影との戦い の商品レビュー
ずっとずっと、その存在は気にしていたがこれまで手に取ることのなかった本。アメリカで刊行された1968年当時は、きっと現在のハリーポッターのような衝撃を読者は、覚えたのではなかろうか。 最近、小説においても児童書においても現代文学しか読んでいなかったので、数十年前に描かれたこ...
ずっとずっと、その存在は気にしていたがこれまで手に取ることのなかった本。アメリカで刊行された1968年当時は、きっと現在のハリーポッターのような衝撃を読者は、覚えたのではなかろうか。 最近、小説においても児童書においても現代文学しか読んでいなかったので、数十年前に描かれたこの本を読み始めた当初はなかなかページが進まなかった。しかし、物語に吸い寄せられるうちに少し古くなってしまったその文体にも慣れ、ドンドンと読み進めていった。 光と影の関係は、現在様々な比喩に使われる。どんなにすばらしいものにも闇はあり、ときに人間はそれに脅かされる。たとえば、現在の原発問題がそうだ。安全に使えば低コストで多量の発電ができる便利な道具だが、一度問題が起きるとなかなか収束しない。地球の脅威にもなりかねない。読んでいる最中は、「まるで、ドラゴンボールに出てくるピッコロ大魔王と神様の関係のようだな」と思ってしまった。あるいは、ある魔法使いのエピソードは「山月記」の様でもあると思った。 先述したハリーポッターシリーズも含めて、その他多くのSF物語に影響を与えたであろうこの作品。続きを読むのが楽しみである。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
図書館から借りました ファンタジー。成長物。魔法物。 強い力を持った少年、ゲドは名高い魔法使いオジオンによって魔法を習えるようになる。 オジオンの推薦で、魔法の学校にいった彼は、しつように突っかかってくる上級生に腹を立て、見返すつもりでとんでもないものを呼びよせてしまう。 そのため、ゲドは大けがを負い、成長するまでその影に怯えることになる。 描写が密で、ときとしてすっ飛ばしたいきもちになる。 地図が目眩しそう。 あんまりにも細かく名前が書き込んであるから。 真の名を重視する世界なので、仕方ないけど。 オジオンとゲドは、萌えそうです。(腐った目を向けてしまう 300ページだけれど、文字も大きい。 二時間半ぐらいで読み終わったはず。(何度か中断したからいまいちトータル不明 傲慢で、自己中だった少年が、痛い思いをして成長していく。
Posted by
魔法の修業を積む孤高の少年ゲドは、同級生の挑発にのり、恐ろしい影を呼び出してしまう。アースシーという他島海を舞台に、影からの逃避行そして追跡が始まる。影を制するには、その名を知らなければならない。その名とは…。
Posted by
「自分でまいた種は自分で刈り取る」、自分との戦い。さらりと口に出来るが、実際そういう生き方をしている人は、少ない。迷いながら、矛盾しながらも、最期には勝利を手にする。自分を、追え。
Posted by
かつて、「竜王」と「大賢人」の二つの称号を手にし、その偉業は今日まで歌い継がれている「ハイタカ」と呼ばれた魔法使いがいた。これは、その大賢人が、己の才能に目覚めた少年期から、青年期にいたる成長の過程を描いたもの。魔法使いは、心の底から信頼できる者にしか本名を明かさない。「ハイタカ...
かつて、「竜王」と「大賢人」の二つの称号を手にし、その偉業は今日まで歌い継がれている「ハイタカ」と呼ばれた魔法使いがいた。これは、その大賢人が、己の才能に目覚めた少年期から、青年期にいたる成長の過程を描いたもの。魔法使いは、心の底から信頼できる者にしか本名を明かさない。「ハイタカ」の本名は「ゲド」。思春期特有の傲慢さから、彼は、黄泉の世界から「影」を呼び出してしまう。ジャンルとしてはファンタジーものだが、文学的酩酊を伴う傑作。(高橋節子先生)
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
影との戦い。追われるものから追うものになること。向き合うこと。自分のなかの闇を見つめ、受け入れること。 ずっと追われて恐れていた。逃げても逃げても固い繋がりがあって逃げ切れないとわかっていた。でもこわかった。 向き合い受けいれ、まったき人間になりたい。すべてを引っくるめて「自分」としたい。形や名前を持たず、自在に形を変える影。それは自分の影。切り離すことはできない。 安息の地はないと思っていた。下手すれば永遠に、一生つきまとう影に怯えて暮らさなきゃいけないと思っていた。 でも、追うものになろう。他人に頼らず自分で繋がりをたどって、自分の中の闇と対面しよう。
Posted by
映画とは全然違う内容の、原作のゲド戦記。 世界の広さや奥行きを感じさせる、深い話です。 死の影を呼び出してしまい、犠牲者を出し、自分自身すら信じられなくなった若きゲドに対する、朋友・カラスノエンドウのエピソードがものすごく好きです。 2巻の、生き神として祀られている少女との話も深...
映画とは全然違う内容の、原作のゲド戦記。 世界の広さや奥行きを感じさせる、深い話です。 死の影を呼び出してしまい、犠牲者を出し、自分自身すら信じられなくなった若きゲドに対する、朋友・カラスノエンドウのエピソードがものすごく好きです。 2巻の、生き神として祀られている少女との話も深いです。シリーズ全部お勧め。
Posted by
高校生であった2006年に映画が放映されたことで初めてその存在を認知し、 翌年の大学一年生時に全巻セットを購入、読破した作品でした。 中村うさぎさんと同じ感想になりますが、もっと早い時期に読んでおきたかった作品でした。(by Smaria)
Posted by
人は愚かで傲慢で、でも美しい。 向き合うことを教えてくれる、この本の主役は貴方なんです。 でも、これを思春期に理解できちゃったら人生つまんないかもね。 (2009/4/28読了)
Posted by
ついに! 満を持しての岩波少年文庫化です! しあわせすぎる…! 訳がソフトになったような気がします。
Posted by