文庫版 邪魅の雫 の商品レビュー
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おんもしろかった!!! どうしようもないなぁと思う人が多く出てきたけど、全員悪人ではなくて(澤井は除く)、それなのに認知が歪むと邪悪な方に倒れてしまう脆さ...... 今回は雫に引き込まれたから皆殺人を犯してしまうけど、パンピーの私も些細な邪悪さに落ちてしまいそう、浮気とかさ...... 関口の鞄の例えがめちゃめちゃめちゃめちゃわかる!!!ってなった。人への愛重め。でもそんな自分も嫌。一回好きになったら諦められないの、厄介やでぇ。ほいで益田くんは榎木津のことが大好きでほころんだ。 京極堂の憑き物落とし、今回は整理してあげる係で気楽そうやったね。榎木津のために出てきた感が良かった。元恋人の神崎さんって分かった時、うわあっ!と声をあげてしまった。 嘘をついて、人を操ることもも悪いことなんだけど、なんていうか、好きな人を渡したくないっていう気持ちは結構純粋な気持ちだと思ってて......(わたしが失恋直後なのもあって) 戦争を挟んでもなくならなかった感情って素敵やん。挟んだからなのかもしれないけど。 榎木津さんもさ、それなりにずっと好きだったろうから、最後は本当に切なくて、榎木津さんっぽくて良かったな。 名前の挿げ替えが激しくて読んでる間混乱したけど、シリーズを通して、最後まで読めば大丈夫って分かってたから、そのまま突っ走れた!これがシリーズものを読む醍醐味よなぁ
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江戸川、大磯で発見された毒殺死体、人を殺めたらどうなるのか昔馴染みに問う「私」、榎木津の婚約が次々と破談する謎を追う益田。 それぞれが緩やかにつながるシリーズ九作目。 繋がりがわからずモヤモヤとして読みにくいんだけど、多分それも計算されている→ モヤモヤしながらなんとなく読み...
江戸川、大磯で発見された毒殺死体、人を殺めたらどうなるのか昔馴染みに問う「私」、榎木津の婚約が次々と破談する謎を追う益田。 それぞれが緩やかにつながるシリーズ九作目。 繋がりがわからずモヤモヤとして読みにくいんだけど、多分それも計算されている→ モヤモヤしながらなんとなく読み進めていると、ゾワゾワっとしだす。 え?ん?は?ってなって、その先にはいつもの不機嫌顔なあのお方が登場されるんですよ。 もうね、待ってました!なわけで。でも今作はそこでもじわじわ明かされていく謎。 最後まで読んだら、うわーって、うわぁぁぁってなる→ たまらん。このシリーズはとにかく物語が長いんだけど、長いからこそのカタルシスが!癖になるぅ〜(笑) そして、今作は私の大好きな榎木津の過去がチラ見え&警察側で一番好きな青木くんが活躍しているのでそれだけでも読んでいて楽しかった! さ、次は鵼だー!! (リアルタイム感想) 終わった……そういう……ことかぁ…… またもや京極御大にやられた。このシリーズは読み終わるたびに深いため息をつく。物語が、一つの大きな流れが、あるべき場所に、あるべき筺におさまるかのような、そんな感覚。 あー。榎木津ファンは確かに必読だわ。わかる。コレを読まずして榎木津ファンは次には行けぬ。たぶん。きっと。 それにしても、1300ページを超えるこんがらがった物語を綺麗にまとめるその脳内、マジでどーなってんの?すごすぎでしょ。京極御大ヤバすぎ(語彙力喪失
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オンモラキまでとはちょっと違う、 「ありふれた人たちの日常をいやらしく描く」作風と感じました。 いや、ぜんぜんありふれてるわけじゃないんだけど。 このシリーズの中ではありふれた人たちというか。 トツトツと嫌な話が語られて、 全編通してジメっと落ち着かない気分が続きます。 エ...
オンモラキまでとはちょっと違う、 「ありふれた人たちの日常をいやらしく描く」作風と感じました。 いや、ぜんぜんありふれてるわけじゃないんだけど。 このシリーズの中ではありふれた人たちというか。 トツトツと嫌な話が語られて、 全編通してジメっと落ち着かない気分が続きます。 エノさんが出てやっと爽やかに(≒コメディに)なるのかと思いきや、 そのエノさんが、無理からぬこととはいえ、少々ションボリしているという事態。 その代わりと言ってはなんですが警察関係者が全般にがんばっていて、 青木君はもちろんのこと、公安の郷嶋が場を引き締めてくれて、 山下が行くところまで行って好感度爆上がりになってました。 ところで警察といえば、刑事ドラマでよく「所轄が」「本庁が」 なんて縄張り争いで揉めるじゃないですか。 あれについて、京極先生が独自の取扱をされているのが興味深かったです。
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ページ数の多さと内容の複雑さのため、途中で挫折しかかりましたが、流石に京極作品でした。最後まで頑張って良かった。
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死と殺意と、邪念と、それらに求心力を与える一雫の毒薬。バラバラな人々の情動や行動を、小さな壜が繋ぎあげてしまった、そんな物語だった。 シリーズの準レギュラーとも言える益田、青木の2人の視点で追いかける事件群の描写と、毒薬に関わってしまう男たち(+女)の心情描写とが折り重なって進んでいく。『陰摩羅鬼の瑕』で警察官として出てきた大鷹など、酷い言われようで釈然としないもやもやもあったが、最後の憑物落としまで読むとそんなことは気にならなくなった。今回も、なかなかに悲しい。榎木津が彼女にかけた言葉が、冴え冴えと胸に刺さる。 今回はキャラクター達の「らしくない姿」が表出した一編であった。らしくない、からこそ、不思議と当人の存在感がより増すような感覚もあり。益田と行動を共にしていた関口くんに対しては、前作から引き続き印象の転換があった。 あと、いつもぶっ飛んでる榎木津の人間臭い部分が垣間見えたのが印象深い。ちらっとしか登場しなかったが、木場はやっぱり刑事として勘が鋭いんだなあ、と旦那推しの私は密かにうれしく思うのだった。
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今までと違い明確な妖怪イメージがなく,このシリーズには珍しい正統派の探偵小説の雰囲気。他者を操って殺人を犯すという構造は絡新婦と似ているがこちらは明確な殺意ではなく未必の故意に近い。世界と対等に渡り合いたいと願った人間の神のような実験が事件となる。まさに雫を一滴たらして後はどうな...
今までと違い明確な妖怪イメージがなく,このシリーズには珍しい正統派の探偵小説の雰囲気。他者を操って殺人を犯すという構造は絡新婦と似ているがこちらは明確な殺意ではなく未必の故意に近い。世界と対等に渡り合いたいと願った人間の神のような実験が事件となる。まさに雫を一滴たらして後はどうなるかを見ているだけ。 神妙な榎木津がいいキャラをしている。
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珍しいことに、妖怪蘊蓄がほとんど書かれてなかった。なので京極堂の妖怪談義に織り込まれた形での社会課題への言及もなかったような? 本作はいろんな形で「馬鹿者」が描写される。小説なのでデフォルメされてるけど、程度の差はあれ生きていれば誰もが同じ過ちを犯しているような、リアルな人間しかいない。そのせいか、珍しくも榎木津が孤独で切ないエピソードになってしまった。
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邪なことをすると━━━死ぬよ。 いつもと違った榎さんがとてもかっこよくそして哀しかったです。 途中「絡新婦」と似てるのかなぁと思ったけれど、結果は大きく違っていました。 謎の思考回路を持つ登場人物が何人も出て来て行動が読めず何度もええっ?てなりました。 百鬼の邪魅があまり蘊蓄...
邪なことをすると━━━死ぬよ。 いつもと違った榎さんがとてもかっこよくそして哀しかったです。 途中「絡新婦」と似てるのかなぁと思ったけれど、結果は大きく違っていました。 謎の思考回路を持つ登場人物が何人も出て来て行動が読めず何度もええっ?てなりました。 百鬼の邪魅があまり蘊蓄にも登場せず物足りなく感じましたが、京極堂の憑き物落としはおもしろかったです。
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全てが繋がっているようでいて、繋がっていないようにも見える。計画的な事件に見えて、それでは繋がりが良く分からないようにも見える、そのような曖昧な悪夢のような事件を京極堂が快刀乱麻の如く解決します。1300ページの長旅でしたが、今回も楽しかった。
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ついに読了! 面白いけど先に進めずの繰り返しで時間が掛かってしまった。 登場人物をクリアにするのが難しかったけど、京極堂の説明を聞くと自ずと理解できていた。 結局は哀しい恋物語…
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