遠まわりする雛 の商品レビュー
うっわ。 短篇だと思って気を抜いていた。 どの話も鈍い痛みを伴う展開で驚いた。 そのあまりにも繊細な一面に読んでいると何とも言えない想いが渦巻く。 まさかバレンタインデーを題材にして、こんな話を書くなんて。 心底ビターテイストなシリーズだよなあ。 無気力な奉太郎とお気楽な里志はど...
うっわ。 短篇だと思って気を抜いていた。 どの話も鈍い痛みを伴う展開で驚いた。 そのあまりにも繊細な一面に読んでいると何とも言えない想いが渦巻く。 まさかバレンタインデーを題材にして、こんな話を書くなんて。 心底ビターテイストなシリーズだよなあ。 無気力な奉太郎とお気楽な里志はどこへやら。 今後の4人の関係性が気になるところ。
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語彙力だったりミステリの難易度、背景知識が自分の知能と合ってて快適に読めた。堅苦しい文豪は読んでて苦痛だけど、簡単すぎるのも嫌みたいな、、、 4作目にして、やっとメインキャラの恋愛が進み始めた。恋愛関係はぼんやりとしたまま続けて欲しいと思ってたけど、やっぱりこうゆうのもいいね。...
語彙力だったりミステリの難易度、背景知識が自分の知能と合ってて快適に読めた。堅苦しい文豪は読んでて苦痛だけど、簡単すぎるのも嫌みたいな、、、 4作目にして、やっとメインキャラの恋愛が進み始めた。恋愛関係はぼんやりとしたまま続けて欲しいと思ってたけど、やっぱりこうゆうのもいいね。 千反田家みたいな名家同士の付き合いみたいなのって今でもあるのかな?
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一学期・夏休み・二学期・冬休み・三学期・春休みと一年を共に過ごす古典部メンバーの穏やかな距離感の変化について紡がれた作品
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古典部のメンバーの過ごしてきた日々が感じられる短編集。 短編集とは言っても7つ話が収録されてるいるし、それぞれが「これって短編?」と思うくらいにしっかり充実した話なのでとても満足。 古典部は今までもほろ苦い終わり方をする話は割とあったのだけど、今作には個人的に後味悪いなぁと思う作...
古典部のメンバーの過ごしてきた日々が感じられる短編集。 短編集とは言っても7つ話が収録されてるいるし、それぞれが「これって短編?」と思うくらいにしっかり充実した話なのでとても満足。 古典部は今までもほろ苦い終わり方をする話は割とあったのだけど、今作には個人的に後味悪いなぁと思う作品もいくつかあった。 特に「正体見たり」と「手作りチョコレート事件」は心が穏やかな時に読むのをおすすめします。 私はカカオ95%のチョコレートをずっと食べてる気持ちになりました。 あとがきにあったモチーフになってるって作品も読んでみたいなー有名すぎて読んだことのないミステリ作品の多いこと。
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〈古典部〉シリーズ第4弾読破しました! 期末試験期間ということもあり、読書時間が極端に減ってしまって、ペースダウンしてしまっていましたが、やっと夏休みです。たくさんの本に触れる夏休みにしたいです。 今作は、〈古典部〉の1年を描いた短編集でした。 特に好きだった話は、『心あたりの...
〈古典部〉シリーズ第4弾読破しました! 期末試験期間ということもあり、読書時間が極端に減ってしまって、ペースダウンしてしまっていましたが、やっと夏休みです。たくさんの本に触れる夏休みにしたいです。 今作は、〈古典部〉の1年を描いた短編集でした。 特に好きだった話は、『心あたりのある者は』と表題の『遠まわりする雛』です。前者は推理のスピード感がすごく好みでした。後者では、最後に奉太郎が千反田さんに言いかけた言葉が個人的にはグッときて、次作への期待がさらに高まりました。 〈古典部〉シリーズも残すところあと1冊となりました。最後までこの青春ミステリーを楽しみたいです!
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※このレビューにはネタバレを含みます
半年ぶりくらいにこのシリーズの続きを読んで、古典部シリーズを読んだあとの感覚が、自然と戻ってきた。つまり、読み始めは、前作の方が面白いと思うのに、気づいたらどっぷりハマっている。 特に今回は、いつもと形式が違った。一冊通してミステリーを解決していくのに対して、短い章でテンポよく、時系列としては1年間を通したものだった。 奉太郎の性格といえど1年間を通して少しずつ距離感が近くなっていく感覚があった。 作者のあとがきを読むと少し驚いた。 以下引用 本書の主役には時間を据えています。登場人物たちが出会ったばかりのぎこちない頃を別枠に取り、一学期・夏休み・二学期・冬休み・三学期・春休みにそれぞれ話を振り分けています。心変わりの理由を詳細に書いてしまえば、これはあとがきではなく自作解説になってしまいます。端的に言えば時間と和解できたということなのでしょう。一年を共に過ごせば登場人物たちの距離感は同じではいられません。いまの私は、その変化を描けていることを願っています。 もっとも、彼らの距離感の変化は、激変というにはちょっと緩やかではあります。それゆえに本書の題名は『遠まわりする雛』となっています。 内容については、里志がマヤカのチョコを砕いたことははじめは酷いと感じた。しかし、最後の最後に奉太郎を通してその気持ちが掴めた。彼らもまだ高校生で、気持ちを言語化できないことの描写が印象的だった。ましてや大人ですらそれは難しいと思う。 「俺はこう言おうとしたのだ。「ところでお前が諦めた経営的戦略眼についてだが、俺が修めるというのはどうだろう?」。 しかし、どうしたことか。言おうと思っているのに、その実、ぜんぜん言える気がしないのだ。 こんなことは初めてだった。そして、初めての経験は、これまで解き得なかった疑問を解く大いなる鍵となる。 俺は知った。 福部里志が、どうして伊原のチョコレートを砕いたのか。 それは要するに、こういうことなのだ。」
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米澤穂信の「古典部」シリーズ、4冊目。初の短篇集。 収録されているのは、「やるべきことなら手短に」、「大罪を犯す」、「正体見たり」、「心あたりのある者は」、「あきましておめでとう」、「手作りチョコレート事件」、「遠まわりする雛」の7篇で、時系列順となるこの順番で収録されている。...
米澤穂信の「古典部」シリーズ、4冊目。初の短篇集。 収録されているのは、「やるべきことなら手短に」、「大罪を犯す」、「正体見たり」、「心あたりのある者は」、「あきましておめでとう」、「手作りチョコレート事件」、「遠まわりする雛」の7篇で、時系列順となるこの順番で収録されている。 時系列的に最初期『氷菓』の頃のエピソードとなる「やるべきことなら手短に」では、えるの好奇心を遠回しに躱そうとするぎこちない奉太郎の姿が描かれるが、最も新しい『クドリャフカの順番』後のエピソードとなる「心あたりある者は」以降は、古典部員同士の信頼関係も深まっており、特に「あきましておめでとう」~「遠まわりする雛」は、奉太郎とえるの関係が恋愛へと向かうことを感じさせるエピソードとなっており、様々な"事件"を通じて変化していく心情や関係性を感じられる一冊となっている。 短篇集ではあるが、一冊で一つの物語とも言える内容だ。
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古典部シリーズ四作目。短編集。 古典部の1年間を描いた昨日であり、三作目までの隙間を埋めていく作品。それぞれ手短に解説。 やるべきことなら手短に ホータロー達が出会ってまだ間もない頃の話。 今回のホータローはまだ省エネ主義の真っ只中であり、音楽室の謎についても言われればそういう...
古典部シリーズ四作目。短編集。 古典部の1年間を描いた昨日であり、三作目までの隙間を埋めていく作品。それぞれ手短に解説。 やるべきことなら手短に ホータロー達が出会ってまだ間もない頃の話。 今回のホータローはまだ省エネ主義の真っ只中であり、音楽室の謎についても言われればそういう事か。と納得。里志が言う様に千反田の好奇心は激しくなっていくので、悪い予感は当たるもんだと(笑)。 大罪を犯す 数学教師と千反田えるのやりとり。それにまつわるちょっとした謎の解明。タイトルほど大げさではないが、間違いの部分については妙に納得してしまった。 正体見たり 温泉合宿と幽霊の話。 温泉の姉妹と小さな謎についてはありきたりなモノだったが、それぞれの心理描写はわかりやすく、兄弟姉妹とはそんなもんだなぁと実感してしまった。 心当たりのある者は 校内放送の呼び出しをめぐり、真相を推理していくホータローとえる。論理的に考え、ホータローの推理は破綻してはいないが、「それ」を入手する経路は少し無理があるようだ。あくまでもゲームである事が前提。 あきましておめでとう 初詣神社の納屋に閉じ込められてしまうホータローとエル。外から関貫を閉められた状態からいかに脱出するのか。 とても古典部シリーズの世界観に合っており、脱出するための工夫が面白い。この様なシチュエーションにおいても冷静に対応できる二人に脱帽 手作りチョコレート事件 古典部においてはバレンタインデーも事件になる。捻くれ者が多くチョコレートを渡すにも一苦労だ。里志のいい分はなかなか理解出来ない。まだまだお互いに知らない部分が多いが、ホータローの推理力には脱帽するばかりだ。 遠回りする雛 表題作。 村人達の会話から問題の真相を突き止める。少しセンチメンタルな雰囲気があり、手作りチョコレート事件でも感じたが、古典部メンバーの成長がうかがえる。 短編を通して三部までの隙間を埋め、古典部が1年生として過ごした物語が完結される。
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※このレビューにはネタバレを含みます
古典部シリーズの短編集。 ホータローとえるが出会って間もないころや、文化祭のあとの話や。思っていたよりも里志は摩耶花のことを想っていて真剣に考えていたんだなあ。 このシリーズのニクいところは、わざわざ関係性に名前をつけないところ。自分の気持ちにも。何となく感じ取ったり、当事者の間で何となく変化したり。それでいいじゃん、と思いたけど明確な名前がほしい気もしたり。 「あきましておめでとう」でグッと近づいたのかな。表題作の「遠まわりする雛」で意識したのかな。ホータローは何も感じない奴ではないんだな。 「正体見たり」では苦さもあり、なかなかに好きな1冊です。
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この作品を読んで、 著作がこのシリーズを、 そしてこの4人のキャラ達を、 とても好きなんだろうなって、 すごく感じました。 私も同じくらい(恐らく少し下)に、 このシリーズとキャラが好きです。
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