スコーレNo.4 の商品レビュー
2007(平成19)年刊。 女性を主人公とし、結婚に至るまでを描いた成長小説。文章はあまり上手でないのか引っかかるようなものを感じ、冒頭の、子供の頃の様子を長々と描写したところは退屈に思えた。 後半の、職業に就いた辺りからが面白く、最後にやっと自然に愛することの出来る相手に...
2007(平成19)年刊。 女性を主人公とし、結婚に至るまでを描いた成長小説。文章はあまり上手でないのか引っかかるようなものを感じ、冒頭の、子供の頃の様子を長々と描写したところは退屈に思えた。 後半の、職業に就いた辺りからが面白く、最後にやっと自然に愛することの出来る相手に巡り会い、どうやら幸福へと到着するのが感動的であった。 全体的にまあ繊細な感性は見られる。前半退屈に感じられたのは主人公が凡庸な女の子で、目立ったところの無い凡庸な人生を歩いているせいかもしれない。しかしその地味なプロセスを地味に積み重ねて、最後に全てを解放するかのようなラストに至るのが、結果的にとても快感だった。
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再読のはずなんだが、前回いつ読んだんだったか覚えておらず、内容も失念していた。タイトルと読後感がすごく良かった余韻だけ覚えていたのだが…。 読み終わっても、前回読んだ時の記憶はあまり蘇ってこず、そういやうちの弟二人の仲の良さを思い出したんやったなぁ…とそれだけ記憶の底から湧いてきた。 この本は娘に読ませたいなぁ。考えること、感じることが俺なんかに比べもんにならんくらい、質量ともに大きいはずなんで。 でも父親からこの本薦められるの絶対イヤやろなぁ。
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自分の自信の無い麻子は、1つ下の明るい妹、七葉と自分を常に比べる。 麻子はとても繊細で、ネガティブ思考。でも、自分の芯がしっかりあって、おかしいと思うこと、軸から外れたものは、違う、変えるべきと主張できる。 自分をどこか排他的で愛が足りないと思っている学生時代を経て、とても素敵な...
自分の自信の無い麻子は、1つ下の明るい妹、七葉と自分を常に比べる。 麻子はとても繊細で、ネガティブ思考。でも、自分の芯がしっかりあって、おかしいと思うこと、軸から外れたものは、違う、変えるべきと主張できる。 自分をどこか排他的で愛が足りないと思っている学生時代を経て、とても素敵な女性に成長していく。その過程が宮下さんの言葉で丁寧に描かれていた。 みなさん書いてるけど、No.3と4が特に良い。 麻子の中で細い糸がどんどん絡んでいって、最後にまっすぐではないかもしれないけど、糸がほどけて柔らかくなる。 作品全体を包む雰囲気、情景、登場人物のアクセント、みんな味があって、どこか懐かしくてよかった。
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解説を読んで、家族・恋愛・仕事・結婚の章立てだったか…と気付く。 最後は全てがスルスルとつながって、「そんなにうまくいく!?」と思いながらも、それが嫌じゃなかった。むしろ、今まで自分を形作ってきたものに意味をもたせられて、出会えてよかったね、と思えた。 3の靴屋での話と4の茅野さんとの出会いの話がよかった。でも、それをよいと思えるには、それまでを知っている必要があるから、つまり全体がよかった。 愼と七葉に何があったのか、七葉は何を思っていたのか、彼女の視点からも見たくなった。知らない方がいい気もするけど。
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スコーレNo.4 (光文社文庫) 著作者:宮下奈都 発行者:光文社 タイムライン http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698 facecollabo home Booklog https://facecollabo.jimdofre...
スコーレNo.4 (光文社文庫) 著作者:宮下奈都 発行者:光文社 タイムライン http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698 facecollabo home Booklog https://facecollabo.jimdofree.com/ 自分のダメな部分も、マエムキに受け止められるようになる一冊。
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特に劇的な展開はない、10〜20代の話だが、自分に当てはまるところも多く共感しながら読んだ。 他人を羨んだり自己肯定感が低かったり悩んできた人に当てはまりそうな本 初期の恋愛のうまく噛み合わない感じに心当たりがありすぎたり、逆に相性がいい人のこれだという感じもよくわかった
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恥ずかしながら感性が主人公に似ていて共感してしまった。物事に無理にのめり込まなくても大丈夫、やら、求めずともその時はやってくる、なんていうメッセージが平穏な物語だこそじわじわーっと伝わってきた。
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今更でしたが…ずっと気になっていながらも積んだままになっていて。 最近、新刊のミステリーを立て続けに読んでいて、なんとなく気持ちをフラットにしたくて手に取りました。 宮下さんの文章はやはり気持ちが良い。 何気ない描写や会話の中で、納得させられたり、心が洗われたり。自分が少し優し...
今更でしたが…ずっと気になっていながらも積んだままになっていて。 最近、新刊のミステリーを立て続けに読んでいて、なんとなく気持ちをフラットにしたくて手に取りました。 宮下さんの文章はやはり気持ちが良い。 何気ない描写や会話の中で、納得させられたり、心が洗われたり。自分が少し優しくなれる気がする。 川の流れなどの風景、家屋、お店など建物の書き方も好きです。 最初は現代より少し昔の物語なのかと勘違いしてしまうほど、NO.1で描れる家庭と学校の日常は少し閉塞感がある、曇り空のような色合いだったような気がします。 こんな感じで家族、とりわけ妹との関わりを深く追っていくのかとNO.2までは思っていました。 気持ちをスッキリさせたくて読んだつもりが、ちょっと違うのかな?と思っていたら、NO.3とNO.4がとても良かった。角度か変わって、麻子が変化していくスピードがそれまでの年月をあっという間に追い越していくようだった。 ここまでが前向きな訳でもなく、妹と自分を比較して自信なげな場面ばかりだったからかもしれないけれど。 でも、その裏返しでも英語を習得して就職に繋げたり、自分の人生を投げやりにしていなかった努力は素晴らしいと思う。お金持ちではないけれど「育ち(方)」が良いのだろうと思う。祖母、両親は堅実な長女の事をしっかり理解して育てていたのだろう。七葉と紗良の性格も見極めていたし。 七葉の器量が持って生まれた資質ならば、麻子は目利きの才能を資質として授かったのだろう。 器量が良いから努力しなくても幸せになれる訳でもなく、目利きの才能だけで幸せになる訳でもない。 花開く順番が違うだけだ。 器量だけでなく、学力だけでなく、自分に持って生まれた資質を大事にして生かしながら、どこへ向かって深く深く努力していくかが大切なのかもしれない。 私ももっと早く気付きたかったな 笑 好きだなぁと思ったこと ・水色とグレーの組み合わせの洋服 ・朝一番の飲み物を選べるところ ・大学の部室で、湯呑茶碗でお茶を飲みたいと思うところ ・人を擬音で表しているところ ・茅野さんと映画館の話しをするところ(外の石階段や扉の事などその光景が思い描ける描写か好き) 従兄の慎ちゃんはどうしてるんだろ…。
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糸が絡めあって刺繍を作るような物語だった。針の運びは丁寧で滑らか。でも絵画みたいに色をしっかり乗せているわけではないから、糸と糸の隙間を想像して形作らないといけない。その感覚が煩わしくも心地よかった。 家族、恋愛、仕事、結婚。それぞれのスコーレごとで1冊書けそうなのに、別の作家...
糸が絡めあって刺繍を作るような物語だった。針の運びは丁寧で滑らか。でも絵画みたいに色をしっかり乗せているわけではないから、糸と糸の隙間を想像して形作らないといけない。その感覚が煩わしくも心地よかった。 家族、恋愛、仕事、結婚。それぞれのスコーレごとで1冊書けそうなのに、別の作家や別の本ではそれらの一つをテーマとして据えて物語が作られているのに、4つを1冊に収めてしまったから、彼女の20数年を一気に体験したようで、とても濃い読後感でした。 スコーレを積み重ねた先の麻子の姿を見てみたくなった。
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わたしのファースト宮下奈都がこれ。何年も前に買って何度も読んだ。今回は「つぼみ」を読みたいがために再々再読した。 地に足がついていて、文章が過不足なくなめらかで心地いい。さりげなくて芯をついてて嫌味がない。 姉妹の複雑な関係を描くNo.1。79ページの七葉が気づくところとかグッとくる。うまいなぁと思うNo.2は七葉と慎が帰ってこなかった合格発表の日。切なすぎて読むのが辛くなる。No.3はいよいよ真骨頂、小気味いいお仕事ドラマ。そしてしっかり巡り合って、何もかもがつながったNo.4。 超良作です!
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