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動的平衡 の商品レビュー

4.1

227件のお客様レビュー

  1. 5つ

    71

  2. 4つ

    83

  3. 3つ

    36

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2009/10/04

なぜ老いると1年が早く感じられるかのか?  新陳代謝速度が加齢とともに確実に遅くなる。つまり、自己の体内時計がゆっくりになるから。 なぜ早く食いだと脂肪が血管中に取り込まれるのか?  膵臓で血糖値が高いと判断すると、インシュリンが放出される。これが命令をなって脂肪細胞がエネルギー...

なぜ老いると1年が早く感じられるかのか?  新陳代謝速度が加齢とともに確実に遅くなる。つまり、自己の体内時計がゆっくりになるから。 なぜ早く食いだと脂肪が血管中に取り込まれるのか?  膵臓で血糖値が高いと判断すると、インシュリンが放出される。これが命令をなって脂肪細胞がエネルギーを取り込む。

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2009/10/07

本書は雑誌連載を再構成、加筆修正して書籍化したものなので、全体として起承転結があるわけではなく、著者の他の書籍と被る内容も多いが、動的平衡という主題は貫かれており、まとまりがないわけではありません。先頭から一気に完遂させるというより、気軽に一章ごと読んでいくのが良いと思います。著...

本書は雑誌連載を再構成、加筆修正して書籍化したものなので、全体として起承転結があるわけではなく、著者の他の書籍と被る内容も多いが、動的平衡という主題は貫かれており、まとまりがないわけではありません。先頭から一気に完遂させるというより、気軽に一章ごと読んでいくのが良いと思います。著者は研究者としてはまれに見る文章の美味い人なので、科学的なことに興味があれば、著者の今までの著作や、分子生物学の知識が無くても楽しめると思います。 またこの著作で筆者を知った方は、筆者のそのほかの一連の著作、特に新書を読み進めていけばなじみのある(そして筆者が否定する)小機械の構成物である生物という考え方から、生物とはいわば状態を示しているという著者の言う動的平衡という生物感に驚き、楽しむことがより出来るのではないかと思います。 やはりこの人は読ませるな。

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2011/08/07

雑誌の連載を集めたもの。一見、変化がないように見えても生命体は常にその一部を入れ替えるダイナミックな過程にあるという、動的平衡(平衡という現象自体が動的なものであり、個人的にはどうもトートロジーっぽい印象を受ける、、、)の話題が中心だが、博学な著者だけに、話題も多く、どこから読ん...

雑誌の連載を集めたもの。一見、変化がないように見えても生命体は常にその一部を入れ替えるダイナミックな過程にあるという、動的平衡(平衡という現象自体が動的なものであり、個人的にはどうもトートロジーっぽい印象を受ける、、、)の話題が中心だが、博学な著者だけに、話題も多く、どこから読んでも興味深く読める。内容的なまとまりは、前作の新書の方が上。

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2009/10/07

「過去とは現在のことであり、懐かしいものがあるとすれば、それは過去が懐かしいのではなく、今、懐かしいという状態にあるにすぎない」 ふふん、なるほど。面白い本に出会った。学ぶことの重要性、太らない食べ方など、いろいろ示唆に富んだ内容だ。動的な平衡状態にある我々の体は、たまたま密度が...

「過去とは現在のことであり、懐かしいものがあるとすれば、それは過去が懐かしいのではなく、今、懐かしいという状態にあるにすぎない」 ふふん、なるほど。面白い本に出会った。学ぶことの重要性、太らない食べ方など、いろいろ示唆に富んだ内容だ。動的な平衡状態にある我々の体は、たまたま密度が高まった淀みにすぎないとのことですが、ちょっと空しい感じが。

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2012/02/03

私たちを規定する生物学制約から自由になるために、私たちは学ぶのだ。直感が導きやすい誤謬を見直すためにあるいは直感が把握しづらい現象へイマジネーションを届かせるためにこそ、勉強を続けるべきなのである。それが私たちを自由にするのだ。この目で見ているのはありのままの自然ではなくデフォル...

私たちを規定する生物学制約から自由になるために、私たちは学ぶのだ。直感が導きやすい誤謬を見直すためにあるいは直感が把握しづらい現象へイマジネーションを届かせるためにこそ、勉強を続けるべきなのである。それが私たちを自由にするのだ。この目で見ているのはありのままの自然ではなくデフォルメされている。視覚だけでなく本当は無関係な事柄の多くに因果関係を付与しがちである。なぜかというと、ランダムに推移する自然現象を無理にでも関係づけることが生きる上で有利だったからだ。子供のころと今とでは一年が経つのが早く感じる。それは新陳代謝が衰えてきたことに起因する。タンパク質の新陳代謝速度が体内時計の秒針のため。タンパク質の代謝回転が遅くなり、一年の感じ方は徐々に長くなってくる。にもかかわらず実際の物理的な時間はいつでも同じスピードで過ぎていく。だからこそ、自分ではまだ一年経っていないと思っているのに、すでに実際の一年が過ぎ去ってしまっている。消化とは食物を小さく砕くことがその機能の本質では決してなく、情報を解体することに本当の意味がある。タンパク質はその構成単位、つまりアミノ酸にまで分解されてから吸収される。タンパク質→消化管→アミノ酸→体内→血流→細胞→新たなタンパク質に再合成生命活動とはアミノ酸というアルファベットによる不断のアナグラム=並べ替えていってもよい。合成と分解との動的な平衡状態が「生きている」ということであり、生命とはそのバランスの上に成り立つ「効果」である。身体の中の特定のタンパク質を補うために、外部の特定のタンパク質を摂取するということは全く無意味。コラーゲンを補給しようと思ってコラーゲンを摂取しても、体内ではタンパク質はアミノ酸に分解されていまい、それが他のアミノ酸と合成するためそれがコラーゲンとなることはほとんどない。非必須アミノ酸=他のアミノ酸を作り替えることによって体内でも合成できるアミノ酸のこと。もし皮膚がコラーゲンを作り出したいときは、皮膚の細胞が血液中のアミノ酸を取り込んで必要量を合成するだけ。コラーゲンをいくらとっても体内のコラーゲンを補給することには成り得ない。神経細胞=ニューロン繰り返すことによってできるようになるのは脳内に新しい回路のパターンが形成されるから。神経の新しい回路が形成されるというのは、神経と神経が触手を伸ばし合って接点ができ、そこに繰り返し電流が流れるという刺激が強化されることによって、その接点がより確実なものになることをいう。接点のことをシナプスと呼ぶ。身体によい食べ物とは必須アミノ酸をバランスよく含んでいる食材になる。鶏卵、ホールフーズ(魚丸ごと)。

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2019/01/06

福岡伸一は、最近、コメンテーターとしてテレビにもでたりしています。 『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書、2007年) 『できそこないの男たち』(光文社新書、2008年) につづいて、3冊め。 『ソトコト』誌の連載とダイナースカード会員誌で執筆した文章を再編集・加筆...

福岡伸一は、最近、コメンテーターとしてテレビにもでたりしています。 『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書、2007年) 『できそこないの男たち』(光文社新書、2008年) につづいて、3冊め。 『ソトコト』誌の連載とダイナースカード会員誌で執筆した文章を再編集・加筆し成書化したものだそうです。 最近のネットをみると露骨な批判ブログも多数ある。 しかし、毎度の事ながらの文章力でしょうか。 読み出すと止まらなくなって一気に読み終えてしまっています。 【ポイント】 36/記憶とは、脳のどこかにビデオテープのようなものが古い順になら  んでいるのではなく、「想起した瞬間作り出されるなにものか」であ  る。  つまり、過去とは現在のことであり、懐かしいものがあるとすれば、  それは過去が懐かしいのではなく、今、懐かしいという状態にあるに  すぎない。 44/たんぱく質の新陳代謝速度が、体内時計の秒針である。   年をとると一年が早く感じるのは、実際の時間の経過に、自分の生   命の回転速度がついていっていない。 69/他の生物の身体である食物 つまり、たんぱく質をそのまま体内に入   れてしまうと、他者の情報が私達自信の情報と衝突し、干渉し合い   トラブルが引きおこるから、情報を一文字(アミノ酸)までに解体す   る。それが消化である。 72/人間は考える管である。 98/ダイエットの科学  基礎代謝の範囲内の熱量ならどれだけ食べてもすべて燃やされてエネ  ルギー源として使われるので体重とはならない。 135/「生命の仕組み」と「機械のメカニズム」を読み解く一つの鍵は時   間だろう。 137/生命現象のすべては、エネルギーと情報が織り成すその「効果」の   ほうにある。 246/「生きている」ということは、「動的な平衡」によって「エントロ   ピー増大の法則と折り合いをつけているということである。   時間の流れにいたずらに抗するのではなく、それを受け入れながら  共存する方法を採用している。

Posted byブクログ

2009/10/04

トーク会に行ったので購入。読みやすく楽しめた。読むたびに食にお金と時間を使わなくてはと思う。090228

Posted byブクログ