ぼくのメジャースプーン の商品レビュー
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僕のメジャースプーンとは主人公がある力を持っています。学校であった事件、校庭で飼っていたうさぎがバラバラにされる事件があって主人公の幼なじみ、ふみちゃんは、その事件のショックのせいでしゃべれなくなってしまった。 そして、主人公がうさぎをバラバラにした犯人市川雄太に会いに行く。犯人、市川雄太はどんな罰を与えようかと、とある先生と一緒に考える。ついに市川雄太と会う日。と思ったら主人公は先生と一緒に考えた罰をしないで、自分で考えたある条件の罰を市川雄太にやれ。と言ったのだ。つまり先生を裏切った。その後主人公はどうなってしまうのか?それを考えただけでワクワクする。とても面白い本です。!!辻村深月さん素敵な作品を作ってくれてありがとうございます!!
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名前の明かされない″ぼく″がふみちゃんを救いたいお話。子供(いや、大人もかな?)が思う″復讐″とはなんなのか思わずにはいられないですね。章のタイトルが逸脱で、章の中身もタイトル通りになっていて面白い。 動物の命と人間の命、考えさせられますね。 先生との対話は自分自身に置き換えてみ...
名前の明かされない″ぼく″がふみちゃんを救いたいお話。子供(いや、大人もかな?)が思う″復讐″とはなんなのか思わずにはいられないですね。章のタイトルが逸脱で、章の中身もタイトル通りになっていて面白い。 動物の命と人間の命、考えさせられますね。 先生との対話は自分自身に置き換えてみることもできますね。丁寧な文章です。 結末はまさかの展開で、期待をどっちの意味でか裏切られていまもドキドキがとまりません。とても面白かったです。
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僕が当番を変わらなければ、発見者は僕だったのにという思いが私にはあった。 だけど、作中の僕はその思いを抱かないのかなと思ったが、最期で明かされる僕の想い。 そうだよね、やりきれないよね。 もう私は30代後半だけど、辻村さんの作品はその作中の主人公の年齢の頃はこんなだったな、こんな事考えてたなと時を戻してくれるかのよう。 次は名前探しの放課後を読みます。
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自分のしたことのせいで誰かが悲しんでいることに対して罪を償いたいと思うとき。 主人公のぼくは、それは相手のためを思ってじゃなくて、結局自分が楽になりたいからだと言う。 その考えに対して、先生は仮に自分のためであっても、そこに相手を思う気持ちが少しでもあれば、それは愛と呼べると言う...
自分のしたことのせいで誰かが悲しんでいることに対して罪を償いたいと思うとき。 主人公のぼくは、それは相手のためを思ってじゃなくて、結局自分が楽になりたいからだと言う。 その考えに対して、先生は仮に自分のためであっても、そこに相手を思う気持ちが少しでもあれば、それは愛と呼べると言う。 そういう先生とぼくの対話を通して、考えさせられることが多かった。
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ファンタジーかと思いきや、人間の善悪の判断について、生々しく描いている。 人間は殺したらダメなのに、うさぎはいいのか? うさぎは可哀想だけど、牛や豚や鶏は可哀想じゃないのか?じゃあ虫は?? 考え出すと止まらない。 来世は何も傷つけずに生きていけるそのへんの草とかに生まれたい…
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最近読み終えました。 やはり辻村さんの文章は優しい。 主人公の少年のフィルターを通して、善悪や報復の在り方について丁寧に考える良い機会になりました。 上記の通り優しい文体なので、読んでいる最中は物語が自分に寄り添ってくれている気分に浸れます。
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やはり、辻村深月は物語の力を果てしなく信じていると感じる。説教めいた伝え方ではなく、価値観を誇示するでもなく、真摯に物事に向き合って、考えて、言葉に乗せて、ひとつひとつの物語を紡ぐ。 そうして作られた彼女の作品は、たくさんのひとを救って、気づかせて、支えて、促して、ときには立ち止...
やはり、辻村深月は物語の力を果てしなく信じていると感じる。説教めいた伝え方ではなく、価値観を誇示するでもなく、真摯に物事に向き合って、考えて、言葉に乗せて、ひとつひとつの物語を紡ぐ。 そうして作られた彼女の作品は、たくさんのひとを救って、気づかせて、支えて、促して、ときには立ち止まらせる。 本作も、テーマとしてはよくあるかもしれないが、切り口や人物設計によるおもしろさで、ページをめくる手が止まらなかった。 辻村深月と同時代に生まれたことを幸運に思う。
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「どうしようもない悪というものは、いつまでも悪のままです。あきらめて、割り切ることができないなら、罰を与えたいなんて思うべきではありません」 ずっとどうするのか、自分ならどうするか、考えながら読んだ。とても哲学的。 でもやっぱり辻村深月さん。本当に胸が痛むほど優しい。 涙がぽろ...
「どうしようもない悪というものは、いつまでも悪のままです。あきらめて、割り切ることができないなら、罰を与えたいなんて思うべきではありません」 ずっとどうするのか、自分ならどうするか、考えながら読んだ。とても哲学的。 でもやっぱり辻村深月さん。本当に胸が痛むほど優しい。 涙がぽろりと出ました。
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ウサギ好きには厳しい描写が多く…犯人の手足をもぐべき…と思っていたので、基本的に主人公応援スタイルで読んでました。 なのでラストの呪いには痺れましたね!! あそこまで自分の為に戦ってくれる人がいるということは冥利に尽きるのではないでしょうか。
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友人からの勧めで読んだ。辻村深月さんの本は今回が初。 ファンタジックな設定の一方で、心理描写や人物設定が実に丁寧。あまりに現実離れした設定は得意ではないが、描写の克明さがリアルなことで、人智を超えた能力に強い違和感を抱かなかった。 (主人公のぼくが、小学生にしては賢すぎるかなと...
友人からの勧めで読んだ。辻村深月さんの本は今回が初。 ファンタジックな設定の一方で、心理描写や人物設定が実に丁寧。あまりに現実離れした設定は得意ではないが、描写の克明さがリアルなことで、人智を超えた能力に強い違和感を抱かなかった。 (主人公のぼくが、小学生にしては賢すぎるかなとは思ったが、、中高生でもここまで考えられる子はいないのでは?) 先生とぼくの会話は、哲学的な要素もあって、考えさせられ、読み応えがあった。主人公は小学生なのに、大人が十分楽しめる内容だった。 終盤の市川との対面時は、ぼくの覚悟やひたむきさに思わず涙しそうになった。ここまで揺さぶられる小説はなかなかない。 普段、大人を主人公にした硬めの小説を読むことが多いので、主人公が子供であることならではの、文体のやわらかさが新鮮だった。
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