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文庫版 邪魅の雫 の商品レビュー

3.8

113件のお客様レビュー

  1. 5つ

    28

  2. 4つ

    35

  3. 3つ

    41

  4. 2つ

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2021/05/14

あとがきが西尾維新だった! 個人的にシリーズ最高かもくらい面白かった! これで京極堂シリーズ読破してしまったので京極ロスだ... #読了 #京極夏彦

Posted byブクログ

2021/02/09

すごい。ある殺人事件の容疑者と思しき人物が殺される。その容疑者を殺したと思しき容疑者がまた殺される...と次々と数珠つなぎに殺されていく人達、これは連続殺人事件なのか? 被害者、容疑者共に共通点が見つからない中唯一共通したのは死因。人を蠱惑してしまう邪魅の雫...。同じ人物が二人...

すごい。ある殺人事件の容疑者と思しき人物が殺される。その容疑者を殺したと思しき容疑者がまた殺される...と次々と数珠つなぎに殺されていく人達、これは連続殺人事件なのか? 被害者、容疑者共に共通点が見つからない中唯一共通したのは死因。人を蠱惑してしまう邪魅の雫...。同じ人物が二人いる? その人物は存在しない!? 相関図が入り乱れてて一読しただけでは完璧には把握できぬ。よくこんなもの書けるよ。すごいわ。今回破天荒な探偵榎木津はやや沈みがち。透視に近い能力を持つ榎木津には何が見えていたのか? このシリーズ、その時のテーマによって語彙も慎重に選ばれてて作品としての統一感が出てて良い。量もすごいけど...読むのに軽く1週間くらいかかるのよね。関係者も大量に出てくるのでのんびり読むと誰が誰だったかわからんくなるんよね笑

Posted byブクログ

2021/01/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

高校以来の再読。 鵼の碑出るまでに姑獲鳥からシリーズ全部再読するぞー!と思ってたのですが、間に合いました(笑) 絡新婦とか塗り仏とか一気読みした記憶があるのに、なんだか今作はとにかく進まず!! 眠くなる!! 主要人物以外のシーンが恐らく苦手なんだなぁ(笑)それから、登場人物が多すぎると整理しきれなくなる…。 事件自体はややこしいけど、ラストの京極堂の解説は他作品より簡潔でわかりやすい?蘊蓄も少なめ?と思う。 益田と関口の道中もなかなか面白かった。『ナキヤマ』益田は今までのおちゃらけた感じから、実は根の闇もあったりして。「こういう人、いるいる」と親近感が深まった。益田も、神崎同様目指す『自分の理想』があるのだろう。でもそれはつまり、自分はそうではない、ということ。 傍から見ればわからないけれど、 榎木津には全てまさしく『お見通し』になってしまうのだ。だから直視はできない。 でもそれは、ある意味『自分が嫌な自分』を受け止めてくれるのならそれほど心強いことはないだろうなと。本当は、ネガティブな自分も、後ろめたい過去も、歪んだ愛情も見られた上で受け入れて欲しかったのかもしれない。 益田と神崎は似ていると思った。 榎木津好きとしては、彼を中心とした事件が嬉しくありつつ、結果心情を考えると本当にやり切れないなぁと辛くなった。スピンオフのバカ騒ぎくらいがちょうどいい。 また謎も残る。榎木津はなぜ復員後神崎に会わなかったのか?好きではあったのか? 何も持っていなかった(余計な厭なものを見なくて済んだ)神崎が、復員後には厭なもの(祖父の取り巻きやら感情やら)と関わってしまっていたから? もしかして既にその部分を説明するような話や描写があったかもしれないのでちょっと探してみよう。 戦争がなければ、徴兵されなければ、もしかしてこの2人の運命も変わっていたのかもと思うとなんとも言えない。 なんにしろ、『しずく』となってしまった榎木津のやるせなさが、中禅寺や関口がいてくれたことで少しでも解消されたのならいい。 あと、全く関係ないが黙秘しようとする榎さんに食い下がり、一瞬あの榎さんを躊躇わせた関くんのシーン。 それと、辛い言葉を言わせたくない、と榎さんのために自分から出張ってきた中禅寺。 たまりませんね!!!笑 これが!エモいってやつか!! さーーーーて! 鵼の碑出るまでスピンオフやらなんやら読むぞーーー

Posted byブクログ

2020/09/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

西田さんちで亡くなったのは宇津木さんじゃないかと話してるシーンで原田さん一人だけ感情的になってみたりして場をコントロールしてたからこの人黒幕かなーと思ってた 最後に全部の印象がガラッと反転するのがびっくり なんか最後青春のきらめきみたいなかんじで締められてしまったし そんなことないか 今まで読んできた登場人物の中で一番訳が分からないのに自分との共通点もあるのが大鷹さんでヤバイ ポジティブなところは違うけど

Posted byブクログ

2019/11/02

再読。旧帝国陸軍が開発した毒薬を巡る話。殺す手段があれば、人は殺すのか。微妙に整合性合わない話がラストで氷解してすっきり。あと関口くんが本編元気になってて嬉しい。これでシリーズ本編は読み終みおわり。『鵺の碑』はよ出して。

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2019/09/09

 関係の無い事件が、あたかも関係のあるように繋がっている。その繋がりが、無機質な物による、物が起こす犯罪なのだ。  前作の陰摩羅鬼が探偵小説なら、今作は刑事小説といったところだ。今までパッとしなかった青木や山下が活躍しているのは面白い。だが、そこまでが長くて面白味にも欠ける。これ...

 関係の無い事件が、あたかも関係のあるように繋がっている。その繋がりが、無機質な物による、物が起こす犯罪なのだ。  前作の陰摩羅鬼が探偵小説なら、今作は刑事小説といったところだ。今までパッとしなかった青木や山下が活躍しているのは面白い。だが、そこまでが長くて面白味にも欠ける。これといった盛り上がりもなくて、ややこしく薄い登場人物の繋がりが分かっていくだけの展開だ。非常に地味。登場人物もわざと薄くしているからか名前が覚えにくい。名前が覚えやすいのは一人称になる江藤や大鷹などだろう。大鷹は考えがズレていて一番怖く感じた。  世間話だから、外の世界から本を見る、関係のない読者はキャラクターのことを他人のように見てしまう。毒が起こす繋がりの事件なので、人に感情移入などは最初からさせるつもりがないのだ。  全てが希薄なことによる人が起こす事件ではなく、物が繋げる事件という企みは面白いが、物語としては面白くなってない。謎を追いかけるという作品でなかったのなら、揺蕩うように物語を見れたのだろうが、繋がりを追いかけて真相を知りたいという気持ちが逸ると、展開の遅さだけが気になる。  731部隊が作った特殊な毒薬という設定は好き。今度は京極堂のいた部隊をもっと絡めて欲しい。  邪魅に対しての、いつもの京極堂の説明が無かったが、邪魅は水木しげるによると、他人から恨みを買った人にだけとりつくとされる。大きな恨みや、微かな恨みが、雫によって引き起こされてしまった。事件は突発的なものという京極堂の話を表している。

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2018/12/31
  • ネタバレ

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どんな人間にも、背後にはその人の人生、物語があり、同じものを見ても、受け取り方は異なる。自分の友人や家族であっても、物語は異なり、その人と接する中で見えているのは物語の表層、ごく一部なのかもしれない。全てを見ようとするなら、関口の言うように、「重い」もので、瑣末な砂粒には抱えきれないものなのかもしれない。 また、何をやっても上手くいかず、愚か者扱いされながらも、懸命に社会を理解しようとし、殺された大鷹に感情移入をしてしまった。

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2018/11/10
  • ネタバレ

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百鬼夜行シリーズの現時点での最新刊なのだけれど、初版は2009年、もう十年も経ってしまった。前作の陰摩羅鬼の瑕、前々作の塗仏の宴に比べるとすっきり読ませてくれる巻だった。 今回の舞台は神奈川の鎌倉にほど近い大磯、平塚、転じて千葉寄りの江戸川。各地で次々と起こる「毒殺」の事件。 読み解くにあたって相関図をメモしながら読んでみる。八作目にしてやっと行った手法だ。初めからやってればもっとわかりやすかったのになあ、と思いつつ、もう脳の処理が追い付かないのだから仕方がない。 犯行や状況が同じパターンを繰り返され、点々とした現場に共有する「毒薬」という凶器だけが渡り歩いている、という構造は解読していく中で興味深い共通項として浮かび上がる。 セカイ系を皮肉ったもの、という声もあるようだが、それを聞くとなんとなく納得できる犯人たちが認識している世界。それでいて、そっと”隙間”に入り込む「毒」という闇が関わる人々を邪なものにと転じていく。 今回は「邪魅」について京極堂さんの解説がなかったのが少し残念なところ。その分、世間や社会を別物として認識する世界についてページが割かれていたのだが、その解釈がとても面白かった。詳しくは本書を読んでいただきたいところだが、各々の相が折り重なっているのが世間、というのは、なるほどな、と膝を打つ。 一作目である姑獲鳥の夏から何度となく提示されているように各々の認識により世界は形作られている、というのは伊藤計劃の虐殺器官にも「地獄は頭の中にある」という台詞にも通じるところがある。だからこそ不思議なことなど何もない、という京極堂の言葉に集約されるのだろう。 それでいて今回の犯人の”あっけなさ”が目立つように思うのは、やはり前述した「世界」への言及が大きかったせいだろうか。今シリーズにおいて大きな存在感を放つ榎木津礼二郎の過去に触れる部分だからこそある程度ぼかされたのかもしれない、と邪推する。 次作は鵺の碑というタイトルだけ決まっているようだが、鵺といえば妖怪好きの中でも非常に人気がある存在のように思えるので、ぜひとも京極堂の講釈を楽しみにしつつ、

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2018/05/29

待ちに待った榎木津の事件。 榎木津の縁談がことごとく破談になるという、わくわくする内容。榎木津の恋愛話も興味深い。 榎木津が単独行動しており、どこまで視えているのか、読者としてはずっと気になるところ。 ”雫”と呼ばれる毒薬の存在もおもしろい。影にはあいつの存在が。帝銀...

待ちに待った榎木津の事件。 榎木津の縁談がことごとく破談になるという、わくわくする内容。榎木津の恋愛話も興味深い。 榎木津が単独行動しており、どこまで視えているのか、読者としてはずっと気になるところ。 ”雫”と呼ばれる毒薬の存在もおもしろい。影にはあいつの存在が。帝銀事件との関係もおもしろい。 準レギュラーの登場も多いし、前作で我慢した分、内容が濃くなっていると思う。でも、京極堂の出番が少ない。そもそも登場させないつもりだったらしい。。 意思が欠落した人、雫による自発的な殺人。”魔がさす”という言葉がぴったりだ。

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2017/05/22

前作に引き続き、むだに分厚い。分厚くするための余計なモノローグを流し読みにするとずいぶん早く読み終わるので、きっとそれが『絡新婦』以降の本シリーズとの付き合い方なのだろうと思う。 事件についても、どうにか複雑にしようという思惑が露骨に見てとれて、いよいよネタ切れを感じさせる。 す...

前作に引き続き、むだに分厚い。分厚くするための余計なモノローグを流し読みにするとずいぶん早く読み終わるので、きっとそれが『絡新婦』以降の本シリーズとの付き合い方なのだろうと思う。 事件についても、どうにか複雑にしようという思惑が露骨に見てとれて、いよいよネタ切れを感じさせる。 すっかり沈黙してしまった『鵺の碑』だけれども、どうかこの停滞を打ち破ってくれるような作品であってほしいと願う。

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