ぼくのメジャースプーン の商品レビュー
************************************************ ぼくの幼なじみのふみちゃんは、 おしゃべりで頭が良くて優しくて人気者で ぼくにとっては憧れでもある素敵な女の子。 ある日学校で起きた陰惨な事件が原因で 心を閉ざしてしまったふみちゃ...
************************************************ ぼくの幼なじみのふみちゃんは、 おしゃべりで頭が良くて優しくて人気者で ぼくにとっては憧れでもある素敵な女の子。 ある日学校で起きた陰惨な事件が原因で 心を閉ざしてしまったふみちゃんの為に、 犯人と対峙することを決意したぼくは、 ぼくが持つ「ある力」を正しく使う為、 「先生」に教えを受けることになった。 ************************************************ 秋山先生とぼくとのやりとりが、 温かくて柔らかで丁寧な空気を纏っていて、 でも話す内容はとても痛切でやるせなくて、 その対比が数日後に訪れる現実を突きつけられ 残酷な事件に対するぼくの悲壮な決意を感じて、 ぼくの気持ちに真っ直ぐ寄り添いながら読んだ。 罪と罰、復讐、何が正義なのか、 何を奪えば、どう裁かれたら満足出来るのか、 立場が違えば見方も変わる、深く考えさせられ、 でも小学生相手に説く先生の説明は優しかった。 言葉の成り立ちや日本語の難しさに改めて感心し とても興味深かった、言葉って面白い。 使い方次第では救いにも凶器にもなる。 どこまでもどうしようもない人間ていうのは居て、 それとは自分の人生に関わりを持たせないように、 忘れるように、相手にしないよう努めるしかない。 先生の考えは、悔しいけれど的を得ている。 でもぼくのような力を持っていたとしたら、 やっぱり復讐してやりたいと思うだろうな。 色々な人の色々な角度からの意見が出るが、 そのどれもが納得出来るものだった。 自分がその立場になった時、どう考え思い至り、 行動するのか思い巡らせた。 最終的にぼくのどんでん返し的な結末で終わるが、 とても優しさと愛に満ちていて、 読んでいて涙が出そうになった。 どこまでも優しいぼく、と先生に、 ふみちゃんの心が救われますように。 -----------✂︎-----------✂︎-----------✂︎-------- 『条件ゲーム提示能力』の説明なんかは、 まるでHUNTER×HUNTERを読んでいるような 笑 ゴン達に念能力を教えるウイングさんが、 即座に浮かんでしまうくらいにはHUNTER脳の私 -----------✂︎-----------✂︎-----------✂︎--------
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穏やかなお話。 子供の愛と復讐。 良いお話だったし、人に勧めたい話だけど個人的に好みではなかった。 綺麗。
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秋山先生が、「僕」に対して「因果応報」のことを教える場面は本当にその通りだと思った。人の人生を壊すような人間には一生をかけて罰を与えるべき。この歳にして、迷いはありながらもそれでも自分の意思や考えを真っ直ぐに貫き通す「僕」の姿には最後まで驚かされた。どうか、どうか2人の心の傷が少...
秋山先生が、「僕」に対して「因果応報」のことを教える場面は本当にその通りだと思った。人の人生を壊すような人間には一生をかけて罰を与えるべき。この歳にして、迷いはありながらもそれでも自分の意思や考えを真っ直ぐに貫き通す「僕」の姿には最後まで驚かされた。どうか、どうか2人の心の傷が少しでも癒えていますように。
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主人公が子供ということもありあまり重い話ではないが、テーマは「復讐」。 登場人物何人かの復讐に対する意見や考え方が書かれており、正反対の考えもあるにも関わらずそのどれにも共感し納得することができた。多様な深い考えを表現できる作者に感嘆した。 読む手をたまに止めながら、自分ならど...
主人公が子供ということもありあまり重い話ではないが、テーマは「復讐」。 登場人物何人かの復讐に対する意見や考え方が書かれており、正反対の考えもあるにも関わらずそのどれにも共感し納得することができた。多様な深い考えを表現できる作者に感嘆した。 読む手をたまに止めながら、自分ならどうするか?を考えながら読んでいた。 人間の善意・悪意・愛情といった感情について考えさせられる、読者の人生を変える力を持つ一冊だと思う。
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すごく良かった。特にこの物語は辻村さんあるあるのリンク集を感じさせられる物語だった。重要人物のふみちゃんは凍りのくじらで少し登場したあのふみちゃんだったり... 小学生の男の子が言葉で相手を縛り付けることが出来る超能力を使ってあるひどい事件で心を閉ざし、喋ることの出来なくなってし...
すごく良かった。特にこの物語は辻村さんあるあるのリンク集を感じさせられる物語だった。重要人物のふみちゃんは凍りのくじらで少し登場したあのふみちゃんだったり... 小学生の男の子が言葉で相手を縛り付けることが出来る超能力を使ってあるひどい事件で心を閉ざし、喋ることの出来なくなってしまった幼なじみのふみちゃんを助ける話。ざっくり要約するとこんな感じですかね? すごくよかったです。主人公が小学生と言うこともあり、読みやすかったし、内容も最高だった。次は名前探しの放課後を読んでみたいです。
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特殊な能力を持った小学生の『ぼく』が主人公で、仲良しのふみちゃんが凄惨な事件に巻き込まれたことで精神的に不安定な状態に陥ってしまう。そのふみちゃんを救うために、能力を使って犯人に復讐をする。 復讐とは、何をもって復讐なのか。 加害者が反省すること?何をしたら反省と呼べるのか。被害...
特殊な能力を持った小学生の『ぼく』が主人公で、仲良しのふみちゃんが凄惨な事件に巻き込まれたことで精神的に不安定な状態に陥ってしまう。そのふみちゃんを救うために、能力を使って犯人に復讐をする。 復讐とは、何をもって復讐なのか。 加害者が反省すること?何をしたら反省と呼べるのか。被害者を救うためにと言うが、自分が救われたくて許されたくて復讐するのではないか。 ずしっと心に刺さる物語だった。
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読みやすくて一気に読んだ。 あまりない設定で面白かったんだけど、主人公の小学5年生の子が、ちょっとあまりにも頭が良すぎるというか理解能力高すぎて、私の頭の中で常にそれが引っかかっていたのが残念だった。
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ある日、小学校で誰もが心を痛めるようなうさぎ殺しが起こる。犯人は、動機は面白いと思ったからと笑って答える、医大生の市川雄太。 事件の後「ふみちゃん」は学校を休むようになり、口を閉ざすようになった(事件による重度のPTSD)彼女のことを大切に思う小学4年生の「僕」は不思議な力を使...
ある日、小学校で誰もが心を痛めるようなうさぎ殺しが起こる。犯人は、動機は面白いと思ったからと笑って答える、医大生の市川雄太。 事件の後「ふみちゃん」は学校を休むようになり、口を閉ざすようになった(事件による重度のPTSD)彼女のことを大切に思う小学4年生の「僕」は不思議な力を使い、犯人に罪に対する罰を与えようとする。 罰を与えることが正しいのか、 誰のために罰を与えようとしているのか、 どのような罰を与えると犯人が反省するのか、 うさぎはもう生き返らないけど罰を与えるのか…。 作中では「僕」は自分を犠牲にしてでも罰を与えるという選択をしていますが、正解がない物事に自分なりに納得できる結論や答えを出すことは難しいと改めて感じた作品でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
凄い。普段から『復讐』について、ひとりであーでもないこーでもない…って考えたりするので、秋先生との授業に夢中になった。「犯人には、どんな罰がふさわしいか。」不思議なもので、そのどれもが正しいように思えて次の瞬間にはちょっと違う気もしたり…。私の本音では、「犯人をうさぎと同じ目に遭わせる。」と言った男の子の意見が自分に一番近いかと。必死になって間違ったことをしてくれる誰かがいることを知ってほしい。ってあたりが、すごく切なくて…。少数派なんだろうとは知りながらも、共感できずにはいられなかった。
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ぼくもふみちゃんもとにかく賢くて思慮深い。 登場人物たちがそれぞれに自分の信念やしっかりした考えを持っていて魅力的だった。でもだからこそ、発せられる言葉が魔法のようにプラスに働く時とあれば呪いのようにマイナスに働く時もあると際立って表現されていた。 相手のことを思うとは?自分の信...
ぼくもふみちゃんもとにかく賢くて思慮深い。 登場人物たちがそれぞれに自分の信念やしっかりした考えを持っていて魅力的だった。でもだからこそ、発せられる言葉が魔法のようにプラスに働く時とあれば呪いのようにマイナスに働く時もあると際立って表現されていた。 相手のことを思うとは?自分の信念とは?を考えたくなった時にまた読もうかな。
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