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横道世之介 の商品レビュー

4

452件のお客様レビュー

  1. 5つ

    136

  2. 4つ

    182

  3. 3つ

    85

  4. 2つ

    15

  5. 1つ

    2

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2022/07/07

【琉大OPACリンク】 https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA91532389

Posted byブクログ

2022/06/05

今ある等身大の自分は、過去の出来事の結果である。だからといって、過去のエピソードが全て因果関係で結びついているわけではないだろう。それなのに、この小説は、巧みにそれを繋げてしまった。今の出来事から登場人物を逆算して、その人となりを作り上げただろうシナリオを連想し、過去と未来を行き...

今ある等身大の自分は、過去の出来事の結果である。だからといって、過去のエピソードが全て因果関係で結びついているわけではないだろう。それなのに、この小説は、巧みにそれを繋げてしまった。今の出来事から登場人物を逆算して、その人となりを作り上げただろうシナリオを連想し、過去と未来を行き来しながら、ノンフィクションをなぞる。手法が凄い、そしてズルイ、いや切ない。 青春時代はパッケージのように、恥も失敗も、成功や笑い話と同じように記憶に刻まれ、その刻まれた古傷自体に価値をもつ。出来事は何だって良くて、数ヶ月家に篭ってネットサーフィンしていただけの記憶ですら、あの頃のネットは2チャンネルの全盛期でなどとキラキラするものだ。また、それは年齢というより経過年数で、20代を青春として捉えるには10年以上経過した方がより濃い目に味わえるし、40代だって、60歳になればあの頃の青春と語れるようになるものだろうか。最近はそんな気がしている。で、何が言いたいかというと、この小説はそうした青春の連想を集約していく技法を用いた斬新さもありながら、普遍的なパッケージとしての青春を追体験させてくれる点で、素晴らしい、そして切ないエンタメである。

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2022/06/01

自分自身の学生時代を思い出して懐かしくなった。今から考えるととても貴重な日々だけど、当時は無限に続くようなダラダラした感じ。この空気感好きだなー。

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2022/01/10

地方で育った横道世之介が東京の大学に進学し、過ごしていく話。 最後まで世之介らしく、飄々と生きていく姿が心地よい。

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2021/10/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

実家に帰ってきたような安心感が読んでてあった。世之介の上京してからの1年間を見ていくうちに、世之介の思い出が自分の思い出のようになっていた。院生の今、この本を読んで久々学部時代の気持ちを思い出した。 あと、小沢が丸井の10回払いで買ったダブルのスーツで世之介に会ったシーンを読んで、小沢には似合ってないのが明らかなことと、かっこつけたい気持ちが伝わってきた。それと同時に成人式で友達に借金までして買ったダブルのセットアップを着て行った自分を思い出し、小沢と全く同じだなと思い笑ってしまった。 世之介と出会った人生と出会わなかった人生で何かが変わることはないが、出会っていない人が大勢いると思うと得した気持ちになってくるという加藤の言葉がとても好きだなと思った。

Posted byブクログ

2021/11/13

世之介さん! まさに同世代で、時代のながれを懐かしみつつ、読んだ。 なーんてこと無い日常。 そこも気づけば、キラキラした青春! 続編も読もうかな

Posted byブクログ

2021/05/31

私も、70年に大学に入学し、日本武道館での入学式に出席しました。バイトは、中元、歳暮の時期に、小田急デパートの配送センターに行きました。ゼミは、国際金融論をやり、三、四年はゼミ生と連んでいました。懐かしく、読みました。

Posted byブクログ

2021/02/04

吉田修一と言えば「横道世之介」のイメージが強く、そろそろ読んでみるかと思って、手に取った。 なんてことはない、すごく一般的な大学生の生活が1年間まとめられているという具合であった。地方から東京の大学に進学し、都会という環境の中、親元を離れて暮らす大学生が、1年後、少しだけ成長し...

吉田修一と言えば「横道世之介」のイメージが強く、そろそろ読んでみるかと思って、手に取った。 なんてことはない、すごく一般的な大学生の生活が1年間まとめられているという具合であった。地方から東京の大学に進学し、都会という環境の中、親元を離れて暮らす大学生が、1年後、少しだけ成長している。それを側から傍観しているような感覚である。途中、 主人公・横道世之介と関わった友人たちが、当時の世之介をふと思い出すという設定となっており、そこから今はもう世之介はいないということがわかる。 まあ、世之介がとってかっこよく、頭が良く、なんてこともなく、普通のよくいる学生の設定で、授業もさぼりがちで、友達も適当にいて、特段仲の良かった友人以外にはあまりインパクトはないような設定であるから、「ある、ある」感覚で読めたのだろう。 そんな世間一般的な大学生の生活を垣間見て、作者は『あぁ、同じだ』とか『懐かしいなぁ』とか、『こんな人いたなぁ』と思うのかをどのように感じるかは読者に委ねているようである。 私の場合は、「ある、ある」感覚で心にすんなりと入ってきた。 1カ月毎に大学生活に慣れていく世之介。1年があっという間に過ぎていく。舞台は東京。地方から出てきて、一人暮らしを始めた世之介にとって、大学生活で得る経験は豊かなものだ。友人たち、サンバサークル、ホテルのアルバイト、初めての彼女、運転免許の取得、同性愛者との遭遇(これは普通でないかも)などなど。日々を駆け抜け、成長していく様を自分の大学時代と重ねてしまう。 まだ、18から20そこそこの子供から大人の世界に足を踏み入れようとする人間が、未来に希望を持って邁進していく姿を想像する。が、これは私の空想だけで、主人公やその友人たちが取り立てて何かを目標に突き進んでいる姿が描かれているわけでもない。 ただ、自分の若かりし頃と重ねて、結局、若い時の自分も時間に流され、大人から言われることに時に反発し、時に従い、世之介と同じような感覚で毎日を過ごしていたことを懐かしく思う。 もちろん、『もっとこうしていればよかった』、『あの時、なぜこうしなかってのか?』という後悔も数多く、それすら懐かしく思う。 子供ができて、中退した倉持と阿久津唯。同じ研究室になった同級生同士が子供ができて退学したことを思い出した。近くに住んでいたので、同級生と彼らの新居に行った。ちゃんと家庭を築いていたことに感心した記憶がある。 世之介と付き合っていた祥子。世間離れしていた祥子が20年後、UNHCR(国際連合難民高等弁務官事務所)で働いている。大学時代のバイト先の友達が、国連で働いている。友達は、男性であるが、そんなふうには見えなくて、衝撃的だったことを覚えている。 だから、世之介を取り巻く人間関係も特にびっくりするような環境でもない。 1年間なんて、人生の本当に短い期間である。でも、人はこの1年を通して、経験し、成長していくのだなぁと、この本を読んで振り返ることができる。本書の中でも「この一年で成長したか?と問われれば『いえ、それほどでも…』と肩を竦めるだろうが」とあるように、この1年での成長は、小さくても、15年後、20年後に人は確かに成長していると感じるのだ。 その時に出会った人たちは、将来、その人生の中で忘れ去る存在になるかもしれないが、それでもその時に何らかの影響を与え、人生の成長の糧になるのだろう。 そんなことを改めて感じる作品であった。 「世之介と出会った人生と出会わなかった人生で何かが変わるだろうかと、ふと思う。たぶん何も変わらない。ただ青春時代に世之介と出会わなかった人がこの世の中には大勢いるのかと思うと、なぜかとても得をした気持ちになってくる(本文より)」誰かにこんな風に思われたいものだ。 映画では次回NHK大河ドラマで主役の高良健吾が演じたようで、いつか映画を見てみよう…

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2020/10/16

マイペースで等身大、なんとなく周囲を明るくする大学生、横道世之介の青春。良いと思うが、自分にはそんなに合わなかった。途中で終了。

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2020/10/08

色々な方のレビューを読んで、市民図書館に単行本があったので借りてみた。 あ~懐かしきバブル期。 おそらく私と世之介は、ほぼ同学年。 私自身は地味な学生だったので、世之介のようにバイトなどでバブルを実感したことはなかったが、通学経路にボディコンやジュリ扇を売っている店があったのを...

色々な方のレビューを読んで、市民図書館に単行本があったので借りてみた。 あ~懐かしきバブル期。 おそらく私と世之介は、ほぼ同学年。 私自身は地味な学生だったので、世之介のようにバイトなどでバブルを実感したことはなかったが、通学経路にボディコンやジュリ扇を売っている店があったのを覚えている。 浮かれた世の中の流れに上手く乗っかりながらも、自分を変えずマイペースで「いい感じ」なままのところが世之介の魅力。 そんな世之介が、どこに接点が?というようなお嬢様の祥子と付き合うようになるのだが、彼女もまた天然な強引さが面白い。夏休みに世之介の実家である長崎の港町へ押しかけ、そこで出くわしたの事件が祥子を大きく変えることとなる。 後年40代になった祥子が、学生時代の友人で娘を持つ睦美に対して抱く思いが綴られた箇所にぐっと来た。 ↓ 大切に育てるということは「大切なもの」を与えてやるのではなく、その「大切なもの」を失った時にどうやってそれを乗り越えるか、その強さを教えてやることなのではないかと思う。p364祥子の言葉 母親として、自分がまだ学べていない…。 子どもの友人に、世之介に似た子がいるのだが、その「いい感じ」変わらないでほしいなぁ…と思う。 2020.9.5

Posted byブクログ