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ぼくのメジャースプーン の商品レビュー

4.1

1263件のお客様レビュー

  1. 5つ

    457

  2. 4つ

    466

  3. 3つ

    217

  4. 2つ

    24

  5. 1つ

    7

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2023/10/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

登場人物がとても魅力的。 特に小学生の女の子「ふみちゃん」が優しくて賢くて、すごくかわいかった。そんなふみちゃんを守ろうとする主人公も、それを見守る大人たちもみんな優しくて、悲しい話だけど読んだ後は心が温かくなった。

Posted byブクログ

2023/10/04

この本の一つのテーマは「正しさ」であると思う。 答えのないことに対して、ちゃんと考えて自分なりに納得する答えを出す。 それが人と違っていても良い。 自分の「正しさ」を持っているか… 【正しい道具を使って、正しい分量を量る。ああでもない、こうでもないと言いながら、さじ加減を見なが...

この本の一つのテーマは「正しさ」であると思う。 答えのないことに対して、ちゃんと考えて自分なりに納得する答えを出す。 それが人と違っていても良い。 自分の「正しさ」を持っているか… 【正しい道具を使って、正しい分量を量る。ああでもない、こうでもないと言いながら、さじ加減を見ながら、どうにかお菓子を膨らませようと必死です】 ……………………………………………………… ぼくが密かに尊敬している女の子、ふみちゃん。勉強好きで、カッコよくて、うさぎが好き。 そんな彼女の心が壊れてしまう事件が起こる。 ぼくはある特別な「力」を持っていて、犯人が深く反省するような復讐を考えるが… ・もしどうしようもない暴力に巻き込まれ、大切なものが失われたらどうするか。犯人にはどんな罰が相応しいか。 本書の中で出てきた様々な答えが面白かった。 1.犯人と友達になる。 復讐とは相手の人生に踏み込むことなので、その後彼がどう変わっていくかも含めて繋がりを持っていくべき。 2.何もしないで忘れるよう努力する。 復讐という感情に縛られること自体が、犯人に対して負けているということになる。毅然とした態度で、相手にしないというのが、唯一暴力に立ち向かう方法。 3.犯人を真正面から襲い、同じ目に遭わせる。 どうしようもなく最低な犯人に馬鹿にされたという事実は、誰かが「自分のために怒り狂い、一生懸命になり、あなたはかけがえのない存在だというとこを示す」ことでしか消せない。 よって堂々と仕返しをしにいく。それを罪に問われても構わない。 この3つ目の意見が凄くグッときた。 間違った行動だと分かっていても、大切な人の尊厳を守るために必死で怒る。 愛だと思った。 優しく囁くだけが、愛ではないんだ。 ・しかしこういう答えのない、道徳の授業みたいな話が続き、少し疲れた。 「条件ゲーム提示能力」の話も複雑になっていき、理解が難しい… これが分かる10歳は相当天才なのでは…? …………………………………………………… 「正しさ」を示すふみちゃんのエピソードで、サンタの話が良すぎて泣いてしまった。 【本当はサンタクロースなんていなくて、あの時に間違っていたのは、ぼく。 ふみちゃんもそれを知っていた。知っていたのに、ぼくの方を正しいと断言した。 先生もふみちゃんも、自分の中に何が正しいのがをきちんと用意して持っている。 ぼくにもそれができるだろうか。】 ・正しさ、とは全員同じである必要はない。 答えのない問題に挑み、自信を持ってこうするのが正しいはずだ、と言えるところまで考えた、その過程が大事なのだ。 「ぼく」の最後の決断は、私も賛成はできないけど、必死で考え、覚悟を決め、恐怖に打ち勝ちやり遂げた。その過程が尊い。 それがたとえ、「ふみちゃんの不幸の責任に耐えきれなかった自分のため」であったとしても 他人であるふみちゃんの不幸が、自分にとっても何より辛い、その気持ちこそが愛だと諭した先生の言葉に救われた。 物語が、優しく、私の目を見つめ 【あなたなら、どうしますか】と語りかけてくるようだった。 リンクの物語も読んでみたい。

Posted byブクログ

2023/09/15

復讐しても、もう二度と失ったものは戻って来ないし、満足できる訳ではない。悔しいけれど、結局は自分の中で解決するしかないんだ、、、

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2023/08/25

 話がなかなか進まない。同じ所を行ったり来たり。ちょっと進んでは引き返し。何が正しいのか。正解は何なのか。「ぼく」は戦う。彼女のため?それとも……

Posted byブクログ

2023/08/15

【声】の力をどのように使うことが正解なのか、私自身も深く考えさせられた。何事もさじ加減って難しいなぁって思った。

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2023/08/15

大好きな友達があんなふうになって、罪悪感を持ってるだろうとは思ってましたが、ここまでとは。 秋山先生がいてくれて本当に良かった。 二人の会話は、テンポといい、読んでいて心地良かったです。 ぼくに秋山先生がいてくれたように、年齢に関わらず、誰にも秋山先生のような存在が必要ですね。 ...

大好きな友達があんなふうになって、罪悪感を持ってるだろうとは思ってましたが、ここまでとは。 秋山先生がいてくれて本当に良かった。 二人の会話は、テンポといい、読んでいて心地良かったです。 ぼくに秋山先生がいてくれたように、年齢に関わらず、誰にも秋山先生のような存在が必要ですね。 包容力があって温かい感じが伝わってくる。 タイトルから内容が全く想像つかなかったけれど、素敵ですね。

Posted byブクログ

2023/08/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

思っていたよりも哲学的で、生命倫理について考えさせられる小説だった。力という非現実的な要素を通じて人間の生命と動物の生命を天秤にかけ、どちらの方が重いのか考える。蚊や蝿は潰せるのに、蝶は潰せないと感じるのは何故か。 小説の中で復讐をするという一つのテーマがあったように思うが、最後は読んでる側もそんなことどうでもよくなってしまって、ピアノの一件は力によるものではなかったこと、ふみちゃんが毎日病室にきていたこと、最後に一言声を出したことで心がいっぱいになった。 すごく温かい気持ちになって私の中でお気に入り上位に食い込む小説になった。

Posted byブクログ

2023/08/02

やっぱり辻村さん、すごいなぁ。私の拙い言葉で感想を述べるのがもったいない作品。主人公と秋山先生の道徳的会話をじっくり読んだ。ぼくは小学4年生ですか。なんて立派な小学生なのだろう。どんな大人ななるのだろう。

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2023/07/29

罰についての量刑に関する哲学。 他人に条件付きで罰を与えることが可能な小学生と先生(大学教授)の問答が大半を占める。 自分や第三者によって、愛する者が理不尽に傷つけられた場合、自分の感情の行き場をどう整理すれば良いのだろうか。 前半はあっさり、後半はじっくり考えながら読みました。...

罰についての量刑に関する哲学。 他人に条件付きで罰を与えることが可能な小学生と先生(大学教授)の問答が大半を占める。 自分や第三者によって、愛する者が理不尽に傷つけられた場合、自分の感情の行き場をどう整理すれば良いのだろうか。 前半はあっさり、後半はじっくり考えながら読みました。 「凍りのくじら」や「子どもたちは夜と遊ぶ」とのリンクによる、辻村作品ならではの心地良さ、 主人公が小学生であるが故の味がありました。 次は、「名前探しの放課後」を読んでみます。

Posted byブクログ

2023/07/19

初めて読んだ辻村深月さんの作品。 今でも大好きで読み返す。 人は自分のためにしか泣くことができないってフレーズがすごく好き。それでも自分の欲求やエゴを満たすために相手に執着して相手のために考えて行動して、あくまでも自分本位でしかこうどうしないのが人間という生き物なんだなぁと考え...

初めて読んだ辻村深月さんの作品。 今でも大好きで読み返す。 人は自分のためにしか泣くことができないってフレーズがすごく好き。それでも自分の欲求やエゴを満たすために相手に執着して相手のために考えて行動して、あくまでも自分本位でしかこうどうしないのが人間という生き物なんだなぁと考えさせられた。それを愛と表現するのだと作中でも言われていて、愛についての解釈って色々あるんだと思った。 小学生の主人公が大人の自分より愛について考えてるの見て情けなくなった。 自分も心から誰かを愛せるようにならんとなぁと思う。

Posted byブクログ