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の商品レビュー

3.3

226件のお客様レビュー

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2013/03/21

内容を見て思わず出版年月日を調べてしまった。 心に闇を宿しながら普通の生活を作り出していく主人公。美麗な外見と内面にどす黒いものを抱えた女。主人公に執着しつづける幼馴染。過去に壊滅した郷里を同じとするこの3人と主人公の妻子を中心に、昔の因縁に翻弄されながら物語が進んでいく。

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2013/03/09

この作品がなかなか文庫化されない理由がわかったような。 図らずもこの時期に読み終えてしまった。 読み応えがあったなあ。しをんさんの作品では、こういうののほうが好きなんです。「舟を編む」や「神去なあなあ」は普通に面白いんだがちょびっと物足りないところがあって、なんでだろうなと思っ...

この作品がなかなか文庫化されない理由がわかったような。 図らずもこの時期に読み終えてしまった。 読み応えがあったなあ。しをんさんの作品では、こういうののほうが好きなんです。「舟を編む」や「神去なあなあ」は普通に面白いんだがちょびっと物足りないところがあって、なんでだろうなと思ったら、たぶんダークな要素が足りないんですね。 そういう意味では、「まほろ駅前」はお気楽要素とダークな要素がバランスよく入っている作品といえるかもしれない。 直木賞受賞時は、これが必ずしも代表作ではないよな、と思ったものだったが、あんがいそう呼んでもいいような気もしてきた。

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2013/02/08

津波に襲われた島で生き残った少年、その彼女、父と息子、釣り客、灯台守りの老人 少年は釣り客を殺害し、秘密を抱えたまま全員島を去る 少女は女優 少年は公務員として家庭を築いている 父は落ちぶれ、その息子は父から逃げ続け渡りのプレス職人 彼等が島での釣り客殺害の秘密を引きずり、互いを...

津波に襲われた島で生き残った少年、その彼女、父と息子、釣り客、灯台守りの老人 少年は釣り客を殺害し、秘密を抱えたまま全員島を去る 少女は女優 少年は公務員として家庭を築いている 父は落ちぶれ、その息子は父から逃げ続け渡りのプレス職人 彼等が島での釣り客殺害の秘密を引きずり、互いを邪魔者としていく

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2013/01/06

へえー、三浦しをんってこんな小説が書けるんだ、と感心した。お気楽でマニアックな「しをんのしおり」的描写はまるでない。新しい作風を得た、と言っていいだろう。 登場人物や背景の特殊性もミステリアスで面白い。私としてはミステリアスの際たる美花の視点に立つ章があっても面白いかもと思うが。

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2013/01/05

三浦しをんさんの作品は初めて読んだ。暗い話ではあるが引き込まれて最後まで面白かった。どの登場人物も人間臭くて、全面的にとはいかないけれど、それぞれ理解できる部分があって、切なかった。タイトルの「光」は前半にチラッと出てきたが、作者はどういう思いでこのタイトルをつけたのかと考えさせ...

三浦しをんさんの作品は初めて読んだ。暗い話ではあるが引き込まれて最後まで面白かった。どの登場人物も人間臭くて、全面的にとはいかないけれど、それぞれ理解できる部分があって、切なかった。タイトルの「光」は前半にチラッと出てきたが、作者はどういう思いでこのタイトルをつけたのかと考えさせられた。

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2012/12/18

天災ですべてを失った中学生の信之。二十年後、過去を封印して暮らす信之の前に、もう一人の生き残り・輔が…。

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2012/12/10

苦しい。 信之、輔、美花(篠浦未喜)・・・美浜島。 南海子、椿。 題名の光。 光としてあたしの心には響かない光。 辛い。 でもやめられなくて一気に読んだ。 登場人物。 好きではないけれど、嫌いにもなれず。 切ない。 しをんちゃん、すごい。 立ち直ろう。

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2012/12/01

三浦しをんさんは色々な作風で書いていて凄いなあと思う。 小さな島を津波が襲う場面から始まるこの作品、東日本大震災の津波映像を彷彿させるリアルさで津波の様子が描かれていて、複雑な気持ちになった。震災前の作品と知って、ますます。 その後のミステリー的な展開はやや無理のある感じだけど、...

三浦しをんさんは色々な作風で書いていて凄いなあと思う。 小さな島を津波が襲う場面から始まるこの作品、東日本大震災の津波映像を彷彿させるリアルさで津波の様子が描かれていて、複雑な気持ちになった。震災前の作品と知って、ますます。 その後のミステリー的な展開はやや無理のある感じだけど、一気に読ませる凄みがある。 島の生き残りたちが誰一人、幸せになれないという悲惨な展開で、暗澹とした読後感。 でも面白かった。

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2012/11/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 けっこう沈んだ…。  報われなさすぎでしょ。  信之の冷たさにもゾッとする。  人って、何を以て相手を理解したと  思うんだろう。  話した言葉の数? 過ごした時間?    きっと、誰かを完全に理解することは不可能だ。  それでも、人は相手の心の一部しか知らなくとも、  残りの知らない部分も含めて信じることができる。  そうやって、人とつながっていくのだと思う。  愛されずに育った人間は、愛し方を知らない。  当たり前だ。  もっと切ないのは、大人になって誰かから  愛されても、それがわからないことだ。  ささやかな幸せに、自ら入っていけない。  それがやりきれないなあ…  なんで「光」ってタイトルがついてるのか、  読み終えてからふと考えた。  自分にしてはめずらしいことだ。  普段はあまり気にしない。  たぶん違和感を感じたから。  どこにも光なんてなかったじゃん!  って、ちょっと憤りが…    でも、よーく考えたらあった。  ノブユキの光はミカ。ミカの幸せ。  ミカのために山中を殺し、輔を殺し、  他の人と結婚しても子供がいてもなお  ミカのためだけに生きてる。    輔にも光はあった。  ノブユキが少し、あとは、波がすべてを  さらっていってくれること。    人って、何かしらの光を見つめながら生きてる。  どんな小さな光でも、それを頼りに生きていける。  それを失えば、たとえ物理的には生きていても、  真っ暗な闇の中ではもう死んだも同然なんだ。  いやあ…胃が痛むお話だった。

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2017/11/09

三浦しをんさんの作品にしては少し異色かなと思います。 中学生の時に、大津波で故郷の島を失った信之。その天災で生き残った島民は、大人が二人に中学生の信之と輔と美花の三人でした。天災だけでなく、美花の危機に遭遇した信之は自分の人生を変えるような行動をとりました。そして、二十年後、東...

三浦しをんさんの作品にしては少し異色かなと思います。 中学生の時に、大津波で故郷の島を失った信之。その天災で生き残った島民は、大人が二人に中学生の信之と輔と美花の三人でした。天災だけでなく、美花の危機に遭遇した信之は自分の人生を変えるような行動をとりました。そして、二十年後、東京でひっそりと暮らす信之のもとへ、当時を知るもう一人の生き残り輔が現れて・・・。 自分の人生を狂わせてでも一人の女のために尽くす男。 それをいいように扱う女。 なんだかこのストーリー展開は、 東野圭吾さんの『百夜行』や『幻夜』と似ているなあと思いました。 もちろん、ストーリーの背景となる天災や家庭事情、 それにラストは違っていますが、 この手のお話はすでに先駆者がいるだけに、 どうしても比較してしまいました。 タイトルは「光」ですが、話の内容は暗いイメージです。 主人公信之の一途さがラストには、 あまりに愚かに思え、なんだか切なくなる作品でした。 個人的には、三浦さんは もっとポジティブな内容の小説の方がいいなと思います。

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