影との戦い の商品レビュー
名作はできたときから名作だそうです。まだ一巻しか読んでませんが。魔法の解釈が素晴らしい。影の正体も。それ以上に自然の描写や港の人々の何気ない会話にもちゃんと血肉が通っていて、ファンタジーはスパイス程度にうまく混ぜ込まれていて、隠された真実を語っているようでした。子どもの時に読みた...
名作はできたときから名作だそうです。まだ一巻しか読んでませんが。魔法の解釈が素晴らしい。影の正体も。それ以上に自然の描写や港の人々の何気ない会話にもちゃんと血肉が通っていて、ファンタジーはスパイス程度にうまく混ぜ込まれていて、隠された真実を語っているようでした。子どもの時に読みたかったかも。
Posted by
世の中のものには名がある。本当の名を知られてしまうと反撃されてしまうという、バーティミアスの面白い発想はここからだと気づきました。影と戦うところは何度も読み返しました。とても面白かったです・Soybb
Posted by
1970年のファンタジーだけあって、というか偏見ではあるけども、しかし暗い。子ども向けかと思いきや文字数も多くて心理描写も多くて悶々としていたり、こういうのが好きって人はそりゃ暗いわっていうかオタクっていうか実際にオタクって動物出てたけども。 とまぁゴムゴムの~、みたいな勢いはな...
1970年のファンタジーだけあって、というか偏見ではあるけども、しかし暗い。子ども向けかと思いきや文字数も多くて心理描写も多くて悶々としていたり、こういうのが好きって人はそりゃ暗いわっていうかオタクっていうか実際にオタクって動物出てたけども。 とまぁゴムゴムの~、みたいな勢いはないけど、いちいちウンチクというかためになるコメントが出てきたりしてそういうのが読書家にはそれなりに響くわけでそんなに悪くはなくてね。6巻までか、しばらく付き合ってみたいと思うわけですよ。
Posted by
全編を通してセリフや心情描写が少なく、淡白な文章が続くので、血沸き胸踊る冒険活劇というよりも、主人公の内面の苦悩に迫る純文学を読んでいるような感覚になる。 主人公の人物造形がけっこう好き。少年期のゲドは高慢で虚栄心に満ちていて、そのくせ臆病。私の共感性羞恥をガリガリに呼び覚ます...
全編を通してセリフや心情描写が少なく、淡白な文章が続くので、血沸き胸踊る冒険活劇というよりも、主人公の内面の苦悩に迫る純文学を読んでいるような感覚になる。 主人公の人物造形がけっこう好き。少年期のゲドは高慢で虚栄心に満ちていて、そのくせ臆病。私の共感性羞恥をガリガリに呼び覚ます。胸がざわざわしすぎて、最初はページを繰るのが遅かった。けれど決して嫌いじゃないんです、そういう主人公。『はてしない物語』のバスチァンみたいで。 後半、成長した青年ゲドは、自分の慢心と非力に打ちのめされ、無口で思慮深く少し卑屈。これまた「しっかり!」とそわそわさせられるけど、嫌いじゃないです。ウジウジ具合が程よくて思わず応援したくなる。 【以下、ネタバレあり】 「影」については、解説でユングを引いて考察されているけれど、そういう専門的な知識がなくても、自分の恐れや負の部分、直視したくない部分のことだろうなと、読んでいると想像がつくよね。己との戦いということだよね。ビジュアルとしては漫画版『ナウシカ』の皇弟を思い起こしてしまった。あれは「自分の闇の部分」ではないけど忍び寄る感じが、それっぽい。オタクの存在やテレノン宮殿も、私にはかなり『ナウシカ』を想起させる描き方なので、宮崎駿はけっこう影響を受けていたんではなかろうかと勝手に思っている。 「名前」についての考え方が東洋的な気がした。「真名」を知られると力を掌握されてしまうってなんだか陰陽師っぽいよね。 ガレー船が出てきたり、時代がすごく古いような描写がされていて、これは「キリスト教文化」の影響を受ける前の西洋、いや、そもそもそんなものが無い世界の話を描いているんだろうなと思う。非西洋を描いたら東洋に近づいてしまうというのは何やら面白いね。 この作品、読みながら既視感を覚える箇所が多かった。宮崎駿だけでなく、多くの現代ファンタジーのそこかしこに影響を与えているのかもしれない。
Posted by
ついに超大作ファンタジー小説を読み始めた。 2023年の自分の誕生日にセット買いし、今年こそはと2024年から読み始める。 ジブリ映画のゲド戦記は何度か見たが、やはり原作を読みたい気持ちになり手に取った。 訳本だが、すごい。ファンタジーで想像し辛いかと思いきや、ゲドの心象からカ...
ついに超大作ファンタジー小説を読み始めた。 2023年の自分の誕生日にセット買いし、今年こそはと2024年から読み始める。 ジブリ映画のゲド戦記は何度か見たが、やはり原作を読みたい気持ちになり手に取った。 訳本だが、すごい。ファンタジーで想像し辛いかと思いきや、ゲドの心象からカラスノエンドウとの友情、影との戦いをしっかりと表している。 魔法使いは均衡を保つために生き、目的を果たす。 ゲドは影を放出することで挫折するも、才能を活かし成長し、影を対処する。 一緒に冒険をした気分だ。
Posted by
それほど長い話ではないのに世界観が壮大で、描写が細かくない分、想像力の入る余地なら大きく楽しい。さすが読み継がれていくファンタジー。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
68歳の老人が読んだ所感 現実を忘れて、ファンタンジーの世界に感情移入するのはなかなか大変です。むずかしいのは事前に自分が作者の世界に同調する必要があることです。たとえて言えば、おもしろいであろうと期待して映画館に見に行く感じ、途中で期待外れとわかっても、お金を払ってまで見に来たからには最後まで見る覚悟をもつ、みたいな。 1.魔法使いは、日本で言えば高僧。偉人のようにあがめられる慣習がある世界。 2.魔法使いは、魔法の専門学校を卒業して地方に派遣されている。東大寺で修行した僧が国分寺に派遣されるような感じ。魔法の専門学校も東大とか早稲田とか慶応とかみたいに、いろいろ流派があるらしい。 3.情景描写が多く自分で、文字から映像を想像しなくてはいけない。それを楽しむ必要がある。これはマンガと逆ですね。 4.アースシーという世界の海図を、読みながらたどっていくのも旅行気分で楽しい。ジクソーパズルのようでもある。 5.上陸する島ごとに、「ヤマタノオロチ」のような伝説がある。(各所に東洋的な世界観がある) 6.ノコギリソウとか人の名前に違和感あり(ねじまき鳥クロニクルみたい)。覚えきれないので、相関図を作成したほうが良い。 7.時々、展開が唐突で、シーンとシーンの経過時間の説明がない。映画のシナリオを読んでると思えばいいのか? 8.風の谷のナウシカのテト、オーム。もののけ姫のおっことぬしみたいのが出てくる。(宮崎駿さんはゲド戦記を何度も読んだと言っていた、原点はこれか?) 9.100マイルは160km、100kmは62マイル 10.最初に「昔々あるところに」がないのに、最後に「だったとさ」という語り部のことばがあり、違和感を感じた。(最初に説明はあるが、「じゃ、お話をはじめようか」がないのだ。幕があがり急に役者がしゃべりだす感じ、幕が開く前に語り部が登場してほしかった) などが雑感です。 大人が読んでもタメになるかは、ちょっと疑問。68歳でタメになる人は、よほど順調で挫折のない人生だったのでは・・・。
Posted by
夏読55冊目。 #ゲド戦記 シリーズ1作目。 15歳の少年ゲドが、ロークの学院で禁じられた魔法を使い、影を呼び出してしまう。 そして影を探す旅に… まだまだ青臭く、初々しいゲド
Posted by
ずっと前に読んだ時には難しかったなぁ。児童文学と言っても、この深さ。年とってから再読して分かりました。ゲド自身の闇の部分である「影」。恐ろしいけれど逃げずに最果てまで追って追って、真の名を呼んで一体化するシーンが迫力満点! 精巧な地図がいいですね。ゲドのいる場所や旅のルートを辿れ...
ずっと前に読んだ時には難しかったなぁ。児童文学と言っても、この深さ。年とってから再読して分かりました。ゲド自身の闇の部分である「影」。恐ろしいけれど逃げずに最果てまで追って追って、真の名を呼んで一体化するシーンが迫力満点! 精巧な地図がいいですね。ゲドのいる場所や旅のルートを辿れるので、ワクワク感がアップします。
Posted by
ハリーポッターの児童書みたいなかんじ。自分の中の負の面を影という形で表すのは、より存在を強調させ、わたしたちにも認識させる。ただ、私達がより快適にと世界を変えることは悪いとこではない。
Posted by