スコーレNo.4 の商品レビュー
一人の女性の成長を描いた小説。4章からなり、器量の良い妹に嫉妬する少女時代、学校になじめない学生時代、疑問を抱きつつ過ごすOL時代、専門分野を見出す社会人時代、という感じで、主人公の人生が発展していく。 主人公は容姿も能力もごく平凡な女性で、本人も子どものころからそれは自覚してい...
一人の女性の成長を描いた小説。4章からなり、器量の良い妹に嫉妬する少女時代、学校になじめない学生時代、疑問を抱きつつ過ごすOL時代、専門分野を見出す社会人時代、という感じで、主人公の人生が発展していく。 主人公は容姿も能力もごく平凡な女性で、本人も子どものころからそれは自覚している。成長に従い、恋愛を経験したり、親の人生に思いをはせたりする。姉妹間で嫉妬心や競争意識を持つのは割と普遍的だが、比較されて見劣りする方はずっと劣等感を持ち自己肯定感が持てなかったりする。 子ども時代の恋愛の話は感情移入できず、またこの著者の表現が表面的で慣れるまで頭に入ってこない部分も多かった。後半は会話中心で助かった。 文章との相性だとは思うが、取り立てて面白いかとかまた読みたいという本ではなかった。
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宮下奈都の真骨頂と言える素敵な小説だ。平らな地面をゆっくり歩いていたのに、気がついたらさわやかな景色の見える山の頂上にいた。そして、その道のりもまだまだ素敵な景色が続きそうな・・・。ひとりの女性の心の中をとても丁寧に表現していて、中学生から社会人になるまでの成長過程を...
宮下奈都の真骨頂と言える素敵な小説だ。平らな地面をゆっくり歩いていたのに、気がついたらさわやかな景色の見える山の頂上にいた。そして、その道のりもまだまだ素敵な景色が続きそうな・・・。ひとりの女性の心の中をとても丁寧に表現していて、中学生から社会人になるまでの成長過程をせつなくも鮮やかに見事に描き切っている。読み始めたときは、何か苦しい感じがして、この小説はハズレなのかと思った。でも、それは間違いだった。主人公の成長に連れて、ストーリーは静かに、読み手を佳境へと誘ってくれた。主人公の女性が、仲良くなる男性と、高校生の頃通った映画館ですれ違っていたり、実家の骨董屋に来ていたという場面はとても良かった。
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2024の課題図書やっと読めた… 普遍的な人生のお話である 主人公なんでこの感じで男途切れへんねんと思ってたけど、あんまり人に執着しないし合わせない人って確かに魅力的やな でもそれって妹と共存する中で編み出したものやったりするし、ありきたりな表現やけど人生に無駄なものなんてない ...
2024の課題図書やっと読めた… 普遍的な人生のお話である 主人公なんでこの感じで男途切れへんねんと思ってたけど、あんまり人に執着しないし合わせない人って確かに魅力的やな でもそれって妹と共存する中で編み出したものやったりするし、ありきたりな表現やけど人生に無駄なものなんてない あとめっちゃ入試問題の人が好きそう、ストレートな表現は使わない分、描写の情報量がとにかく多い
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中学生の女の子が一人の女性として成長していく物語。前半は読むのに時間がかかって、途中で辞めようとかともちょっと思ったのですが、後半は引き込まれて一気に進みました。文章も綺麗で、やっぱり読んでよかったです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
最初は男性として麻子を俯瞰で追っていたけど、最後には茅野さんのことかっこいいと思ってしまうくらい、気づいたら麻子自身として女性目線で読んでた。
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なんとなく手に取って余り期待せずに読み始めた本なのに夜更かしまでして、一気読みしてしまった 本の帯に書かれてある「あなたはいつ少女から大人になりましたか」と言うメッセージはもう若く無い自分には余り興味がもてなかった でも綺麗な文章に引き込まれ、誰もが憧れるようなラストも 素直に響...
なんとなく手に取って余り期待せずに読み始めた本なのに夜更かしまでして、一気読みしてしまった 本の帯に書かれてある「あなたはいつ少女から大人になりましたか」と言うメッセージはもう若く無い自分には余り興味がもてなかった でも綺麗な文章に引き込まれ、誰もが憧れるようなラストも 素直に響いてしまった とても気持ちよく読み終わる事が出来た
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古道具屋が実家の三姉妹の長女・麻子が主人公で彼女の中学時代から高校〜大学〜就職と追う物語。 一つ違いの妹・七葉の自由奔放さに比べて、自分の気持ちを押し殺して実直に生きる麻子だが、成長とともに内面から滲みてくる素直さが良い大人になっているなぁと感じさせる。 特にNo.3の靴店で働...
古道具屋が実家の三姉妹の長女・麻子が主人公で彼女の中学時代から高校〜大学〜就職と追う物語。 一つ違いの妹・七葉の自由奔放さに比べて、自分の気持ちを押し殺して実直に生きる麻子だが、成長とともに内面から滲みてくる素直さが良い大人になっているなぁと感じさせる。 特にNo.3の靴店で働くところに彼女の成長を感じ、すごく距離が近くなったような親近感が湧く。 さらにNo.4での恋愛は遠回りしてきたからこその確かなものを感じて嬉しくなる。 いいものを穏やかに講釈する父と笑顔で温和な母にちょっと厳しめだが正しい祖母の存在もいい。 ゆるゆるとじんわりと心に染みてくる。
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主人公、津川麻子の中学1年生、高校1年生、就職、社会人3年目を描いた作品。 家は古道具屋を営んでいる。 家族、恋愛、仕事、結婚という4つの「スコーレ」があったというのがタイトルの意味だろうと解説の方は書かれていた。 丁寧に丁寧に風景や内面が描写されていて、あっという間に読んだ。...
主人公、津川麻子の中学1年生、高校1年生、就職、社会人3年目を描いた作品。 家は古道具屋を営んでいる。 家族、恋愛、仕事、結婚という4つの「スコーレ」があったというのがタイトルの意味だろうと解説の方は書かれていた。 丁寧に丁寧に風景や内面が描写されていて、あっという間に読んだ。 私にとって物足りなかった部分を書く。 ・あらすじにある「七葉の自由奔放さ」がよくわからなかった。 七葉との確執、七葉の思いも知りたかった。 何故七葉は古道具屋から遠ざかったのだろう? ・愼ちゃんが従姉妹たちをどう思いながら麻子に接していたのかよくわからなかった。 ・幼少期から古道具屋にいて目が肥えていたのだろうが、全ての靴の値段が大体わかるとか、初めての買い付けを全て1人に任されるというのが、現実的でなくて少し白けてしまった。 ・茅野さんの誘い方が強引で気持ちが悪かった。 ・茅野さんとの運命的な過去が出来過ぎて急にマンガチックに感じた。 茅野さんが登場する迄は割と面白かったが、最後のまとめ方で結局何が言いたかったのかよくわからずこの評価。 言葉の選び方や流れる空気感は好き。
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途中までスラスラ読めなかったけど靴屋以降は一気に読んだ。劇的な事が起こる訳では無いけれど全てが繋がっているということがとても綺麗な日本語で表現されていて素敵な空間を感じた。
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特別なことは起きないけど世界に引き込まれた。 小説全く読んだことなかったけど、言葉で雰囲気や景色が見えたり素敵だ。本読もう
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