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ひなた の商品レビュー

3.4

123件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    43

  3. 3つ

    49

  4. 2つ

    12

  5. 1つ

    1

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2024/09/22

特に働くでもなく、伯父の喫茶店でバイトをする大路尚純。尚純と付き合っていて、世界大手ブランドのHで企画を行うレイ、尚純の兄で、仕事の合間に素人劇団をやっている浩一、出版社でバリバリに働く浩一の妻の桂子の4人の視点で、ある年の春夏秋冬を描いていく、オムニバス形式の日常小説。 『パ...

特に働くでもなく、伯父の喫茶店でバイトをする大路尚純。尚純と付き合っていて、世界大手ブランドのHで企画を行うレイ、尚純の兄で、仕事の合間に素人劇団をやっている浩一、出版社でバリバリに働く浩一の妻の桂子の4人の視点で、ある年の春夏秋冬を描いていく、オムニバス形式の日常小説。 『パークライフ』のような、嫌ではないが掴みどころのないという、純文学と言えるのかいえないのかが不明な吉田修一である。新堂レイから始まり、細かく視点が動いていくため、どの人物に感情移入すべきかわからない状態の序盤では、全員が特にこれという特徴のないまま次話は進む。そこに、一流ブランドや観光地への出張、バンコクへの移住など、2006年に書かれたとは思えないような、バブリーな描写が入ってくる。あえて携帯電話を描いていないのか、それとも1990年代を想定していたのか。 全体に、感情の起伏の少ない登場人物たちが、たとえば真の父親探しであったりと、それなりに大きめの事件に直面していくのだが、すべて淡々と描かれていくため、最後まで誰に感情移入すべきだったのだろうなあ、というままであった。 真の父親であったり、過去の謎の男、お金、全員それなりに巻き込まれているし、明らかにおかしいと感じつつも別れられない相手である遠野や田辺といった人物に、純文学的な物を見いだせるかどうかが、本作に納得できるかどうかの境目になるだろう。 うーん、ちょっと物足りないかな。

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2024/08/05

複雑な家庭のお話。 登場人物の人となりが把握しやすく、 読みやすかったけど、 ストーリーとしては面白みに欠けた。

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2023/12/24

一見平々凡々と過ぎていってしまう生活の中で、実際は裏に不安定さがあったり、闇を抱えていたりする。その "ひなた" と "ひかげ" のコントラストは、実はそれほど高くないのかもしれない。それでも「自信なんて、なくてもいい」と寄り添える浩一と桂...

一見平々凡々と過ぎていってしまう生活の中で、実際は裏に不安定さがあったり、闇を抱えていたりする。その "ひなた" と "ひかげ" のコントラストは、実はそれほど高くないのかもしれない。それでも「自信なんて、なくてもいい」と寄り添える浩一と桂子が羨ましい。

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2023/07/30

吉田修一さんの作品は文章表現が好きで、これまでも結構読んできた。 本作も吉田修一作品の中では好み系でどんどん読み進めたが、終盤にかけて少々散らばりすぎた印象。これも本作の良さかと思いつつも、もう少し布石を回収してくれた方が個人的には高評価つけたかも。 でも先が楽しみで、結果もして...

吉田修一さんの作品は文章表現が好きで、これまでも結構読んできた。 本作も吉田修一作品の中では好み系でどんどん読み進めたが、終盤にかけて少々散らばりすぎた印象。これも本作の良さかと思いつつも、もう少し布石を回収してくれた方が個人的には高評価つけたかも。 でも先が楽しみで、結果もしては一気読み。今後も吉田修一さんの作品は読み続けていきたい。

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2023/05/27

男女4人、それぞれの視点で四季を描いた作品。 とくに大きな変化があるわけでもなく、物語が淡々と進んでいく。その淡々と進む感じがとても居心地よくて、安心して読んでられる。 吉田修一の作品は、登場人物の描写が丁寧。彼らの考えていることが伝わってくるようで、物語の世界に浸かれる。

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2023/01/03

昔、ファッション誌でとびとびに読んでいた小説。断捨離で雑誌を捨てる際に、切り取っておきたいページはあるかとめくっていてふと完結したのか気になり調べてみたら、タイトル変更で一冊にまとめられていたので読んでみた。登場人物たちはその後どうなるのかが少し気になっていたが、そんなにどうなる...

昔、ファッション誌でとびとびに読んでいた小説。断捨離で雑誌を捨てる際に、切り取っておきたいページはあるかとめくっていてふと完結したのか気になり調べてみたら、タイトル変更で一冊にまとめられていたので読んでみた。登場人物たちはその後どうなるのかが少し気になっていたが、そんなにどうなることもなく、そのまま最後のページに到達。 カフェでご飯を食べながらとりとめなく知り合いや友人の噂話をして過ごしたような感覚を思い出させる一冊でした。

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2022/05/17

一人称視点が次々切り替わっていくスタイルの中、ひとつひとつの出来事が淡々と進んでいくテンポ感はあまり自分の好みではなかったかな。

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2021/07/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

怒り、パレードが良かったから読んでみたけどこれはそんなに好きじゃなかった なんかぼんやりした感じで終わる まぁ人の気持ちとかってはっきりとできないからリアルではあると思うけど 元ヤンとか言われてる多分エルメスの広報で働き出したれいちゃんとその彼氏でフリーターのなおずみ その義理の兄の浩一、その奥さん 浩一の親友の田辺とかがでてくる 浩一はゲイで田辺のことが好きで、その気持ちに田辺は気が付きながら借金もありお金に困ってるから甘えてる そのこと全部気がついてる浩一の奥さんも別に好きでもない人と浮気してる 浩一と尚純は義理の兄弟だけど実は父親は同じで母が姉妹って言う胸糞な内容

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2021/05/18

兄弟とその妻と彼女。計4人の春夏秋冬。16の章からなる連作集です。 兄嫁に性の乱れが有る為もやもやしますが、弟とその彼女の元ヤンがなかなかいい子たちなので、バランス取れているのかな? 吉田修一ってバラバラな若者を一つ屋根の下に集めるの好きなイメージがあるのはパレードによるものなの...

兄弟とその妻と彼女。計4人の春夏秋冬。16の章からなる連作集です。 兄嫁に性の乱れが有る為もやもやしますが、弟とその彼女の元ヤンがなかなかいい子たちなので、バランス取れているのかな? 吉田修一ってバラバラな若者を一つ屋根の下に集めるの好きなイメージがあるのはパレードによるものなのだろうか。これも不自然なくらい普通に共同生活します。 結構展開が早くてバラエティーに富んでいるので、さくさく読めてしまうけどモヤモヤする本です。

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2021/02/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

新堂レイ…生い立ちと今の姿のギャップがありすぎるが、たぶん、一番あり得る。 大路尚純…誰よりも難しい状況で、就職しないのが何よりの抗い?なのかな。柳田さんが面白い。 大路浩一…普通ぶっているけど、長男ぽく、自分の気持ちを抑えて生きているのが、もどかしい。田辺…うーん。 大路桂子…きっと欲張りで器用。贅沢な生き方、羨ましかったりちょっとしたけど、やっぱり無理だなー。 全体的に誰かにオススメしたい本ではないかな。

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