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の商品レビュー

3.3

226件のお客様レビュー

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2009/10/04

三浦しをんの新境地。 かなりの良作だった。 モダンホラーとも言うべく内容に仕上がって、まるで内容的には今までのしをん色がないのが良い。 しをんの趣味が変わったのかなぁ? と、勘繰ってしまう位今までの作品とは色が違う。 人間描写や心理描写など一つ一つが今までになく洗礼されて...

三浦しをんの新境地。 かなりの良作だった。 モダンホラーとも言うべく内容に仕上がって、まるで内容的には今までのしをん色がないのが良い。 しをんの趣味が変わったのかなぁ? と、勘繰ってしまう位今までの作品とは色が違う。 人間描写や心理描写など一つ一つが今までになく洗礼されている。 やはり、俺が期待したとおり大きな作家に育ってくれているなぁ〜、三浦しをんは (なんで、上から目線やねんwww)

Posted byブクログ

2009/10/04

素晴らしい! 凄く本の世界に引き込まれた。 読み始めてすぐ、ドロっとした感触をなんとなく感じれたけど読めば読むほど、ドロドロとした感触が強くなる。 生温かい感じはクセになる。 誠実ってなんでしょうね?人を愛するってなんでしょうね?想い続けるってなんでしょうね?信用するってなん...

素晴らしい! 凄く本の世界に引き込まれた。 読み始めてすぐ、ドロっとした感触をなんとなく感じれたけど読めば読むほど、ドロドロとした感触が強くなる。 生温かい感じはクセになる。 誠実ってなんでしょうね?人を愛するってなんでしょうね?想い続けるってなんでしょうね?信用するってなんでしょうね? どれも求められず、一方的だとただのマスターべションなんでしょうね。

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2009/10/04

重い。 前作の軽く面白い雰囲気から一変して暗く重い話です。 同じ痛みを共有することでお互いを縛ってしまう感じで。 「君はポラリス」の私たちがしたこと?と似たようなテーマです。 小さな離島で起こった悲劇を3人だけが共有する。 そのことから逃れたくても逃れられなくて、みんなでみんなの...

重い。 前作の軽く面白い雰囲気から一変して暗く重い話です。 同じ痛みを共有することでお互いを縛ってしまう感じで。 「君はポラリス」の私たちがしたこと?と似たようなテーマです。 小さな離島で起こった悲劇を3人だけが共有する。 そのことから逃れたくても逃れられなくて、みんなでみんなの足を引っ張り合う。 ただ自分を見て欲しくて、自分から離れていくのを引きとめたかっただけのように見える彼らが辿る道が何とも切ない。 唐突に始まる2章には驚かされたが、そこに詰め込まれた情報はとても多くその先にかなり影響してきたので、流石だと思った。 読後にあまり爽やかな気持ちにはなれないので、疲れている時などにはあまりおすすめしないです。

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2009/10/04

突然の災害で全てを飲み込まれた三人の子供。 何もかもを失った僕らに与えられた暴力は、一体何処に返るのか。 一体何処へ返せばいいのか。僕らはまだ知らない。 という話 。 もうなんていうか、輔が。輔が好きです。 悪人にも善人にもなれず、暴君に立ち向かうことも出来ず。 この世...

突然の災害で全てを飲み込まれた三人の子供。 何もかもを失った僕らに与えられた暴力は、一体何処に返るのか。 一体何処へ返せばいいのか。僕らはまだ知らない。 という話 。 もうなんていうか、輔が。輔が好きです。 悪人にも善人にもなれず、暴君に立ち向かうことも出来ず。 この世の全てが無くなればいい、と思いながら、 それでも自分を助けて欲しくて追いすがる。 圧倒的な力に蹂躙されることで、自分の生にしがみついている。 この本の登場人物の中で、輔が一番「人間らしい」と思った。 輔にとっての「光」は、どんなに黒くても、彼しかいないのだ。

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2009/10/04

ダークサイドの「三浦しをん」である。 途中で読むのをやめるのではと危惧して買ったのだが杞憂であった。 一気にというよりスラスラと読めてしまった。 島を襲った天災からたまたま生き延びた人たちの話である。 しかも生き残ったのは、もともと少し壊れた人間ばかりと来ている。 ...

ダークサイドの「三浦しをん」である。 途中で読むのをやめるのではと危惧して買ったのだが杞憂であった。 一気にというよりスラスラと読めてしまった。 島を襲った天災からたまたま生き延びた人たちの話である。 しかも生き残ったのは、もともと少し壊れた人間ばかりと来ている。 天災による大量の、それも小さな島でほとんどが顔見知りの死という状況を目撃し、「死」はもちろん「生」の意味も分からなくなった人間の話である。 これが一気に読めたのは主人公「信之」が感情を表さないからで、それと同調して、スラスラページをめくることができたのではないかと思う。 ミステリーに分類される作品になるであろうが、 特に巧妙なトリックやどんでん返しがあるわけではない。 しかし、人間の弱さと同時に 間違ってはいるがある意味での強さ(執念・怨念) を描いた作品であると思う。 タイトルがなぜ「光」なのか 最後の一文に「光」という単語は出てくるのであるが 私にはまだ分かっていない。 一度だけではまだ本質が見えていないような もどかしさを感じている。 機会があればもう一度読んでみようと思う。

Posted byブクログ

2022/11/20

 暗くて重ーい感じ。カタルシスがない。生はその深奥で根本的に理不尽だということを、抉り出すように描いている。  誰もが歪んで濁って少しずつ狂っている気がするけれど、一体どこがおかしいのか、どこで間違えたのか分からなくて怖い。登場人物の誰にも共感を持てなかったのは、彼らの過去の設定...

 暗くて重ーい感じ。カタルシスがない。生はその深奥で根本的に理不尽だということを、抉り出すように描いている。  誰もが歪んで濁って少しずつ狂っている気がするけれど、一体どこがおかしいのか、どこで間違えたのか分からなくて怖い。登場人物の誰にも共感を持てなかったのは、彼らの過去の設定が特殊であるからか、わたしが幼いせいか。  「求めたものに求められず、求めてもいないものに求められる。」  わからない。みんな誰かを愛そうとするくせに、どうして汚れていってしまうのか。愛がこんなにも空虚で、綺麗事にすぎないものだとしたら、悲しすぎて切なすぎて「そんなの嘘だ」と目を瞑りたくなる。  小説の最後で世界を包む光は明るい希望の光ではない。白々と射るようにひとを照らし出す、諦めにも似た、受容の光だ。

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