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遥かなる水の音 の商品レビュー

3.9

94件のお客様レビュー

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2010/11/20

ある男性の遺灰を撒くために旅をしている男女の物語。 登場人物それぞれにテーマがあり、それぞれの視点で描かれていますが、全ての登場人物に引きこまれ、存在感があります。 村山さんの舞台の描き方が私はとっても好きです。 自分が行ったことのない場所でもその空気を感じられます。 私は...

ある男性の遺灰を撒くために旅をしている男女の物語。 登場人物それぞれにテーマがあり、それぞれの視点で描かれていますが、全ての登場人物に引きこまれ、存在感があります。 村山さんの舞台の描き方が私はとっても好きです。 自分が行ったことのない場所でもその空気を感じられます。 私はラストの遺灰を撒いたときにジャン・クロードが泣くシーンが好きです。 全体を通して彼は皮肉屋ですが、このシーンでは一番彼が感情を爆発させていて、人間味を感じました。

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2010/09/23

「この人では、私の寂しさは埋められない。どうしようもなく埋められない。」みたいなとこがジンとくる…気がする

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2010/09/04

死んでしまった弟の遺灰を、弟の同居人と親友2人と遺言通りに砂漠に撒くまでの話。 同性愛とか、国籍を超えた恋愛とかについて書かれている。

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2010/08/19

 生まれ変わらなくて、いい。灰のままで、いい。  砂漠の砂でいい。吹きわたる風でいい。あふれる光でいい。燃えさかる炎でいい。流れる水でいい。森羅万象の中に、ただ在ればいい。  そうして彼らを見守っていられれば――それでいい。 (P.340)

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2010/08/10

死んだ家族,恋人,友達の骨をサハラに撒きに行く。 一見すごく感傷的で各々が浸っているだけのようにさえ感じてしまうそんな行為も,良い意味での日常からの離脱がどこか痛烈で,でもとても温かい。 やっぱり物悲しい。 これを読んでからモロッコに行ってみたくて仕方ない。 そう思わされる魅力...

死んだ家族,恋人,友達の骨をサハラに撒きに行く。 一見すごく感傷的で各々が浸っているだけのようにさえ感じてしまうそんな行為も,良い意味での日常からの離脱がどこか痛烈で,でもとても温かい。 やっぱり物悲しい。 これを読んでからモロッコに行ってみたくて仕方ない。 そう思わされる魅力的な文章でした。

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2010/08/07

透明感のある美しい文章に、モロッコからサハラまでの何ともいえない雰囲気、バロウズやポール・ボウルズの香り、ジェラール・フィリップに似たジャン・クロードと死者の声が聞こえた周。久しぶりに気持ち良く酔えるワインを静かに味わっているような時間。 「生まれ変わったら何になりたい?」 あ...

透明感のある美しい文章に、モロッコからサハラまでの何ともいえない雰囲気、バロウズやポール・ボウルズの香り、ジェラール・フィリップに似たジャン・クロードと死者の声が聞こえた周。久しぶりに気持ち良く酔えるワインを静かに味わっているような時間。 「生まれ変わったら何になりたい?」 あの問いの正しい答を、僕はもう知っている。 生まれ変わらなくていい。灰のままで、いい。 砂漠の砂でいい。吹きわたる風でいい。あふれる光でいい。燃えさかる炎でいい。流れる水でいい。森羅万象のなかに、ただ在ればいい。 そうして彼らを見守っていられればーそれでいい。 とても、美しい。

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2010/08/05

遺言のとおり、灰をサハラにまくため、姉、パートナー、友人がモロッコを旅する。周の浩介への思いと、姉の恋人との関係、結衣と浩介、ジャンの思い。生命と様々な愛情が凝縮されている物語。わたしも大切な人たちをちゃんと慈しみを表現して伝え続けたいと思う。

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2010/07/24

「星々の舟」で見切って、「天使の卵」で見直して、その後は村山さんのファンです。「おいしいコーヒーのいれ方」はさすがにダレてきてますが・・(笑) 死んだ青年の骨を撒く為にモロッコを旅する一行。挿話として「すべての雲は銀の・・」の花屋コンビが出たり、登場人物が「Bad Kids」のイ...

「星々の舟」で見切って、「天使の卵」で見直して、その後は村山さんのファンです。「おいしいコーヒーのいれ方」はさすがにダレてきてますが・・(笑) 死んだ青年の骨を撒く為にモロッコを旅する一行。挿話として「すべての雲は銀の・・」の花屋コンビが出たり、登場人物が「Bad Kids」のイメージとダブったり、苦手なテーマの分もあって最初は入りにくかったんですが、馴れるとずっぽり。節で人物を替える方法は、この作品で成功している。視点を変えたイスラム観も納得。 小説を読み、その場所に行きたいと思ったのは久し振りです。

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2010/07/19

<お願いがあるんだ。僕が死んだら、その灰をサハラにまいてくれないかな> 死ぬ前に姉・緋沙子と同居人のゲイ・ジャン=クロードに願う周(あまね)。 彼の遺言を果たすべく、姉と同居人、そして周の同級生・浩介と結衣の4人が周のたどった旅路を「マリアージュ・フレールのエロス」の缶...

<お願いがあるんだ。僕が死んだら、その灰をサハラにまいてくれないかな> 死ぬ前に姉・緋沙子と同居人のゲイ・ジャン=クロードに願う周(あまね)。 彼の遺言を果たすべく、姉と同居人、そして周の同級生・浩介と結衣の4人が周のたどった旅路を「マリアージュ・フレールのエロス」の缶に入れられた遺灰と共に遺灰を撒く旅に出かける。 ちょうど読み終えた時にTVでモロッコが紹介されていた。 頭の中で想像していたものよりも現実のモロッコは遥かに凄かった。 映像を見ていなくても、村山作品は実際に旅に行った様な感覚になる。 それぞれの登場人物も魅力的。 前半は少々堅い感じはあるけれど、後半は旅が終わりに近付くに連れて作品に吸い込まれるように読んだ。 この旅が終わった後の4人いや、ガイドで同行したサイードも含めて5人の今後はどうなったのか・・・興味がある。

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2010/07/03

本当に村山さんらしい作品だった。 ある青年の遺灰を遺言により、サハラにまきに旅をする人たちのお話。 どんな場面でもどこか孤独感というか、寂しさや切なさのようなものがあって、けれどそれらは控えめで、私の感覚で言うならば荘厳な教会の中にポツンと一人佇んだ時に感じる細く淡く、すっと差し...

本当に村山さんらしい作品だった。 ある青年の遺灰を遺言により、サハラにまきに旅をする人たちのお話。 どんな場面でもどこか孤独感というか、寂しさや切なさのようなものがあって、けれどそれらは控えめで、私の感覚で言うならば荘厳な教会の中にポツンと一人佇んだ時に感じる細く淡く、すっと差し込んでくる光のような存在。 一気に引き込まれるようにして本を読んだのは久しぶりな気がする。 パリやモロッコといった興味のある国が舞台というのもあるけど、登場人物一人ひとりがとても魅力的だった。特にジャン=クロードはどんどん好きになっていった。 それにしても日本語も満足に使いこなせてない私からすると、英語、仏語と使いこなす彼らは何者なんだと終始感じていた。

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