子どもの貧困 の商品レビュー
格差、本人の素質の違い、社会は平等ではないのが当たり前、などと混同されることも多いですが、子どもの貧困は社会が許容すべきでない生活水準のことである、とはっきり言って、いろいろなデータを示して、今後の政策に何が必要かを述べています。2008年に出た本ですが、10年たった今、当時と比...
格差、本人の素質の違い、社会は平等ではないのが当たり前、などと混同されることも多いですが、子どもの貧困は社会が許容すべきでない生活水準のことである、とはっきり言って、いろいろなデータを示して、今後の政策に何が必要かを述べています。2008年に出た本ですが、10年たった今、当時と比べてどれくらいよくなっただろう、、と残念な気持ちになりました。
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終始データに基づく話。 親の年収や学歴との相関など、わりと知ってる内容が多いが、データを用いているので、具体的。
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日本は昔から「子どもに寛容で優しい国」であったはずなのに老人だけが権利を主張して得をする国になってしまった。 日本の子どもの貧困について豊富なデータで説明し非常に説得力がある本。 「相対的剥脱」「貧相な貧困感」「保育所は子ども達の最初の防波堤」「意欲の格差」「希望の格差」 な...
日本は昔から「子どもに寛容で優しい国」であったはずなのに老人だけが権利を主張して得をする国になってしまった。 日本の子どもの貧困について豊富なデータで説明し非常に説得力がある本。 「相対的剥脱」「貧相な貧困感」「保育所は子ども達の最初の防波堤」「意欲の格差」「希望の格差」 など勉強になった。
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「こども手当て」はどの現状に対するどの程度の数値目標を掲げた政策かという視点での議論はそういえばあまり起こらなかった。この著書のようにデータで社会を視る視点での「子ども」「若年層」の考察がもっと世の中に広まって欲しい。でないとスーパー高齢化社会の日本で誰が子どもを育てるのだ?
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「少子化大臣」よりも「子ども大臣」の設置。この言葉が、ストレートで分かりやすかった。直接、子どもの貧困に焦点を当てた対策の急務。離婚率増加、母子家庭の増大、養育費を踏み倒す元夫や養育を支払えない元夫の現実、母子家庭における母親のダブルワークやリーセントワークの問題。
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こどもの貧困について書いた本。 格差と貧困の違いや、親の、特に一人親家庭の経済状況とこどもの貧困について、が前半で、 それに対する政策について、が後半。 前半が私の知りたいことでした。 ちょっと前の本なので、紹介されている政策などが現状は更新があるかもしれない。
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自分の体験してきたことがようやく日の目を浴びたような気がした。 そして、日本全体が子供の貧困に対してどれだけ無関心であるかを思い知り落胆もした。 クリスマスなんてなくても生きてはいける。誕生日を祝われなくても生きてはいける。でも普通の人みたいにまっすぐ素直な人間になることはできな...
自分の体験してきたことがようやく日の目を浴びたような気がした。 そして、日本全体が子供の貧困に対してどれだけ無関心であるかを思い知り落胆もした。 クリスマスなんてなくても生きてはいける。誕生日を祝われなくても生きてはいける。でも普通の人みたいにまっすぐ素直な人間になることはできなくなる。本著でも触れられていたが、相対的に貧困をはかろうとしたその試みは大変画期的だった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2008年刊行。◆国立社会保障・人口問題研究所勤務の著者が、子供の貧困(相対的貧困)を身近な問題と捉え、その実像と処方箋を解説する。◆本書からは、日本人はできるだけ多くの子供に対し、高度な教育を費用をかけて与えようとは考えていないことがわかる(第6章。教育の私事性)。◇第2に、日本は先進18国の中で唯一、再分配前所得に基づく貧困率よりも再分配後所得のそれが上がる国。社会保険・税制により貧困率を悪化させるのだ。まして社会保険料は一部定額主義で、ゆるい逆進構造である。こんな制度で誰が安心して暮らせるだろう? なお、本書で示されているが、離婚後の養育費について公的徴収の制度は、先進諸国に習い早期に整備する必要がある。
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自分以外の家庭の事情はなかなか見えにくいので、衝撃を受けた箇所が多々ありました。相対的貧困がキーワードかな。
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とてもよく整理されて書かれていて、読みやすく、そしてぐっと迫ってくる内容だった。 この筆者の本はもっと読んでみたいと思った。 大人が、「子どもにとって最低限必要だと思うこと」が、日本では非常に厳しいという話が印象的だった。 確かに自分にもそういうところがあるかもしれない。 某野...
とてもよく整理されて書かれていて、読みやすく、そしてぐっと迫ってくる内容だった。 この筆者の本はもっと読んでみたいと思った。 大人が、「子どもにとって最低限必要だと思うこと」が、日本では非常に厳しいという話が印象的だった。 確かに自分にもそういうところがあるかもしれない。 某野球少年の話とか、某おそばの話とか、「貧しいけど頑張る」的な、そういう話に慣れ親しみすぎているのかもしれない。 具体的に対処案も挙げられていて、きちんと対処されれば効果が上がっていくはずだという希望も感じながら、しかしこの書籍が書かれてからしばらく経つのにさらに大きな課題となってきている現状に、焦燥も感じる。
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