ひなた の商品レビュー
元千葉のヤンキーながら有名ブランドHに就職し意外な活躍を見せるレイ、その彼氏で大学生の尚純、尚純の兄浩一、浩一の妻で雑誌編集者の桂子。 女性ファッション誌に連載されていたせいか、二人の女性は彼氏や家庭そっちのけでバリバリ働き、男性二人はなにやら覇気がない。一見、明朗なトレンディド...
元千葉のヤンキーながら有名ブランドHに就職し意外な活躍を見せるレイ、その彼氏で大学生の尚純、尚純の兄浩一、浩一の妻で雑誌編集者の桂子。 女性ファッション誌に連載されていたせいか、二人の女性は彼氏や家庭そっちのけでバリバリ働き、男性二人はなにやら覇気がない。一見、明朗なトレンディドラマ(って今は言わない??)のようだが、その裏側には、兄弟の両親や友人を含め皆が抱いている屈託がたゆたっている。 読み進めるにつれて彼らが一筋縄ではいかない事情を抱えているのが分かってくるのだが、それでも吉田氏にしては意外な、淡い、毒のない作品。 有名な著書の影に隠れている感があるわりには結構好きかも。
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舞台の近くに住んでいるので、何となく感じがわかった。ただ、ブランドの広報のおんなの子の話はあーんまり他の3人となじまなかったような気もする。でも彼女の話は1冊の本で読んでみたい。エルメスの広報の千葉の元ヤンの話とか広がる。
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登場人物それぞれの目線から順に語られていく心情。こういう構成は嫌いではない。男性陣より女性陣の方を社会的に活躍している立ち位置に置いてるのも地味に小気味良かった。あれ?とこれも地味に驚く秘密も暴露されてたりするし、最後まで、地味に(と何度もしつこい^^;)楽しめた作品だった。
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思い違いでなければ THE吉田修一って感じ。 幸せな家族の中にあるねじれ。 それが決して寂しいわけでも恐ろしいわけでもないんだけど、じわじわくる。
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帯に隠れた傑作!思わす購入!ただ、本当にありふれた家族の話、心に残るセリフなどあったかなぁ〜 平成の猿蟹合戦は面白かったのに
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兄夫婦と弟と彼女。4人の視点から春夏秋冬を巡る。 「ひなた」の気持ち良さとか心地よさ。それとは反対に、それぞれの「ひかげ」の部分も存在する。
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それぞれの暮らしがあって、でもどこかで繋がってる… 辿って行ったら… 心があたたまるお話でした。
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兄、弟、兄の妻、弟の彼女。 それぞれの視点からの春・夏・秋・冬を綴った16篇。 普通に仲いい家族の日常なようだけど、各人の過去や秘密が際どくていい。
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きゅんとする家族の物語かと思いきや 私の思うよりももっと現実的で、かつ優しいひとたちだった。 私は時々とても寛容ではいられなくなることもあるけれど やっぱり朝が来ればあなたは許されると信じて。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ちょっと複雑な気分のとき、「ひなた」を読むとすーっと落ち着きます。 と書くと、ちがったイメージを持たれてしまうかもしれませんが、 けっして自己啓発ふうの小説ではありません。 ただ、登場人物みんなが、リアルに複雑なのです。 精神の病にかかるほどの複雑さではなく、 小説全体が暗くなるほどの深刻さもない。 自然に、普通に、みんなが秘密をかかえている。 最後まで、解決しない問題も多いけど、 なんとか、何事もないようにやっていく、という姿勢が、いい。 何を読んでも、オシャレ、スタイリッシュ、洗練といった印象が強い氏だけど、 この小説を読むと、いや、この構成なんか、洗練以外のなにものでもないけど、 でも、柔軟さというか、やさしさというか、 なんか、途中までは一緒に絡み合っていくけど、 最後には一緒にほっとできるような、 まあ、なんだかんだいって、これはやっぱりオシャレですね。 こうして振り返ってみると、ある意味とらえどころのない小説にも思えてくるので、 この際、最後に名文句を引用してみます。 誰かを裏切りたくて、誰かを好きになるヤツなんていやしないんだし。 誰かを好きになっちまうから、仕方なく誰かを裏切らなきゃならなくなるんだよな。
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