横道世之介 の商品レビュー
再読.吉田修一の中で一番好きかも.読んでいる間も,読後感も幸せになれる.今回はこの言葉が印象に残った. “大切に育てるということは「大切なもの」を与えるのではなく,その「大切なもの」を失った時にどうやってそれを乗り越えるか,その強さを教えてやるこのなのではないかと思う.” 高...
再読.吉田修一の中で一番好きかも.読んでいる間も,読後感も幸せになれる.今回はこの言葉が印象に残った. “大切に育てるということは「大切なもの」を与えるのではなく,その「大切なもの」を失った時にどうやってそれを乗り越えるか,その強さを教えてやるこのなのではないかと思う.” 高良健吾が主演で近々映画化される予定.どうかな~ちょっとイメージ違うかな・・・
Posted by
「横道世之介」 これは、1人の大学生が紡ぐ暖かいストーリー。 田舎から東京に出る時は誰しも世之介の様な気持ちになるだろう。一年経ったくらいでどこまで成長したかははっきり言えない世之介だけど、彼は確実に多くの人々の記憶に残った。 横道世之介。井原西鶴の好色一代男の主人公から...
「横道世之介」 これは、1人の大学生が紡ぐ暖かいストーリー。 田舎から東京に出る時は誰しも世之介の様な気持ちになるだろう。一年経ったくらいでどこまで成長したかははっきり言えない世之介だけど、彼は確実に多くの人々の記憶に残った。 横道世之介。井原西鶴の好色一代男の主人公から取った名前である。男の理想の生き方を追求した男のように?ということから名付けられたのか。世之介はそれなりに好色を追求し、それなりにバイトをし、そしてそれなりに学生生活を楽しんだ。彼は、男として理想の生き方をしてきたのだろうか。 私は違うと思う。世之介は、男としてではなく、人として、理想の生き方ではなく、魅力的な生き方をしたのではないか。私はそう思います。 私達人間は、人と人との関わりを持たずに生きていくことはほぼ不可能。人と人が関わりを持つとき、あなたは几帳面な人だとか、君は真面目だとか、色んな印象を与える。印象度が強いほどその人のことが心や頭に残る。嫌なものであっても良いもの出会っても、です。 世之介は、間違いなく出会った人達に良い印象を与えていた青年です。気弱で奥手、純粋で、自分には取り柄がないと思っている田舎育ちの素敵な男。それが横道世之介なんですね。 世之介と会わなくなった人達の心には、世之介がいる。いつもいる訳じゃないけど、ふとふらっと出てくる世之介の記憶。そこには、いつもの世之介がいるんです。 しかし、ふわっとした読了感を残すような物語かと思いきやそうは終わらない。そこが悲しい。世之介らしいっちゃらしいけど、個人的にはハッピーで終わって欲しかった気持ちがかなり残ってしまった。 世之介は、大学卒業後、一体どんな生き方をしていたのだろうか。凄く気になるのだ、世之介が観た世界が一体どんなものだったのか。
Posted by
横道世之介という田舎から東京に出てきた少年の最初の1年と、それを振り返る人たちのお話。 平凡な少年だけど、なんでも「大丈夫、できる」と思える少年。 日常を描いた小説はたくさんあるし、その中では、そこまで印象に残る部分が少なかったかな。前評判が良すぎて少し期待しすぎたかも?笑 ...
横道世之介という田舎から東京に出てきた少年の最初の1年と、それを振り返る人たちのお話。 平凡な少年だけど、なんでも「大丈夫、できる」と思える少年。 日常を描いた小説はたくさんあるし、その中では、そこまで印象に残る部分が少なかったかな。前評判が良すぎて少し期待しすぎたかも?笑 映画の方が良いのかなー。
Posted by
「悪人」や「怒り」といったひとの重い暗い部分を描いていた吉田修一が描いた心暖まる名作。しかし吉田修一は様々な人生(特に底辺層)を描くことが秀逸。 映画も明日観てみよう❗
Posted by
吉田修一氏の本かと思いながらもチョイチョイ色々なところで紹介されているのを見て気になっていた、ついに読んでみる。 九州から出てきた大学新年生が恋愛、サークル活動、バイトで出会った人々との交流を描く。吉田修一氏の描く話はどこに向かっているのだろう感があるが、本作はほのぼの良かった...
吉田修一氏の本かと思いながらもチョイチョイ色々なところで紹介されているのを見て気になっていた、ついに読んでみる。 九州から出てきた大学新年生が恋愛、サークル活動、バイトで出会った人々との交流を描く。吉田修一氏の描く話はどこに向かっているのだろう感があるが、本作はほのぼの良かったな。世之介に出会った人の数年後が描かれ世之介を思う(あるいは思い出さない)描写が一層世之介の人の良さをしのばせる。 回りにもいるよな、普通のことをしているだけなのに柔らかい空気を出せる人がと、2、3人の知人の顔が思い浮かぶ。 2001年 新大久保駅乗客転落事故につながる話だったとは。私の記憶にも残っています。ニュースを聞いたとき、無念と敬意。故人を想う。確かに他の人にも読んで欲しい一冊。
Posted by
映画の方を先に見て、意外におもしろいな、と思い原作を読んだ。人生のどこかで出会った、忘れられない「ちょっと変な奴」のお話だろう。 ただ、ニュースを読むラジオDJが「十七時二十三分ごろ」という、報道の常識からするとありえない言い方(表記)をしていたり(しかも毎日新聞から出てるの...
映画の方を先に見て、意外におもしろいな、と思い原作を読んだ。人生のどこかで出会った、忘れられない「ちょっと変な奴」のお話だろう。 ただ、ニュースを読むラジオDJが「十七時二十三分ごろ」という、報道の常識からするとありえない言い方(表記)をしていたり(しかも毎日新聞から出てるのに!)、後半の国連職員同士の会話がひどく陳腐で、おそらくは英語でやり取りされていると仮定されるのだから、ちょっと翻訳調にしてみるとかできなかったんだろうか。吉田は英語全然わからないのかな。ここは全然駄目だ。
Posted by
1988〜1991年ごろの東京が舞台の小説。長崎県大村市出身の主人公が上京し大学に入学し、ホテルの宴会ウェイターとしてバイトしながら東京に慣れていく1年間の物語、と思いきや、主人公以外の登場人物の2010年ごろの日常も挿入されていく。 序盤はとりとめないが、後半に乾いた盛り上が...
1988〜1991年ごろの東京が舞台の小説。長崎県大村市出身の主人公が上京し大学に入学し、ホテルの宴会ウェイターとしてバイトしながら東京に慣れていく1年間の物語、と思いきや、主人公以外の登場人物の2010年ごろの日常も挿入されていく。 序盤はとりとめないが、後半に乾いた盛り上がりをする。 職場の机においておき、ひとりランチのあとのコーヒータイムにのみ読んでいたら読了に1年かかった。 読んでいる最中に、意図せず長崎旅行したのも奇縁かと。
Posted by
よかったわぁ。いつもの吉田修一ではありませんでした。 世之介の関わった人たちがみんないい人で。 でもそんな感じかな、みんな誰かと重なって離れて、そんなことの積み重ねで人生出来てる。 「YES」と言ってしまう人。って素敵だね。
Posted by
どこにでもいる大学一年生の何でもない日常。 同世代のため、感情移入してしまい、切なくなってしまった。読み終わった後でも不思議な感じです。
Posted by
決して何の特徴がある人物ではないが、なんとなく世之介がもつ雰囲気はほのぼのさせるものがある。常にPositiveというのとは異なるNaturalな生き方というのかな?
Posted by