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動的平衡 の商品レビュー

4.1

227件のお客様レビュー

  1. 5つ

    71

  2. 4つ

    83

  3. 3つ

    36

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2011/01/26

傑作「生物と無生物のあいだ」の著者、生物学者の福岡伸一氏の著書。生物学的な見地から書かれているノンフィクションであるのに、彼にかかると、生きるとはどういうことか、まるで美しい物語を読んでいるような錯覚に陥るほど文章が素晴らしい。毎回のことながら生命観が変わる1冊。私たちの身体は、...

傑作「生物と無生物のあいだ」の著者、生物学者の福岡伸一氏の著書。生物学的な見地から書かれているノンフィクションであるのに、彼にかかると、生きるとはどういうことか、まるで美しい物語を読んでいるような錯覚に陥るほど文章が素晴らしい。毎回のことながら生命観が変わる1冊。私たちの身体は、分子的にいうと2ヶ月前の細胞と全てが入れ替わっている全く違う個体なのだそう・「我」とは何なのだろう。

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2011/02/06

取っ付きにくい書き方がされているが、日々の生活の中で感じる疑問を解決してくれる本。 どうして大人になると時間を短く感じるのか? 栄養補助食品は有効か? なぜ勉強しなければならないか?など 興味を持って読めるものの、表現に回りくどさを感じるため評価は☆3つ。

Posted byブクログ

2011/01/08

 『生物と無生物のあいだ』の著者による科学エッセイ集。基本線は前著とほぼ同じ事が巧すぎる(笑)文章で語られている。生命とは砂上の楼閣ならぬ砂で出来た楼閣。分子レベルで絶えずその身は流れ続け、生命とはいわばその淀みである。これが「動的平衡」というものらしい(だよね?) (続きはブロ...

 『生物と無生物のあいだ』の著者による科学エッセイ集。基本線は前著とほぼ同じ事が巧すぎる(笑)文章で語られている。生命とは砂上の楼閣ならぬ砂で出来た楼閣。分子レベルで絶えずその身は流れ続け、生命とはいわばその淀みである。これが「動的平衡」というものらしい(だよね?) (続きはブログで)http://syousanokioku.at.webry.info/200910/article_11.html

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2019/01/16

生物を構成する分子は日々入れ替わっている。 私たちは、自分は自分だ、自分の身体は自分のものだ、という風に確固たる自己の存在を信じているが、実はそれは確実ではない。人間の身体はタンパク質などの分子で構成されている。しかし、その分子はずっと止まっているわけではなく、分子は絶え間なく動...

生物を構成する分子は日々入れ替わっている。 私たちは、自分は自分だ、自分の身体は自分のものだ、という風に確固たる自己の存在を信じているが、実はそれは確実ではない。人間の身体はタンパク質などの分子で構成されている。しかし、その分子はずっと止まっているわけではなく、分子は絶え間なく動き、分解と合成を繰り返している。細胞は日々交換され、一年間の自分と今の自分は分子的に全く別物である。 つまり、人間の身体は分子の「淀み」でしかない。ほんの一瞬しか“私”は“私”たりえない。生命とはその綱渡りのような微妙なバランスの上にある。それが生命であり、その分子的に動的な平衡状態が、自己を支えている。 動的平衡とは、移ろう分子を差すのだ。 では、タンパク質の集合体である肉体になぜ「いのち」が宿るのか。 本書はそれは何なのか、それに対して私はどうふるまうべきなのか、を問いただした哲学的分子生命論である。 また、生命の背景にある時間の概念は、どのように移り変わる分子と関係しているのかを考える。 青い薔薇の不可能性を語る導入部の鮮やかさもさることながら、あまりに身近過ぎるが故に見落としがちな「身体」について、各節で様々な例を上げて“気づき”の視点をくれる。 人間とは、一本の管である。という指摘はまさに感銘であった。 口から入った食物は、胃に入ってもなお「体外」にある。つまり消化し、吸収するまでは厳密に体内に入ることにはならないと言っているのだが、その営みが無ければ、人間の身体はただ口から尻まで一本の穴が伸びている以外の何物でもないというのだ。この点でミミズと人間に何の差もない。分化している以外の違いなど原始的なモノと何も変わらないのが人間なのだ。 生命の存在性の話も非常に興味深いものがあった。前述通り、人間の身体は分子の塊だ。そしてそれは移り変わって常に「淀み」の状態となっている。では、自我はどこに宿っているのか? 行き着く当然の疑問は、精神論にも近い。 著者は自我論においてデカルトの「罪」を挙げて論じている。 哲学的な思考に、生物学的(あるいは分子的)な思考が加わると、自我の「居場所」はさらに流転する。 それ以外にも多くの記述があり、どれも面白い論である。 生物学に興味があるけどお堅い理系本はちょっと、という方が読むのには最適。 この著者の著作から入るときっと楽しめるだろう。

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2019/01/16

これまでの福岡さんの著書と比べるとワクワク感が自分には足りなかった。 自分のよく知る分野の話だったからだろうか。 ただ生命科学の話を分かりやすく、面白く書く福岡さんの文章力はいつ読んでも勉強になる。 示唆に富むのは以下 「全体は部分の総和ではない」 仕事柄、も...

これまでの福岡さんの著書と比べるとワクワク感が自分には足りなかった。 自分のよく知る分野の話だったからだろうか。 ただ生命科学の話を分かりやすく、面白く書く福岡さんの文章力はいつ読んでも勉強になる。 示唆に富むのは以下 「全体は部分の総和ではない」 仕事柄、もれなくだぶりなく(MECE)に分けるなんという作業をするが、分けることによって失われる何かがあるかもしれないというのは視点としてもっていたい。 生物にとっては当たり前のことだが、ビジネスにおいても忘れてはならないと思う。 不採算事業をカットすることによって事業全体も悪くなったなんていい例かもしれない。(通常ならよくなるはず) その原因は仲間を切られることによる社員の士気の問題かもしれないし、他の事業部との見えない交流による創造性の向上なのかもしれない。 1+1が3以上になる場合において、その1を切ることは2を切ることにつながるかもしれない。 そんなことを考えた1冊でした。

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2010/11/27

とてもおもしろかった。分子生物学の世界というか人間のしくみって奥が深すぎる。 なぜこのような面白い内容なのに、高校や中学の理科ってつまらなかったのだろう。もちろん理科の知識がある程度あるからこの本の内容が面白く感じるのだろうが、中学、せめて高校でこんなに神秘的であることをアピー...

とてもおもしろかった。分子生物学の世界というか人間のしくみって奥が深すぎる。 なぜこのような面白い内容なのに、高校や中学の理科ってつまらなかったのだろう。もちろん理科の知識がある程度あるからこの本の内容が面白く感じるのだろうが、中学、せめて高校でこんなに神秘的であることをアピールしてくれていたら、もっと楽しく臨めたのに。 理科ってあまり生活の中で実感できなくてほんと記憶するだけの科目ってイメージだったもんな。年をとって面白いと思うことがらが変わっただけなのか。 この人のほかの著書もぜひ読んでみたいと思った。

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2010/11/18

歳をとるほど1年が短く感じるのは、それまでの人生の長さに対する割合によるものではなく、新陳代謝の速度が加齢とともに遅くなり、体内時計がゆっくりになっていくから。 遺伝子組み換え食品は安定供給のために、売り手側の都合で科学的に改造されたものだけど、動物も植物も、38億年かけて改良...

歳をとるほど1年が短く感じるのは、それまでの人生の長さに対する割合によるものではなく、新陳代謝の速度が加齢とともに遅くなり、体内時計がゆっくりになっていくから。 遺伝子組み換え食品は安定供給のために、売り手側の都合で科学的に改造されたものだけど、動物も植物も、38億年かけて改良を積み重ねた生命の歴史の完成系であり、それをさらによくすることは簡単にはできない。(クローン羊は長生きしなかった) 細菌が原因の病気は抗生物質の発明により撲滅が可能になったが、ウイルス性の病気は、抗ウイルス剤が発明されても、ウイルスはさらにそれをくぐりぬける進化を遂げ、イタチごっこになっている。 「生命とは、絶え間ない流れの中にある動的なものである。」という著者。 言い換えると、生命は分子の淀みであり、可変的でありながらサスティナブル。 常に変化している自分を意識すると、人生に対する考え方にも影響しそうに思った。 そして改めて認識したのは、食べることと食べるものの大切さ。 汝とは「汝の食べた物」である。

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2010/10/17

■人間の記憶とは、農のどこかにビデオテープのようなものが古い順に並んでいるのではなく、「想起した瞬間に作り出されている何者か」なのである。p36 ■「生命とは動的な平衡状態にあるシステムである」p232 →生物と無生物のあいだ

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2010/09/24

これは…!文句なし! とにかく、最終章が素晴らしい。この章だけ書き写したいくらい。 あまりに奥が深すぎて、なんと言っていいのか分からないが、あとがきにある福岡氏の「動的平衡、これは私自身のキーワード」という言葉が、彼の著作を読んできてまさに頷ける一言であった。 先に読んだ「世...

これは…!文句なし! とにかく、最終章が素晴らしい。この章だけ書き写したいくらい。 あまりに奥が深すぎて、なんと言っていいのか分からないが、あとがきにある福岡氏の「動的平衡、これは私自身のキーワード」という言葉が、彼の著作を読んできてまさに頷ける一言であった。 先に読んだ「世界は分けてもわからない」と、後半まで重複する部分が多く、ES細胞の話や脳の錯覚の話など、あ~あの話だなと思ったものの、それでも科学に疎い私の知的好奇心をくすぐるには充分面白かった。 ミトコンドリアの章では、十数年前に読んだ瀬名秀明の「パラサイト・イヴ」を懐かしく思いだしたし、最終章で紹介されているライアル・ワトソンの著作からのアフリカ象とクジラのくだりでは、その美しさに思わず涙がこみ上げてきてしまった。 ワトソンの本、面白そう。読んでみたい。

Posted byブクログ

2010/09/21

ちょっと面白そうだったから読んでみたけど、また福岡さんでしたか。売れてますね。 知識、論理展開の正確さには一部批判もあるようだけど、話としては面白かったよ。 テーマがイマイチよくわからなかったけど、生物にまつわる話題の連載ってことならこんなもんかな。 生物学は面白い。

Posted byブクログ