ぼくのメジャースプーン の商品レビュー
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人間が人間を裁くことには疑問を抱くけれど、もし自分の大切な人が傷つけられたら、犯人を恨み復讐したくなるだろうと思う。 主人公の優れた頭脳や覚悟は小学生に思えないほどだったけれど、未熟な考えで先生に怒られてしまうところには幼さを感じた。 先生の授業が長く、途中で飽きてしまい、最後まで読むのに時間がかかった。ところどころ理解できていないところがあるから、読み直したい。
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人を思うってどういうこと?その気持はどこから来るのか? 人のためって自分のため。そんなことをPTSDを抱えた10歳の子どもが延々と考えていたことに最後に気づき、やるせなくなった。ただ、先生が最後に主人公に相手を思う気持ちは本物だよ、と言ってあげるシーンは救いがあってよかった。ふみ...
人を思うってどういうこと?その気持はどこから来るのか? 人のためって自分のため。そんなことをPTSDを抱えた10歳の子どもが延々と考えていたことに最後に気づき、やるせなくなった。ただ、先生が最後に主人公に相手を思う気持ちは本物だよ、と言ってあげるシーンは救いがあってよかった。ふみちゃんと僕の間にある、お互いを本当に大事に思い合ってるけど、それがお互いにあまり届いてなかった様も切なくて素敵だったな。
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主人公は小学4年生の男の子ですが、本当に賢くて、でもやっぱりまだまだ子どもっぽいところがあったり。 スッと感情移入することが出来て、とても面白かったです。 「ぼく」が大好きな「ふみちゃん」を一生懸命助けようとする健気な姿に、少し恋愛小説要素も感じてキュンキュンしてしまいました。(というか今まで読んだ恋愛小説よりもときめいたかもしれない...) お話の中で一回も主人公の名前が出てこなかったのもポイントで、(あんた、貴方、お前、君、)とよばれていました主人公だけでなく、登場人物たちも、あだ名で呼ばれたと、カタカナ表記されていてフルネームは一度も出てこなかったです。 深く考えさせられるお話でした。 クライマックスは、もう号泣です!!
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登場人物がとても魅力的。 特に小学生の女の子「ふみちゃん」が優しくて賢くて、すごくかわいかった。そんなふみちゃんを守ろうとする主人公も、それを見守る大人たちもみんな優しくて、悲しい話だけど読んだ後は心が温かくなった。
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この本の一つのテーマは「正しさ」であると思う。 答えのないことに対して、ちゃんと考えて自分なりに納得する答えを出す。 それが人と違っていても良い。 自分の「正しさ」を持っているか… 【正しい道具を使って、正しい分量を量る。ああでもない、こうでもないと言いながら、さじ加減を見なが...
この本の一つのテーマは「正しさ」であると思う。 答えのないことに対して、ちゃんと考えて自分なりに納得する答えを出す。 それが人と違っていても良い。 自分の「正しさ」を持っているか… 【正しい道具を使って、正しい分量を量る。ああでもない、こうでもないと言いながら、さじ加減を見ながら、どうにかお菓子を膨らませようと必死です】 ……………………………………………………… ぼくが密かに尊敬している女の子、ふみちゃん。勉強好きで、カッコよくて、うさぎが好き。 そんな彼女の心が壊れてしまう事件が起こる。 ぼくはある特別な「力」を持っていて、犯人が深く反省するような復讐を考えるが… ・もしどうしようもない暴力に巻き込まれ、大切なものが失われたらどうするか。犯人にはどんな罰が相応しいか。 本書の中で出てきた様々な答えが面白かった。 1.犯人と友達になる。 復讐とは相手の人生に踏み込むことなので、その後彼がどう変わっていくかも含めて繋がりを持っていくべき。 2.何もしないで忘れるよう努力する。 復讐という感情に縛られること自体が、犯人に対して負けているということになる。毅然とした態度で、相手にしないというのが、唯一暴力に立ち向かう方法。 3.犯人を真正面から襲い、同じ目に遭わせる。 どうしようもなく最低な犯人に馬鹿にされたという事実は、誰かが「自分のために怒り狂い、一生懸命になり、あなたはかけがえのない存在だというとこを示す」ことでしか消せない。 よって堂々と仕返しをしにいく。それを罪に問われても構わない。 この3つ目の意見が凄くグッときた。 間違った行動だと分かっていても、大切な人の尊厳を守るために必死で怒る。 愛だと思った。 優しく囁くだけが、愛ではないんだ。 ・しかしこういう答えのない、道徳の授業みたいな話が続き、少し疲れた。 「条件ゲーム提示能力」の話も複雑になっていき、理解が難しい… これが分かる10歳は相当天才なのでは…? …………………………………………………… 「正しさ」を示すふみちゃんのエピソードで、サンタの話が良すぎて泣いてしまった。 【本当はサンタクロースなんていなくて、あの時に間違っていたのは、ぼく。 ふみちゃんもそれを知っていた。知っていたのに、ぼくの方を正しいと断言した。 先生もふみちゃんも、自分の中に何が正しいのがをきちんと用意して持っている。 ぼくにもそれができるだろうか。】 ・正しさ、とは全員同じである必要はない。 答えのない問題に挑み、自信を持ってこうするのが正しいはずだ、と言えるところまで考えた、その過程が大事なのだ。 「ぼく」の最後の決断は、私も賛成はできないけど、必死で考え、覚悟を決め、恐怖に打ち勝ちやり遂げた。その過程が尊い。 それがたとえ、「ふみちゃんの不幸の責任に耐えきれなかった自分のため」であったとしても 他人であるふみちゃんの不幸が、自分にとっても何より辛い、その気持ちこそが愛だと諭した先生の言葉に救われた。 物語が、優しく、私の目を見つめ 【あなたなら、どうしますか】と語りかけてくるようだった。 リンクの物語も読んでみたい。
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復讐しても、もう二度と失ったものは戻って来ないし、満足できる訳ではない。悔しいけれど、結局は自分の中で解決するしかないんだ、、、
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話がなかなか進まない。同じ所を行ったり来たり。ちょっと進んでは引き返し。何が正しいのか。正解は何なのか。「ぼく」は戦う。彼女のため?それとも……
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【声】の力をどのように使うことが正解なのか、私自身も深く考えさせられた。何事もさじ加減って難しいなぁって思った。
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大好きな友達があんなふうになって、罪悪感を持ってるだろうとは思ってましたが、ここまでとは。 秋山先生がいてくれて本当に良かった。 二人の会話は、テンポといい、読んでいて心地良かったです。 ぼくに秋山先生がいてくれたように、年齢に関わらず、誰にも秋山先生のような存在が必要ですね。 ...
大好きな友達があんなふうになって、罪悪感を持ってるだろうとは思ってましたが、ここまでとは。 秋山先生がいてくれて本当に良かった。 二人の会話は、テンポといい、読んでいて心地良かったです。 ぼくに秋山先生がいてくれたように、年齢に関わらず、誰にも秋山先生のような存在が必要ですね。 包容力があって温かい感じが伝わってくる。 タイトルから内容が全く想像つかなかったけれど、素敵ですね。
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思っていたよりも哲学的で、生命倫理について考えさせられる小説だった。力という非現実的な要素を通じて人間の生命と動物の生命を天秤にかけ、どちらの方が重いのか考える。蚊や蝿は潰せるのに、蝶は潰せないと感じるのは何故か。 小説の中で復讐をするという一つのテーマがあったように思うが、最後は読んでる側もそんなことどうでもよくなってしまって、ピアノの一件は力によるものではなかったこと、ふみちゃんが毎日病室にきていたこと、最後に一言声を出したことで心がいっぱいになった。 すごく温かい気持ちになって私の中でお気に入り上位に食い込む小説になった。
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