまり変わっていないかも?)けど、そうか、いつかはこの日々も終わるのか…。彼らと共に成長してきた私も距離感も価値観も変化して、それを巷では「大人になる」というのだろう。激変することもあれば緩やかに変化することもある。私はまだ緩やかで「遠回り」な変化を望みたいな…。ダメかしら…?
Posted by