動的平衡 の商品レビュー
細胞分裂のタイミングや分化プログラムなどの時間経過はすべて淡白質 の分解と合成サイクルによってコントロールされることがわかっている。 つまり、たんぱく質の新陳代謝速度が体内時計の秒針なのである。 そしてもうひとつの厳然たる事実は、私たちの新陳代謝速度が加齢とともに 確実に遅く...
細胞分裂のタイミングや分化プログラムなどの時間経過はすべて淡白質 の分解と合成サイクルによってコントロールされることがわかっている。 つまり、たんぱく質の新陳代謝速度が体内時計の秒針なのである。 そしてもうひとつの厳然たる事実は、私たちの新陳代謝速度が加齢とともに 確実に遅くなるということである。つまり体内時計は徐々にゆっくりと回ることになる。 しかし、私たちはずっと同じように生き続けいている。そして私たち の内発的感覚はきわめて主観的なものであるために、自己の体内時計は 運針が徐々に遅くなっていることに気がつかない。 たんぱく質の代謝回転が遅くなり、その結果1年の感じ方は徐々に長くなっていく にもかかわらず、実際の物理的な時間はいつでも同じスピードで過ぎていく だからこそ自分はまだ一年なんてたっているとはぜんぜん思えない 実際の時間の経過に自分の生命の回転速度がついていけてないそういうことなのである
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この本が示す、「生命とはなにか」に対する新しい答えには強く心を惹かれて止みません。大ヒットした「生物と無生物の~」も面白かったですが、こちらはもうちょっと平易で「読み物」っぽいです。科学者ってロマンチストじゃないとダメなんだな、って思った。久しぶりにamazonさんに発注しちゃっ...
この本が示す、「生命とはなにか」に対する新しい答えには強く心を惹かれて止みません。大ヒットした「生物と無生物の~」も面白かったですが、こちらはもうちょっと平易で「読み物」っぽいです。科学者ってロマンチストじゃないとダメなんだな、って思った。久しぶりにamazonさんに発注しちゃった。何度も繰り返し読みたい本です。→購入しました。
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生命とは動的な平衡状態にあるシステムである。この書き出しに惹かれて読みました。なかなか面白かったです。オススメ。
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表現に魅せられた。 今まで、タンパク質を静的なモノととらえていたが、 動的な生物へと視点を変えることができた。 また、食べモノに対しても、単なる食餌ではなく、 自分たちの体をつくる大事な要素を摂取するものだと、 あらためて思い知らされた。
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面白かった!!! 生物学者でありながら、いやだからこそブレない生命観、 というかもはや哲学? 色々なるほどそうだなと思わせられることがたくさん。 食べ物についての考え方にも同感というか感心。 人間、inとoutだけでは測れない。 私たちは動物なのだ。 (まさこさんに借り...
面白かった!!! 生物学者でありながら、いやだからこそブレない生命観、 というかもはや哲学? 色々なるほどそうだなと思わせられることがたくさん。 食べ物についての考え方にも同感というか感心。 人間、inとoutだけでは測れない。 私たちは動物なのだ。 (まさこさんに借りた)
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おもしろいと思います。科学的な見地から、内容に批判が出ていることも承知していますが、しょせん、門外漢の私にとって、多少の揺らぎはどうでもいいこと。この本から得たことは、「行く河の流れたえずして、しかも元の水にあらず」ですから。
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「生命とは何か?」という問いに対して、今日最も広く受け入れられている定義「生命とは自己複製可能なシステム」ではなく、「生命とは動的な平衡状態にあるシステムである」ことに確信した福岡氏による様々なエッセイを再編集・加筆した著作。以前、NHKの「爆笑問題のニッポンの教養」で拝見して以...
「生命とは何か?」という問いに対して、今日最も広く受け入れられている定義「生命とは自己複製可能なシステム」ではなく、「生命とは動的な平衡状態にあるシステムである」ことに確信した福岡氏による様々なエッセイを再編集・加筆した著作。以前、NHKの「爆笑問題のニッポンの教養」で拝見して以来、一度著作を読もうと思い続けてきました。期待に違わず満足の一冊です。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
動的平衡の所感 福岡伸一さんの書籍。彼の一貫して主張している生物論である。 コメントを引用しよう。 私たちは、自分は自分だ、自分の身体は自分のものだ、という風に、確固たる自己の存在を信じているけれど、それは実は、思うほど確実なものではない。私たちの身体は、タンパク質、炭水化物、脂質、核酸などの分子で構成されている。しかし、それら分子はそこにずっととどまっているのでもなければ、固定されたものでもない。分子は絶え間なく動いている。間断なく分解と合成を繰り返している。休みなく出入りしている。実体として の物質はそこにはない。一年前の私と今日の私は分子的にいうと全くの別物である。そして現在もなお入れ替わり続けている。 ここに本書の趣旨が詰まっている。 ”自転車操業”という言葉がふさわしいが、人間は過去とはまったく違う分子生命体であるというこの考えは、ある意味かなりのパラダイムシフトだった。消化酵素などの話にはあまりついていけなかったのだが、ここの考えを知ることで、普段の生活における食物のとり方などを大きく考えさせてくれた。他の書籍でも大きな気づきをくれた著者には感謝したい。 目次 「青い薔薇」――はしがきにかえて プロローグ――生命現象とは何か ボスの憂鬱 ノーベル賞より億万長者(ビリオネラ) 生命現象とは何なのか 第1章 脳にかけられた「バイアス」 クリックが最後に挑んだテーマ 記憶物質を追求したアンガー博士 記憶とは何か 情報伝達物質ペプチドの暗号 時間どろぼうの正体 人間の脳に貼りついたバイアス 「見える人」と「見えない人」 錯覚を生むメカニズム なぜ、学ぶことが必要なのか 第2章 汝(なんじ)とは「汝の食べた物」である 骨を調べれば食物がわかる 食物は情報を内包している 胃の中は「身体の外」 人間は考える管である 生命活動とはアミノ酸の並べ替え コラーゲン添加食品の空虚 「頭がよくなる」食品? チャイニーズ・レストラン・シンドローム 第3章 ダイエットの科学 ドカ食いとチビチビ食い 自然界はシグモイド・カーブ 「太ること」のメカニズム 脂肪に変換して貯蔵するプロセス インシュリンを制御せよ! 「飢餓」こそが人類七〇〇万年の歴史 過ぎたるは及ばざるが如し 第4章 その食品を食べますか? 消費者にも責任がある 安全のコストを支払う人びと 壮大な人体実験をしている バイオテクノロジー企業の強欲 遺伝子組み換え作物の大義名分 「青いバラ」の教訓 全体は部分の総和ではない 第5章 生命は時計仕掛けか? 生命の仕組みを解き明かす方法 タンパク質の設計図を書き換えよ 受精卵を「立ち止まらせる」方法はないか 「空気が読めない」細胞 ガン細胞とES細胞の共通点 ノックアウト・マウスの完成 「えびす丸1号」に何が起きたか ES細胞は、再生医学の切り札か? 第6章 ヒトと病原体の戦い うつる病気とうつらない病気 細菌学の開祖ロベルト・コッホ 種の違いとは何か カニバリズムを忌避(きひ)する理由 「濾過性病原体」の発見 自己複製能力を持つ「物質」 種を超えるウイルス 謎の病原体 異常型プリオンタンパク質は足跡? 第7章 ミトコンドリア・ミステリー 私たちの体内にいる別の生物 フォースの源泉 一五回ボツになった論文 葉緑体も別の生物だった 「取り込まれた」ことの痕跡 第8章 生命は分子の「淀み」 デカルトの「罪」 可変的でありながらサスティナブル 「動的な平衡」とは何か 多くの失敗は何を意味するか アンチ・アンチアンチ・エイジング なぜ、人は渦巻きに惹かれるか
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生命とは自己複製するシステム から 生命とは動的な平衡状態にあるシステム へ 生命科学、分子生物学の様々なトピックスを挙げ、解説し、現代の工学的な生命観に警鐘を鳴らす 動的平衡というありかたは頷けるし 解説もわかりやすい しかし、走り出してしまった人類の研究はきっと止まらな...
生命とは自己複製するシステム から 生命とは動的な平衡状態にあるシステム へ 生命科学、分子生物学の様々なトピックスを挙げ、解説し、現代の工学的な生命観に警鐘を鳴らす 動的平衡というありかたは頷けるし 解説もわかりやすい しかし、走り出してしまった人類の研究はきっと止まらない 劇的な何かが起こった時、きっとそれは終焉する気がする…
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感想はこちら → http://mdef.blog29.fc2.com/blog-entry-106.html
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