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子どもの貧困 の商品レビュー

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80件のお客様レビュー

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2023/02/12

刊行から15年経っていますが、多くのことを考えさせられる1冊です。一方で、15年経っても、国で行われている子ども政策の議論の内容は残念ながらあまり変わっていないように思われてなりません。 著者が最後に記しているように、「子どもの数を増やすだけではなく、幸せな子どもの数を増やすこと...

刊行から15年経っていますが、多くのことを考えさせられる1冊です。一方で、15年経っても、国で行われている子ども政策の議論の内容は残念ながらあまり変わっていないように思われてなりません。 著者が最後に記しているように、「子どもの数を増やすだけではなく、幸せな子どもの数を増やすことを目標とする政策」をぜひ議論してもらいたいと思います。 親の貧困や学歴が子どもたちに大きく影響していることをデータで示されるとやはり大きなインパクトがあります。 子どもたちのスタートライン格差を少しでも縮め、希望を持って暮らせる国になってほしいなぁと思わずにはいられません。 ※15年経っているので、現在のデータをいろいろと知りたい気持ちはとても出てきます。

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2022/06/28

貧困関係の本を15冊、阿部彩さんの他の著作も読んだことがあったのですが、まだ知らないことがありました。 投資論、良い親論、モデル論、ストレス論、学歴下降回避メカニズム、文化的再生産論、福祉依存文化論、大衆教育社会論、相対的剥奪、ディーセントジョブなどを自分の言葉で説明するとなると...

貧困関係の本を15冊、阿部彩さんの他の著作も読んだことがあったのですが、まだ知らないことがありました。 投資論、良い親論、モデル論、ストレス論、学歴下降回避メカニズム、文化的再生産論、福祉依存文化論、大衆教育社会論、相対的剥奪、ディーセントジョブなどを自分の言葉で説明するとなると、少し戸惑うという方は読んでみてもいいかもしれません。 人によっては物足りないのかも?

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2022/04/12

データが多いので理解するのに時間がかかる。 入門書としては重いかな。 データではっきり見たい人にはおすすめ。

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2021/10/04

日本でも貧困で苦しんでいる人がいることを実感させられました。 母子世帯だけでなく父子世帯でも貧困があるという事実を重く受けとめ、母親が働けるようにするだけでは貧困は解決せず、子供に直接援助がいくようにしなければならないと主張していました。 母子世帯の母親に対してのアンケートで...

日本でも貧困で苦しんでいる人がいることを実感させられました。 母子世帯だけでなく父子世帯でも貧困があるという事実を重く受けとめ、母親が働けるようにするだけでは貧困は解決せず、子供に直接援助がいくようにしなければならないと主張していました。 母子世帯の母親に対してのアンケートで書かれていた切実な思いや不安には胸が痛くなりました。 この本が出版されたのは2008年なので、当時とはまた状況は変わってきていると思います。 この本の続きが2014年に出版されているので読みたいと思います。

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2021/06/19

さまざまな調査の結果をもとに、貧困、中でも子どもの貧困に絞っておりわかりやすかった。所得の再配分が行われているはずの制度がむしろ貧困を増やしている、という数値は、いかに今の制度が子育て家庭に厳しいものかがわかる。ただ、子どもを持たない現役世代も多い中で、子どもの貧困の切実さや重要...

さまざまな調査の結果をもとに、貧困、中でも子どもの貧困に絞っておりわかりやすかった。所得の再配分が行われているはずの制度がむしろ貧困を増やしている、という数値は、いかに今の制度が子育て家庭に厳しいものかがわかる。ただ、子どもを持たない現役世代も多い中で、子どもの貧困の切実さや重要性が広まり、政策に反映されるまでは長い道のりがあるとも感じる。

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2021/06/03

 子供の貧困の原因と、日本の対応策の問題点とを、統計・調査に基づいて明らかにしている。事実の羅列的で少し退屈感もあるが、日本の子供の貧困がかなり深刻であることがよくわかる一冊。

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2020/08/31

貧困と格差は異なる。貧困撲滅を求めることは、完全平等主義を追求することではない。貧困はそのことを社会として許すべきではないと言う基準。価値判断である。機会の平等という比較の理念ではなく、子どもの権利の理念に基づく考え方である。 すべての親は「温かい家庭」を築こうとするのであろう...

貧困と格差は異なる。貧困撲滅を求めることは、完全平等主義を追求することではない。貧困はそのことを社会として許すべきではないと言う基準。価値判断である。機会の平等という比較の理念ではなく、子どもの権利の理念に基づく考え方である。 すべての親は「温かい家庭」を築こうとするのであろうが、親の年収によって子育ての環境は大きく異なっているのである。 晩産化が進んでいる。貧乏人の子沢山は少数派 子どもの貧困率は、親が中規模以上の企業に勤める常用雇用の場合のみ少ない 二人の就業世帯であっても、子どもの貧困率は10.6%。母親の就労が貧困率の削減にほとんど役に立っていないと言える。 0歳から2歳の乳幼児のこども、多子世帯、若い父親を持つこども、母子世帯の子どもの貧困率が高い 日本は家族関連(児童手当、児童扶養手当、現物給付等)の社会支出が、他の国と比べても相対的に低い傾向がある 児童手当もイギリス・フランスと比べても支出が少ない。社会保障も緩やかな逆進性を孕んでいるので、再分配後所得の貧困率が再分配前所得の貧困率を上回ってしまっている。 母子世帯の平均年齢は40歳 17人に1人が母子世帯に育っている 独立母子世帯と同居母子世帯がある 希望格差が生まれている。 子供の幸福度(ウェルビーイング) ヘッドスタートの調査によると、乳幼児期(0〜5歳)の貧困が、ほかの年齢の子ども期の貧困よりも、将来の子供の成長に一番影響を与える

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2019/12/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

★内容★ ・後日追記 ★学んだこと★ ・もう一回ちゃんと読みたい。逆機能の部分が衝撃的である。 ★もっと知りたいこと★ ・所得の再分配、逆機能について

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2019/11/17

子どもを持って、色々と恩恵を受ける場面もあるにはあるんだけど、課税や社会保障費用の負担についてはちょっともニョルところもあったりなかったり。10年以上前の本ではあるけど、根本的なところはあまり変わっていないかな、とも思う。他国との比較を見るとやっぱりちょっと、微妙な心持ちになって...

子どもを持って、色々と恩恵を受ける場面もあるにはあるんだけど、課税や社会保障費用の負担についてはちょっともニョルところもあったりなかったり。10年以上前の本ではあるけど、根本的なところはあまり変わっていないかな、とも思う。他国との比較を見るとやっぱりちょっと、微妙な心持ちになってしまうなぁ…。続編もあるようなので、そちらも読みたい。

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2020/06/08

読み終えた上での、再配分に対する自分の考え 「成人するまでの機会の平等を担保するために、貧困世帯のこどもには機会への平等なアクセス権(無償化、学習支援など)、親には必要な額の支援(あくまで機会の平等のため)が必要である」 努力不足によって所得に格差が生まれることに問題はない...

読み終えた上での、再配分に対する自分の考え 「成人するまでの機会の平等を担保するために、貧困世帯のこどもには機会への平等なアクセス権(無償化、学習支援など)、親には必要な額の支援(あくまで機会の平等のため)が必要である」 努力不足によって所得に格差が生まれることに問題はない。ただ、それでも結果として貧困になった個人には、最低限のセーフティーネット(生活保障)と、努力次第で再起できる機会(職業訓練 / 教育機関での学び直し)は与えるべき。また、その所得格差が次の世代の子どもにまで連鎖するのであれば、それは生まれた時点で差がつくため、機会の平等が保たれているとは言えない。 よって、連鎖が生まれない、また、生まれた家庭環境・地域・国籍にかかわらず、こどもの機会の平等が保たれるためには、貧困・低資本世帯のこどもと、親への支援が必要である。 親への支援に関しては、こども機会の平等に必要な金額以上の支援は、正当に努力して高所得を獲得した世帯との不平等が生じてしまうため、あくまで「➀こどもの機会の平等を保つため」、「➁競争に敗れたとはいえ、人として最低限の生活を送るため」の2つの目的達成のためにのみ行われるべき。 理屈はこうだが、高所得者の人が「理屈は理解できるけど、自分は頑張ってその結果としてお金を手にしたのに、頑張ってもない人に再分配したくない」というのはすごくよくわかる。ここをどう解決するか。(親ではなく、こどもに再分配する、再分配によって努力しようとしているか、継続監視する→マイクロファイナンス?) こどもの機会の平等のためには、「家庭内の治安の改善と介入システム」、「公的教育機関の教育の質」、「私的教育機関の無償化」、「労働人口増加」あたりが鍵になりそう。 いかに1人1人の国民と経営者が格差問題を、 ・「自己責任」の一言で片付けず、 ・こどもとその生活環境や文化資本の差に目を向け、 ・払っている税金など、”一部”ではなく、”全体”のお金の流れを意識でき、 ・貧困家庭のこどもの不平等に共感→同感でき、 ・共感している人たちが、このシステム実現のための実行力を持てるか、 が最大の焦点。 ーーーーーー 感想 低所得者への再配分は、「努力が足りないだけ」という自己責任論に行きがちだが、「そもそも貧困家庭に生まれた時点で、教育へのアクセスや家庭環境等で、ディスアドバンテージがある」・「金銭面だけでなく、家庭環境や学力による低い自己効力感」など、こどもの自己コントロールでは管理しきれない影響がたしかにあるために、自己責任論は適切ではなく、きちんと社会全体で支援をするべきである、という論がとてもしっくりきた。 機会の平等には、2つの条件がある。1つは「公平な競争」で、もう1つは、「だれでも頭がよく生まれる確率が等しくあり」、「生まれつきの遺伝子ではなく、後天的な学習と自由意志によって、だれでも頑張れば」それなりの業績をあげれるという前提。 しかし、貧困家庭のこどもは、頑張らなくて学力が低いのではなく、生まれた環境のために自己肯定感、自己効力感が低く、努力できていない。これは、前提に立っていない。そのため、支援を受ける権利がある。 こどもの貧困を解決するためには、親への金銭的な支援も必要になるが、それは機会の平等という観点で難しいなと感じた。貧困家庭に生まれたとか、障害があるとかだったら理解されそうだが、単に努力不足で収入が低い場合、支援の正当性やインセンティブ設計をどう担保するのか。

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